お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営している、理学療法士の唐沢彰太です。
皆さんは、
「ロジカルシンキング」
って聞いたことありますか?
和訳では、「論理的思考」と言いますが、良く引き合いに出されるのは、演繹法と帰納法です。
学生の頃、哲学などの授業で聞いたことがあると思いますが、その内容まで覚えているかと言われると…。
そこで!今回は、私が臨床で実践しているロジカルシンキングについて書いていきたいと思います!
ロジックと聞くとなんとなく敬遠しがちですが、簡単に言えば道筋です。
どうしてその結論に至ったのか?
その結論までの道筋を言葉で表したものがロジックです。
学生の時の症例発表や先輩との臨床に関するディスカッション、後輩に質問された時の回答など、実は様々な場面で知らず知らずのうちに活用していると思います。
具体的に言うと、観察から分析をして問題点を抽出、その問題点と動作の関係を考えて介入を決定していく。
この流れの中で、
など、いくつかの点で言葉で説明しなければならない点が存在します。
つまり、自分の思考を時間軸に沿って説明していくことこそが、ロジカルシンキングに直結します。
ここまでで、ロジカルシンキングがリハビリの臨床ととても近いところにあること、ロジカルが道筋であることが少しお分かりいただけたと思います。
ではここで、
なぜロジックが大切なのか?
について触れていきたいと思います。
ここでは大きく3つについて書いていきます。
効果が不確かな中、職人技のように行われてきたリハビリですが、医学の領域と同様にエビデンスが求められてきています。
つまり、行っている介入が妥当かどうかですね。
この風潮の中で、「なんとなく」という雰囲気で様々な決定が行われやすい臨床は生き残れない可能性が出てきています。
どうしてそこが問題なのか?…先輩が言っていたから。
どうしてその介入をしたのか?…本に書いてあったから。
これではダメということです。自分の言葉で、そう考えた道筋を表し、それが何かしらに基づいていなければならないのです。
そのためには、臨床にロジックを持ち込んでいく必要があるということです。
私が今勤務している保険外リハビリの領域では、利用者さんの今の身体状況や高次脳機能障害など、様々なことについて本人に説明していきます。
モチベーションが高く、本人が知りたがっているからというのはもちろんありますが、理由はもう1つあります。
保険外では期限がなく、本人が通い続けられれば半永久的に通うことが出来ます。
だからこそ、リハビリからの卒業について本人と丁寧に話していく必要があります。
そのためには、自分で問題と向き合い解決していく力が必要です。
この能力を獲得していくためには、自分の身体や行為を出来るだけ正確に知り、捉えられなければなりません。
このことを手助けするためにも、患者さんに出来るだけわかりやすく、私たちセラピストの考えを伝えていく能力が必要です。
そのツールとして、ロジカルシンキングが役に立ってきます。
自分が休みの時に代わりにリハビリに入ってもらう時や、先輩への質問、後輩からの相談への回答など、セラピストへ説明する機会は多くあります。
その中で、このロジカルシンキングはとても役に立ちます。
それだけではありません。
自分の思考をまとめることは、アウトプットにもなり、自分の成長にも直結します。
このように、リハビリの臨床の中でロジカルシンキングを実践していくことは、多くのメリットを生み出します。
実際どういう感じなのか?
どうやっていったら良いのか?
など素朴な疑問が出てくると思います。
私のblogを読んでいただけると、ロジカルシンキングの雰囲気がむんむん出ているので感じていただけるかと思います。
実際にみてみたい!
という方は、是非ご連絡ください。
症例発表が一番わかりやすいと思いますのでご招待いたします!!
お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営している、理学療法士の唐沢彰太です。
今回は、皆さんより多く声をいただいている高次脳機能障害について書いていきたいと思います。
その中でも特に、高次脳機能障害と動作をどう関連付けて行けば良いのか?に焦点を当てて行きたいと思います。
本テーマはトレンドでもあり、先日開催された日本神経理学療法士学会のカンファレンスでも取り上げられていました。
本学会では、半側空間無視と歩行についての関連性についての討論がされており、多くの療法士が悩んでいる現状を知るきっかけにもなりました。
実際、私の職場の療法士も、どうしても高次脳機能障害と動作を分けて考えてしまう人が多く、リハビリも悩んでいるという声を聞いています。
なぜこのような事態になってしまうのでしょうか?
この点を踏まえて書いていきたいと思います。
そもそも高次脳機能障害の診断基準は日本ではどうなっているのでしょうか?
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部、国立障碍者リハビリセンターによると、
とされています。
つまり、高次脳機能障害は、
これらに加え、
と考えることが出来ます。
リハビリの臨床において、高次脳機能障害を特定していく為には、検査が必要です。
検査結果から、ある高次脳機能障害が疑われれば、追加の検査を実施したりしながら病態の解釈へと進んでいくと思います。
それらを統合し、疑いがある〈高次脳機能障害へのアプローチ〉が開始されていきます。
もちろん正確に高次脳機能障害を理解するためには検査や評価は必須です。
それは言うまでもありません。
ですが、ここには大きな落とし穴が隠されています。それは…
この2点をクリアできなければ、本来の目的である生活の改善を目指すことが出来なくなってしまいます。
ではどうすれば良いのか?私なりの考えを書いていきます。
リハビリでの介入は、情報収集から始まります。
年齢・性別などの基礎情報に加え、疾患名・障害部位・画像所見などの医学的情報、家族構成・家屋情報・職業などの社会的情報などを包括的に収集していきます。
その中でも、医学的情報の障害部位や画像所見は、介入前に情報を得ることで、患者さんの病態予測を行うことが出来ます。
そして、高次脳機能障害の検査の選択もある程度この時点で目星をつけていきます。
効率的かつ根拠をもって介入していく為には必要な手続きになりますし、必須であることは間違いありません。
ですが、先ほど書いた落とし穴の1番である、障害の見落としが発生する可能性は否定できません。
事前情報を最大限に生かしていく為には、【観察】が必要になります。
事前情報は予測する事を可能にしてくれますが、時には先入観となって観察内容に干渉してきてしまうことがあります。
錐体路が損傷していないから運動は問題ないだろうという考えが代表的でしょうか。
運動障害の原因は麻痺だけではありません。
補足運動野が損傷していたり、機能解離1)によって機能停止している場合では、運動を遂行できないケースも存在します。
私は、この様な事態を避けるために、観察と分析を分けて考えています。
この場合、先入観によって観察内容がズレることはありませんが、記述内容には工夫が必要です。
学生の頃に習った様な、「股関節が屈曲し…」の様な、関節運動学に基づいた観察だけではなく、むしろ患者さんの【振る舞い】そのものを記述していきます。
その中には、立ち上がりの時にはどこを見ていたか、何に気を付けていたのかなどの患者さんの1人称による発言も記述していく事も大切です。
この観察の中で気になった事、違和感程度のことでも構いません。それを記録として残しておき、検査の対象にしていきます。すると、検査の対象は、
と幅が広がっていきます。
ここまで書いてきた観察と分析を分けて考える方法は、障害の見落としが減るのはもちろんですが、もう1つ利点があります。
それは、
観察の中で気付いた点や動作の違和感であるため、動作と結びつけやすい
ことです。
「本患者さんには、半側空間無視がある」ではなく、
「歩行の時に麻痺側の振り出しがぶらぶらしているように見えるのは、全身動作において麻痺側に注意喚起が難しいからだ」
と、行為において生じている現象を理解するために、認知機能や注意機能の検査を行っていきます。
介入の一連の流れに、観察を取り入れ、検査の持つ意味合いを少し工夫すると、高次脳機能障害と行為とのつながりが見えやすくなるのではないでしょうか?
もちろん、この観察はすぐに出来るようになるわけではありません。
特に関節運動を中心に観察する方法を学校で習ってきた理学療法士は、観察の方法を工夫したり、時には1から組みなおす必要もあるかもしれません。
ですが、このような観察は訓練の幅そのものも広げてくれると考えています。
動作と高次脳機能障害の関係性が理解できていれば、訓練もおのずと認知的な側面(高次脳機能障害は認知障害であることを前提に)を考慮したものへと変化していきます。
つまり半側空間無視への介入、歩行への介入ではなく、
半側空間無視を呈している人への歩行改善を目的とした介入
です。
つまり、もっと歩きやすくなってもらう為には、患者さんを半側空間無視がある人として捉えて、訓練を工夫していくイメージです。
現在のリハビリでは、
など、いろいろな考え方があります。
その中でも私は、高次脳機能障害を認知の癖として考えて、介入方法や関わり方、コミュニケーションまで全てをプランニングしていきます。
『こんな観察できるようになりたい!!』
『そんな訓練どうやってやるの??』
そう思っていただいた方、一緒に勉強してみませんか?
1)機能解離:限局性脳病変から離れて発生する神経生理学的変化を説明するために、1914年にvon Monakowによって提唱された概念。機能的に連結している部分などの脳血流量の減少や過剰興奮などが観察されている(E Carrera,et al 2014)
お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営しております、理学療法士の唐沢彰太です。
言葉って大事ですよね?
専門家として、言葉や用語を正しく使うことはとても大切で、多職種での連携が大切なリハビリではその面においても重要です。
その中でも、
お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営しております、理学療法士の唐沢彰太です。
<基礎が大事>
って耳にしませんか?
リハビリに限らず、何においても基礎をおさえておくことは大切です。
足し算・引き算・掛け算・割り算は数学の基礎です。
これらが出来なければ、因数分解は出来ません。
また、この基礎が生活にも必要なことがとても重要です。
教科として習ったことが、生活にいかされるこの構造はリハビリにおいてもみれらます。
本記事では、基礎について書いていきたいと思います。
学生頃、とてもたくさんの科目があったと思います。
解剖学、生理学、運動学、解剖生理学、病理学、心理学、精神学、哲学、社会学…
なぜこれほど多くの教科を学ぶ必要があったのでしょうか?
1つは、人の体や疾患を理解するためです。
リハビリテーションは、人を対象とする職種です。
様々な側面から人を理解することが求められるため、このように多くの教科が必要になってしまいます。
もう1つは、患者さんを理解し、目標へ向かっていく手助けをするためです。
例えば、病気になった患者さんの気持ちに寄り添う為に心理学、行為とは何かの本質を考えるための哲学、障害をお持ちの方の社会参加の側面を理解するための社会学などなど…
これらを理解するためには、その【基礎となる学問】を学ぶ必要があります。(学生の時もこんな感じに教えてもらいたかった…)
このように、臨床を形作る基礎は、その名の通り様々な学問の基礎から成り立っています。
ただ、1つ問題があります。
先ほど述べた、学生の頃にならう基礎の学問ですが、学生では実際の臨床を知らないため、患者さんをイメージしながら学ぶことが出来ません。
ここがとてもネックになります。
実際の自分が担当している患者さんのために、学んでいくプロセスは学校では教えられないのです。
更に、臨床心理学、臨床哲学のような、臨床に直結する学問は、卒業後自分で学んでいかなければならない環境です。
しかし、【臨床】と付く学問は、臨床の中から生まれてきている学問であり、リハビリにおいてもとても大切な知識になります。
例えば、患者さんの観察や病態解釈には臨床心理学の知識は非常に有用です。
このように、学校の頃に学んだことだけでは不十分であり、自分のリハビリ特に担当している患者さんに合わせて学んでいく知識を選択し、更に本や勉強会も選択していかなければならないのです。
これを1年目からやっていくのは非常に難しく、もし周囲にそのような勉強をしている人がいなければ、自分の勉強法を見つけなければなりません。
それでは勉強していくのが嫌いになってしまいます…
リハビリで良く聞く悩みが、
「この患者さんに何をしたらよいかわかならない」
つまり、改善がみられないという悩みです。
もちろん介入の手段の引き出しを多く持つことは大切です。
ですが、なぜその患者さんにその方法なのか?を理解しないまま介入するのは絶対にダメです。
何をしたら良くなるのかわからない=何が問題か分からない
この構図を理解しなければ、介入の手段にどんどん引っ張られていきます。
そうではなく、患者さんを理解するために基礎を学びなおして、問診・観察・検査・分析を丁寧に行っていくことが足りない人がほとんどです。
なので基礎が大事になります!!
ぜひ基礎から学びなおしたい人、臨床を学びなおしたい人、勉強の方法を学びたい人は是非ご参加ください!
お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営しています、理学療法士の唐沢彰太です。
皆さんは、観察や分析は得意ですか?それとも苦手ですか?
HPのTOPにも書いている通り、リハビリでは観察と評価、それらの結果を統合する力はとても大切です。
皆さんの周りにも、
「どうしてみただけでそんなことがわかるの?」
と思う療法士の方がいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、この臨床の核である観察と分析について大枠を書いていきたいと思います。
後輩育成に力を入れてきた私ですが、10年目になった時あることに気付きました。
それは、まだ経験の浅いセラピストに、観察と分析について教えている時でした。
患者さんの動画を用いて、立位姿勢から歩行を観察していると、私から見れば一側に荷重していることは一目瞭然でしたが、その研修のセラピストには【観えていない】様子でした。
この時私は、「観察1つ取っても、一人一人みえている物が異なっているのか」と気付かされました。
みえているものの違いは、いくつかのことが影響していることが分かってきました。
観察から介入までの経験を重ねていくと、いろいろな「予測」がたつようになってきます。
言い換えると、自分の中で【カテゴリー分け】されていくようなイメージです。
「左の視床出血の方でこのように動く人は、○○のことが多い」
といった感じです。
この「予測」がみる所をしぼる役割をして、より深い観察を可能にしてくれます。
同時に、観察から介入まで流れるように浮かんできます。
患者さんの個人差を加味するために、他の動作を観察したり、問診で情報量を増やしていくことで、自分の考えをより正確にしていくことも出来ます。
このように、今までの患者さんの経験を、目の前の患者さんにいかすことが臨床を豊かにしていく第1歩です。
これは誰でも経験されていると思います。
カバンが欲しいときには、電車に乗っているといろいろな人のカバンが目に入りませんか?
これは注意の特徴の1つで、自分の興味のあることに注意が引っ張られやすいのです。
例えば、運動学の勉強をしている人は、関節の動きに注意が向きますし、感覚に関する勉強をしている人は、感覚に関する質問をしたくなります。
1つ注意が必要なのは、観察は多角的な視点から行う必要があるということです。
観察はあくまで全体像を捉える手段です。
分析は、運動の側面、感覚の側面、認知の側面などいろいろな情報を元に可能性を探っていきます。
入り口は人それぞれでOKですが、最終的にはいろいろな可能性を探れる考える力が必要です。
リハビリの介入の目的はあくまで患者さんに学習してもらい、動作をより楽に行えるようにすることです。
つまり、【介入方法のわからない部分に関してはみない】傾向が強いです。
例えば、視覚障害をもつ患者さんが初めてだったり、介入方法をまだ知らない療法士では、視野に関する観察や検査はあまり行いません。
これは意図的ではなく、無意識で選択されてしまいます。
知らず知らずのうちに避けているのかもしれません。
このように、どれくらいの介入の幅を持っているかは、実は入り口である観察にも影響してきます。
これら3つが関係している観察では、一人一人みえている世界が異なっています。
このことを知ったうえで、先輩や他の療法士と観察や介入について話すことは、自分の臨床を高めることに最も有効なことは、言うまでもありません。
出来るだけ多くの、また異なる環境の人と話すことで自分の小さな悩みから大きな疑問まで、解決する方法が見つかるかもしれません。
お読みいただいている皆さんこんにちは。本サロンを運営しています、理学療法士の唐沢彰太です。
理学療法士や作業療法士では、痛みを持つ方とリハビリを行う機会は非常に多く、患者さんは痛みに悩まされています。
今回はそのような痛みを抱える患者さんとのかかわりかたについて書いていきます。
理学療法士や作業療法士では、痛みを持つ方とリハビリを行う機会は非常に多く、患者さんは痛みに悩まされているます。
整形外科疾患、慢性疼痛、脳卒中後の痛みなど、痛みの原因や種類は多岐に渡っていて、それぞれリハビリの方法も異なっています。
【痛みとは情動体験である】
と国際疼痛学会では定義されていて、触れている・動いているなどの感覚とは異なっていることが重要視されています。
痛みを感じると、通常の感覚と同じ脳領域に加えて、情動に関する脳領域が活動することが報告されています。
つまり、<痛い>と感じたことと同時に、<嫌だな>と思うことになります。
これは、痛みにもいろいろなものがあり【いた気持ちい】という非常に絶妙な感じがあることも、情動が関わっている証拠になります。
痛みは大きく2つに分けることが出来ます。
です。
痛みが発症してからの期間で分けられていると勘違いされがちですが、原因が明確かどうかで分類がされています。
このように、原因や種類が様々であり、情動が関係している痛みは、リハビリにおいてとても難しい症状の1つです。
では、リハビリテーションの中で、痛みを持つ患者さんとはどのように関わっていけば良いのでしょうか?
本記事では、治療よりも関わり方にフォーカスしていきたいと思います。
痛みは個人的な経験です。
今患者さんが感じているその痛みは、本質的には感じている<その人>にしか分かりません。
どれほど知識を持っている人でも、他者である限り療法士には理解できない部分があるのが痛みです。
例えば、
○○の様な痛み
と患者さんが表現した痛みだとしても、100%理解し共感する事は出来ません。
「あんな感じの痛みなのかな」
想像し、抽象的な理解にとどまります。
これは、痛みが情動【経験】であることが関係しています。
「○○のような」という表現には、その人の経験が含まれていて、他者と共有できないことを含んでいます。
このことからも、この表現は経験的と言え、理解することには限界があります。
これらに対して、
ズキズキ、ヒリヒリ、ジンジン
など、感覚的な比喩で表現される痛みに関しては、<言語>という感覚レベルでの共通ツールを用いいていることで、経験的な表現よりは理解しやすくなっています。
療法士は、患者さんの痛みの表現方法がたくさんあることをまず知る必要があります。
などをリハビリの中で明確にして、患者さんと関わっていく必要があります。
これは、コミュニケーションの基本となります。
このように、患者さんが話していただいた痛みに関することは、コミュニケーションにおいて非常に大切になってきます。
ですが、その時に注意しなければならないのが、「共感」です。
痛みがあくまで個人的な経験であることはすでに書きましたが、その経験に含まれた【辛さ】などのネガティブな情動は、
と考えている患者さんも少なくありません。
もちろん、理解して欲しいと思う患者さんも多くいらっしゃいますが、その為には患者さんとの信頼関係を築くことが必要になります。
個人的な経験であるがゆえに、
「どうせわからないでしょ…」
と患者さんに思わせてしまっては、リハビリは上手くいきませんし、信頼関係は到底築けません。
つねに、相手がどんな内容でも話してもらえるような雰囲気や関係性を構築し、時に教育的に介入していく事が求められます。
この様に、少し考えただけでも療法士側の姿勢が非常に大切なことが分かります。
療法士が<唯一の理解者>となるケースもあるくらい、患者さんにとってリハビリはとても大切です。
我々療法士は、患者さんを知りたい、いろいろ教えて欲しいという姿勢で日々関わっていくことが求められています。
本サロンでは、幅広い知識の提供や、実践的な思考方法などをみんなで向上していっています。
これらに1つでも当てはまる方、これら以外でもいろいろな人が一緒に勉強できる環境です。
ぜひオンラインサロンで一緒に勉強して、切磋琢磨していきましょう。
FAQもご参考ください。
お読みいただいている皆さんこんにちは!(こんばんは!)
本サロンを運営しております、理学療法士の唐沢彰太です。
今回は、リハビリテーションの臨床の中で欠かせないスキルの1つ、コミュニケーションスキルについて書いていきたいと思います。
リハビリが患者さん対療法士という構造を持っている以上、1対1でのコミュニケーションスキルが必要不可欠です。
またこれと同じくらい大切なのが、観察のスキルです。
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が一般の方と一線を画す能力でもあるこの観察スキルは、臨床そのものの質を変えてしまうくらい大切です。
ですが、一方で【外から見る観察】だけでは得られる情報には限界がある事を知っておかなければなりません。
例えば、どう動いているのか?は見れば分かりますが、なぜそう動いているか?は見ただけでは想像の域を越えません。
ここに、評価や検査を加えていくことで、観察で浮かんだ想像は仮説へと昇華していきますが、やはりまだ足りません。
では何が足りないのか?
患者さんの一人称です。
代表的なのは、感覚検査です。
感覚に関する答えは患者さんの中にしかありません。
そうなると、必然的に患者さんに<聞く>スタイルの評価になります。
もちろん観察から感覚に関することを仮説立てる方法もありますがそれはサロン限定で…。
感覚以外にも患者さんの一人称からは非常に多くの情報を得ることが出来ます。
その方法と情報を簡単に書いていきたいと思います。
患者さんの1人称を聞き出していく為には、最初に書いた通りコミュニケーションスキルが必要です。
挙げればきりがありませんが、コミュニケーションには数えきれないほどの要因が関わっていることが分かるかと思います。
また、コミュニケーションにおいて特に重要になるのが、信頼関係です。
「この人(POST)には、この話をしても大丈夫」
「この人(POST)なら私の問題を解決してくれる」
などの、リハビリの専門家としての信頼を得ていなければなりません。
「話しても無駄」と1度でも思わせてしまうと、最も重要かもしれない内容を話していただけなる可能性があるので注意が必要です。
よって、基本となるのは
<傾聴>
<行動>
になります。
もしかしたら何気なく「ぽろっと」言った言葉が重要かもしれませんし、介入中に言った言葉が本心かもしれません。
介入中は少しも油断してはなりません。
次に、患者さんが話した内容をどう考えて行くかです。
患者さんの言葉には、癖がある場合があります。
例えば、左側の股関節の運動覚の検査を背臥位(ベッドに上向きで寝ている状態)で実施している時に股関節を外転したとします。この時セラピストは、【外に開いた】と回答すると予測していたのに、患者さんは「左に動いた」と回答したとします。
ちょっとしたことですが、もしかしたら内側外側の概念よりも、左右の概念が認識しやすい可能性があるかもしれません。
そうなると、介入の時にセラピストの使用する言語は、内外より左右を使用したほうが患者さんはわかりやすくなってきます。
この様に、患者さんが使う言葉の頻度や介入している時の回答など様々な場面で情報が散りばめられています。
これを拾っていく為には、コミュニケーションスキルに加えて、観察・分析のスキルが必要になってくるのが分かるかと思います。
ですが、慣れるまでは意識していないと聞き逃してしまいがちですし、患者さんの一人称をどうリハビリにいかしていけば良いのかは、教えてもらう必要があると思います。
近年痛みを有する方へのリハビリにおいて、患者さんの一人称が重要であることが認識されてきています。1)
私は、痛みを有する方だけではなく、リハビリを必要としている方すべての一人称が、リハビリの効果を向上させる情報だと信じています。
ぜひオンラインサロンで一緒に勉強していきましょう!!
FAQもご参考ください。
1)森岡周:脳とこころから考えるペインリハビリテーション, 杏林書店(2021)