感覚の基本中の基本とちょっと豆知識

お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営しています、理学療法士の唐沢彰太です。
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 感覚は人が人らしく振る舞う為には、必須な能力です。
運動がどの動物よりも高度であるように見えるのは、道具を使用することが出来る手、2足歩行を可能にしている下肢、そしてそれらの行為を縁の下から支えている体幹の機能が重要なことは言うまでもありません。

 ですが、それらの手・下肢・体幹の高度な行為を遂行する為には、感覚も同様に高度な処理を行えなければなりません。
加えて、感覚は言語との関係が非常に密接で、知覚したものを言語化することで様々なことを認知しています。
そこで今回は、そんな感覚の基本中の基本の部分を簡単に書いた後、感覚がいかに高度なのかの豆知識を書いていきたいと思います。

受容器から知覚まで

 感覚は、体全体のあちらこちらにある様々な種類の刺激に特化した受容器に対し刺激が加わった瞬間から始まります。(知覚は刺激を受容する前の予測から始まります)

  • 視覚:光
  • 聴覚:空気振動
  • 表在感覚:接触、圧、振動、伸張など
  • 深部感覚:筋の伸張

このような具合です。
 さらに、これらの刺激は受容器より後で電気信号に切り替えられ、神経線維を通り脳へ伝達されます。
この脳でも感覚毎に処理される場所が異なっていますね。

  • 視覚:後頭葉
  • 聴覚:側頭葉
  • 表在感覚:頭頂葉
  • 深部感覚:頭頂葉、小脳

これらの脳に刺激が到達するまでに、脳で処理できる状態まで感覚は加工され、脳で処理されていく過程で知覚できるようになります。

 つまり、「目に光が入った!」という状態から、「今何か見ている!」そして、「今見ているのは○○だ!」と脳での処理によって知覚が進んでいきます。
もちろん実際は猛スピードで処理されていて、意識することは出来ませんがイメージするとこんな感じになります。

 感覚の種類によって、どの段階で知覚できるのか(感覚を意識出来るのか)、知覚するためには何が必要なのかなどのプロセスは異なっています。
その為、いわゆる感覚障害における原因は、感覚の種類によっても分けて考えなければなりません。
単純に「感覚麻痺だから」と片付けずに、「どうして感じないんだろう?」を突き詰める姿勢が必要です。

 通常感覚麻痺は、

  • 受容器の損傷
  • 受容器から脳へ伝達する際の障害(神経損傷、シナプスの障害など)
  • 感覚を処理する領域の脳損傷

の3つを指します。
これら以外の原因による感じにくさは、知覚障害と呼ぶことが妥当です。
人の身体の専門家である以上、正確に言葉は使いたいですね。

感覚を知覚し、物事を認知する

 さて、ここまで感覚の基本中の基本を本当に簡単に書いてきましたが、この感覚を非常に高次だと考えている理由を豆知識としてここから書いていきます。

まず【感覚は何のためにあるのか?】から考えていきます。

 感覚の大きな役割は2つあります。

  1. 環境を認知するため
  2. 自分を認知するため

 これら2つは、【地球という環境で生きていくために、行為を遂行する】目的で行われると考えることが出来ます。
つまり、環境と自分を捉え、行為を遂行していくためには感覚は必須であり、最も重要な能力であると言えます。

 スムーズかつ安全に歩くためには、材質や傾斜などの地面の状態を視覚や足底感覚、足関節の深部感覚などから把握し、動いている自分の身体をリアルタイムに知覚した結果から姿勢に昇華しなければなりません。
 このように、感覚は時間的にも空間的にも同時的に発生していて、これらを感覚毎に処理して時に統合し、新しいものを作り出していく必要があります。

個人的には、動く事よりも感じることの方が人間らしさを作り出す要素としては貢献度が高いと思っています。
 その理由はここまで書いてきたような、感覚の役割はもちろん、もう1つ認知という側面からも感覚の重要性が高いことが分かるからです。

知覚と認知と記憶

 感覚は脳に蓄積していきます。
一方運動は、知覚がなければ蓄積することが出来ません。
なぜか?
感覚が無ければ自分が動いたのかどうかすら分からないからです。

記憶によって蓄積された知覚は、いつでも再生できイメージすることが出来ます。
その記憶には運動が含まれており、運動イメージとして再生することも出来ます。

すでに書いた通り、感覚の役割は環境や自分を認知することであり、この認知には記憶が重要になってきます。
今までで見たことがあるのか、感じたことがあるのか、使ったことがあるのか…この記憶に基づいて<今>を知覚することが出来ています。

如何でしょうか?
いかに知覚が大切なのか、また高次なのかが少しでも伝わって頂ければ幸いです。
この知覚が障害されるということはどういうことなのか?
このことをセミナーで話していきたいと思います!

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