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ついに動画投稿を始めます!その兼ね合いでブログが更新できませんが温かい目で見守っていてください…動画お楽しみに!!

2021年11月24日に第4回スペシャルセミナー開催します!

テーマは【小脳疾患に対するリハビリテーションの考え方と実際】
今回は神経難病でも御高名な【菊地豊先生】をお招きしてご講演いただきます!!

私自身も非常に楽しみな内容になっておりますので、ぜひご参加ください!

参加はこちらから↓
第4回スペシャルセミナー【小脳疾患に対するリハビリテーションの考え方と実際】(peatix)

ロジカルアナリシス

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見えていないけど…視覚と盲視の不思議

見えてないのに… 視覚と盲視の不思議

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脳血管疾患の中で、脳梗塞や脳出血においては半側空間無視や半盲など視覚障害が生じます。運動障害や感覚障害の改善にフォーカスすることが多いため、あまり注目されませんが実は視覚の問題は思っているより多いんです。その中でも盲視と呼ばれる現象は非常に難解で見逃されやすい上に、ADLを大きく障害します。

そこで今回はこの盲視に関する内容とリハビリテーションについて書いていきたいと思います!

視覚の基礎

網膜に写った【光刺激】は電気信号に変換されて視神経を伝達していきます。その過程で、いくつかの経路を通り脳へと到達していきます。その過程を図式化したものが図1になります。この図を見ると、上丘と外側膝状体でまずわかれていて、いわゆる視覚情報は外側膝状体の経路のことを言い、上丘の経路はサッケードと呼ばれる無意識の眼球運動に関与していると言われています。この経路が今回の盲視と関与しているという報告があり、口述します。

また外側膝状体の経路は1次視覚野で更に分かれているのが分かります。図1では1次視覚野から2つに分かれていますが、図2では3つに分かれています。これらは【what】と【How】の経路とも呼ばれていて、側頭葉にいく経路は物の名前や知識に関与していて、上頭頂小葉にいく経路は物の位置など空間の処理や道具の使い方に関与していると言われています。つまり、「これはハサミだな」と「ハサミの使い方はこうだな」は経路が異なるということです。また図2にある真ん中の下頭頂葉に行く経路は背側と腹側の経路それぞれから情報を受け取るハブの役割と手の行為とのつながりが強いと報告されています。

このように視覚と上肢の行為は深いつながりがあり、視覚障害は行為障害の原因となりうることが分かります。

図1 眼球から脳への伝達経路(A Goodale,et al,2004改変引用)

図2 視覚の3つの経路(G Rizzolatti,et al2006より改変引用)

盲視の不思議

盲視とは、視覚の自覚がないにも関わらず物体へ正確にリーチングできる現象のことです。例えば視野検査を行った時、左下の視野にある検者の指が【見えない】と回答したとします。そして、その【見えていないはずの】指を掴むように指示すると正確につかむことができるんです。

 これは、患者さんは【見えない】と自覚している場合においては、階層性が存在する可能性があります。つまり、本当に見えていない場合と見えているけど見ている自覚がない場合があるということです。この現象は非常に難解で、何より見えていない視野の物体に正確にリーチできても、患者さんは一切驚かない点が最もやっかいです。

 盲視に対するリハビリテーションは全く確立されていませんが、見えていない視野を運動覚や触覚からイメージしていく課題で改善した例を数例経験しています。具体的には、左の視野が見えない場合において、閉眼した状態で見えていない視野で図形を指でなぞる課題です。この課題中患者さんは、体性感覚によって図形を無意識でイメージします。いつもは見えない視野と空間的に一致した場所でイメージをするため、視覚情報が構築しやすくなります。

 この様に、視覚障害においても体性感覚を入り口に視覚イメージを有効に活用していくことが有効なケースが存在しています。もし興味がある方は問い合わせやSNSのDMからご連絡ください!!

 

 

引用文献

1.Melvyn A Goodale,David A Westwood.An evolving view of duplex vision: separate but interacting cortical pathways for perception and action.Current Opinion in Neurobiology 203-211,2004

2.G Rizzolatti, V Gallese.Do perception and action result from different brain circuits? The three visual systems.hypothesis – 23 problems in systems neuroscience, 2006

 

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「ロジカルアナリシス」発売決定!

ロジカルアナリシス

2021.11.1に、自身三冊目となる「ロジカルアナリシス」の発売が決定いたしました!!
kindle限定販売の電子書籍となっています。

ページ数は少ないものの、内容は非常に濃いものとなっており実際の臨床現場と本書を繰り返し行き来することで、臨床に役立てていただけると思います。

ロジカルアナリシス

ロジカルアナリシスとは、私が作った造語で「論理的思考で分析を行う方法」です。
観察や分析は視覚で行うため、どうしても根拠に欠けてしまう欠点があります。「なんとなくそう見える」要素が含まれてしまい、セラピストによって結果が異なってしまうからです。

この欠点を克服するべく、観察や分析の方法を言語化してそれぞれを論理的に行うことで、根拠がある観察や分析を可能にしたのがロジカルアナリシスです。

観察は主観を入れず、分析は評価や検査結果など全てを統合して行う。ここには一人一人の認知の癖が影響する…。

観察を上手く教えてあげられないのも、理解できないのも「言語化出来ていないから」です。
なぜそこに着目するのか。ここにヒントがあります。

観察や分析が苦手な人や根拠を持って臨床に取り組みたい人は必見です!!
もう根拠がないなんて言わせません!

こちらよりご予約下さい!
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価格:500円(unlimitedの方は無料)

第3回オンラインセミナーvol2

運動障害がテーマのセミナー開催決定!!

2021.10.29(金)21:00~開催!!
高次脳機能障害、感覚障害をテーマにセミナーを開催してきたプロリハ研究サロン。
次のテーマは運動障害です。運動が行えない理由が分かれば介入の幅も大きく広がります!
リハビリテーションの臨床では絶対に知っておいた方が良い内容です。

お申込み・詳細はこちら↓(peatixよりお申込みいただけます)
運動障害の評価と介入

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認知にも癖がある?!

認知にも癖がある?!

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皆さんは癖がありますか?自覚している癖とまだ気づいていない癖があると思います。気付いている癖があるとしても、人から指摘されて気付いたという人がほとんどではないでしょうか?
この癖は仕草や行動だけではなく、【認知】にもあることをご存知でしょうか?

今回は私が臨床で最も大切にしている、この<認知の癖>について書いていきます!

認知とは自分なりの解釈

今私は、PCの画面を見ながらキーボードを打ち文字を打っています。真っ白の紙に黒い部分がどんどん増えて行くその過程を私は視覚を通して感じています。この黒い部分は文字だと認識するのですが、もし白い紙に白い文字で書かれていたら私は文字に気付くことができません。つまり、白い紙と黒い文字に明確な「違い」があるから私は文字を認識することが出来ています。この違いを情報と言います。

先日見ていたテレビで、漫画作家の先生がいつも作品を描いている紙の値段について話していました。

「この紙の値段は1枚1円くらいかな?そこに自分が絵を描くことによって値段が数百万になるこの過程が大好きなんだ」

小説や漫画は紙を製本したものを売っているのではなく、その紙に書かれている情報を売っているんです。もし白い紙に白いインクで描かれていたら…人は差が大きければ大きいほど情報を得やすいのですが、大きすぎても情報にはならない特徴があります。
例えば、「猫と犬」はなんとなく比べることが出来ますが、「猫と北海道」を比べてと言われても意味が分からないと思います。ここから分かることは、カテゴリが類似している物事動詞を比べると情報を得やすいということです。猫と犬は同じ動物ですが、北海道は地名なのでカテゴリが全く異なっています。北海道と沖縄であれば比べることが出来ますよね?

2つのことを比べることで情報はより多くなり、物事をより知っていくことができることはイメージ出来ますでしょうか?北海道のことを知りたいのであれば、沖縄と比べた方がより良いところが知れると思います。先ほど書いたような白い紙に黒いインクで書くと情報になるのは、紙の白という色とインクの黒を比較することで情報化しています。

ここで大切なのは、「情報は人によって異なる」ということです。この違いをもたらす原因はいくつか考えられますがここでは、好き嫌いと今までの記憶について書いていきます。

犬派・猫派があるように、犬と猫を比べて得た情報は好き嫌いによって大きくフィルタリングされます。犬を飼ったことがある、北海道にいった事があるひととそうじゃない人では、そもそも犬や北海道に関して持っている情報量が大きく異なります。

このように、物事の情報量は人によって大きく違っていて、物事の解釈も一人一人いろいろです。この解釈は認知によるものであり、情報の種類や量によって異なります。またこの解釈は無意識に行われるため、自覚することが出来ません。

 そうです。これが認知の癖なんです。わかりやすく言うと、ラーメンが好き、音楽が好きなどの趣味嗜好も認知の癖の1つだと考えています。また、ポジティブ思考やネガティブ思考などの物事の捉え方も認知の癖の1つです。認知とは自分なりの解釈で物事を理解し知っていくことになります。

自分のことは自分が1番知っているわけではない

この認知の癖を考えていくと、自分のことって意外と知らないのかもしれないと思っています。自分がどういう性格なのか、周囲からどう見えているのかは意外と知らないですよね。これは自分の癖を知ることの難しさが影響しています。

リハビリにおいて患者さんが自分の身体や脳の状態を知るのが難しいことも、認知の癖から説明することが出来ます。痛みがある、感覚障害があることに加えて認知に癖があれば物事を知っていく時にいろいろなフィルターがかかることは想像に難しくありません。このことを理解した上で臨床をおこなっていくのとそうでないのとでは、患者さんのことを知っている深さが異なってきます。

皆さんはどんな認知の癖がありますか?患者さんはどうですか?

第3回オンラインセミナーvol2

運動障害がテーマのセミナー開催決定!!

2021.10.29(金)21:00~開催!!
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表象-representation-ってなに?(リハビリ)

表象-representation-ってなに?(リハビリ)

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皆さんは【表象】という言葉を聞いたことがありますか?

認知神経リハビリテーションではよく耳にする用語ですが、リハビリでは一般的な用語ではありません。

ではなぜ表象がリハビリに必要なのでしょうか?今回は表象についてリハビリの視点から書いていきたいと思います。

神経相関と表象

前頭葉は思考や実行、頭頂葉は空間や知覚、後頭葉には視覚、側頭葉には聴覚や記憶などのように脳には機能局在があります。ですが、日常生活内ではこれらが独立して働くことはなく、それぞれ相互に情報をやり取りすることで人は生きています。この相互のやり取りをスムーズに行うために脳にはネットワークが張り巡らされており、行為によって使用されるネットワークが異なります。

例えば、何かを話している時のネットワークを染色して可視化すると、脳全体が働いている事が分かります。この時のネットワークの形は話している時特有の形をしており、歩いている時には歩いている時の、食事をしている時には食事をしている時のネットワークが存在していることになります。

この様に行為を遂行している時の脳では、神経が互いに関係しあい活動していてこの働きのことを神経相関と言います。今回のテーマである表象は、この神経相関の考え方に似ており認知神経リハではこれに時間や環境などの要素が加わってきています。例えば、朝ご飯を食べている時に使っている、あのカップの手触りのような感じです。この時のカップの手触りを処理している時の脳の表象は、その朝食の時にしかないんです。

詳細は次に書いていきます。

行為特異性

さて話は少し変わりますが、私が高次脳機能障害や脳科学について勉強していると、下頭頂小葉が頻繁に出てくることに気付きました。下頭頂小葉はいろいろな役割があるんだな…とその時は思ったのですが、脳のネットワークについて勉強していくと新しい解釈が出来ることに気付きました。

 それは、下頭頂小葉にいろいろな役割があるのではなく、下頭頂小葉がどこの脳の領域と繋がっているかが重要だということです。例えば、下頭頂小葉を<A>とした時、BとCそれぞれとつながっているとします。つまり、ABとAC2つのネットワークがあります。ABとACそれぞれ異なる役割があるとすると、Aは2つの役割を持つことになります。でもこの時大切なのは、Aが2つの役割があることではなく、AがBとCそれぞれとネットワークを持っていて、ABとACには異なる役割があるということです。

 この事に気付いた時、身体にも同じことが言えるのでは?と気付きました。食事をしている時の肘関節とテニスをしている時の肩では求められる能力が全く違います。ということは、脳においても全く異なる処理が行われているに違いないと。

 リハビリをしていると、リハビリ中は出来るのに生活では出来ない事が多々あります。これは、このことが関わっていると考えています。つまり、食事をしている時の神経相関とテニスの時の神経相関があり、これに文脈や環境などが加わった表象は行為によって異なっているんです。もう少し分かりやすくすると、テニスの時の表象に含まれている肩と食事の時の表象に含まれる方は、先述したような下頭頂小葉と同じくどこの身体部位と関係性を持っているのかが大切になるということです。リハビリの時にはリハビリの表象があり、その時の肩の表象と生活の時の肩の表象が異なっているために、リハビリでは出来るけど生活では出来ないと考えています。

 この事を考えると、患者さんは今はあくまでリハビリであり、リハビリで得たものを日常生活に持ち込むのは自分だという意識が必要になります。もっと言うと、セラピストはそういうリハビリをしなければならないということです。

 表象という言葉は、リハビリの更に深いところを考えさせてくれる非常に良い言葉だと思っています。この事を念頭にリハビリを進めていけると良いなぁと思います。

運動障害がテーマのセミナー開催決定!!

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運動にはイメージが必ず先行する【臨床編】

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<イメージが鮮明なほど行為は洗練化される>

前回の基礎編で、運動に先行するイメージがどういうものなのかについて書きました。
その中で、イメージが鮮明に行えるほど行為は洗練化されていくことがお分かりいただけたと思います。

このように運動に先行するイメージを介入時にいかしていくためにはどうすれば良いのでしょうか?今回はこの点について書いていきます!

こちらも合わせてご覧ください!→運動にはイメージが必ず先行する【基礎編】

イメージからいかに知覚を想起させるか

運動のイメージは大きく2つの種類があります。(図1)

  1. 視覚性イメージは、実際に目で見ているかのような感じでイメージします。実際に今座っている所から立ち上がる所をイメージしてみてください。すると、視覚性にも2種類あることが分かります。
    1つは、前や横などから自分を3人称的にみている所をイメージする方法。
    もう1つは、実際の自分の目線で立ち上がる時の視線の移動をイメージする方法。
    立ち上がりの場合は全身運動なので少しニュアンスが変わってしまいますが、肘を曲げる運動をイメージした時に自分が肘をみながら肘を曲げるイメージをすることが出来ます。
  2. 体性感覚性イメージは、運動をした時の感覚をイメージします。肘が曲がるとはどういう感覚か、目の前のひよこに触れるとどんな感じがするかなどです。このように、体性感覚性のイメージにも2種類あり、運動覚にもとづくイメージ(非言語的)と触覚にもとづくイメージ(言語的)があります。
    ただここで注意しなければならないのは、運動覚に基づくイメージは言語化が非常に難しいという点です。触覚はオノマトペがあり、「ふわふわ」「ざらざら」と言語化出来ますが、運動覚に適した言語は存在しないため「手が移動している」など運動覚そのものを言語化することは難しいんです。このことは介入にイメージをいかしていく時に注意しなければならないので覚えておいてください。

図1 運動イメージの種類

このようにイメージには種類があり、人によって得意なイメージと不得意なイメージがあります。担当の患者さんにイメージが介入に有効かどうかを判断するためには、Vividness of Movement Imagery Questionnaire-2(VMIQ2)などの検査を使用するとスムーズに組み立てられます。

 イメージは予測の一部であることは【基礎編】でお話しましたが、この予測には更に知覚の要素が大きな意味を持ちます。つまり、目の前のコップに触れると自分の体にはどんな感覚が生じるのか?とイメージすること自体が、行為の予測に繋がるということです。
 コップに手を伸ばしていく時の肩や肘、前腕、手首、手指の運動覚、コップに触れた手の部位や感触などをどれくらいイメージに含めることが出来るのかが臨床では大切になります。

 よくある間違いで、「イメージした感覚が今したか?」「さっき感じた感覚を探しながら動いてください」などのように、イメージした感覚を使用するとただの感覚のあてっこになってしまい意味がありません。感覚をイメージすることはあくまで予測です触覚を予測すると言語化されます。目の前の絨毯に触れるとどんな感じがするかをイメージすると「ふわふわするかなぁ…?あ」と言語に置き換えられ、実際に触れた時に「ふわふわしているか?」が大切になります。運動覚をイメージすることは難しいので、手の位置や方向などをイメージすることで活用していきます。

 ただやみくもに動くのではなく、予測してから動くことでエラーに気付くことができて、患者さんも学習しやすくなります。

 ぜひご参考ください!!

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<運動にはイメージが必ず先行する>

認知神経リハビリテーションを勉強している人なら必ずと言って良いほど耳にするこの有名な言葉は、【運動】に対する私の価値観を変えました。この言葉と同じように、

<イメージが出来ない運動は行うことが出来ない>

<経験したことがないことを見てもミラーニューロンは活性化しない>

これらも私の中ではとても重要な言葉になっています。

  • 運動とイメージはどう関係しているのか?
  • そもそもイメージとは何なのか?
  • これらのことをどう臨床でいかせば良いのか?

2回にわけて書いていきたいと思います。

運動に先行するイメージの役割

運動に先行するイメージは実際どんな役割があるのでしょうか?このことを考えていく時に大切なのは、「身体が実際に動いた時にはすでに脳で様々な処理が行われている」ことを理解することです。
つまり、運動は氷山の一角でその下にはもっと大きな見えない氷が存在しています。この見えない氷の1つが運動に先行するイメージになります。

 ホームセンターなどで食器を見ている時、見た目が気に入った食器を実際に手に取ると、

「おもっ!!(重い)」

となったことありませんか?この場合の「重い」は、【思っていたよりも重い】です。この【思っていた】は食器の重さを<予測>していた意味であり、何を手掛かりに予測していたのでしょうか?

  1. 見た目
    食器の見た目を気に入って実際に手に取っているので、その食器の手掛かりは見た目です。ガラスなのか陶器なのか木なのかなど、材質や大きさなどが重さの手掛かりになっています。
  2. 今まで持ったことのある食器の重さ
    1の見た目から食器がガラスだったとします。今まで持ったことのある食器の中で、同じような大きさ・形でガラスの食器の重さを手掛かりに、気に入った食器を持った時の重さを予測します。

この1と2から、まだ持ったことがない目の前の食器の重さを予測して、【どれくらいの力で持てば良いのか】をイメージします(一般的にシミュレーションやプログラミングと呼ばれる手続きに似ています)。力の量や持ち方などがイメージに含まれていて、このイメージはさらに予測に含まれます(図1)。

予測とイメージと運動の関係図

図1 予測とイメージと運動の関係図

この時の力の量と食器の重さが一致すれば、【思った通りの重さ】になります。一方で、食器の重さに対して力が足りなければ【思っていたより重い】と感じます。

 日常生活では、イメージが含まれた予測と実際の運動(行為)の結果から様々な認知が生まれています。重さ、熱さ、固さ、高さなどの価値観が一人一人異なるのは、予測に一人一人の今までの経験が含まれているからです。この過去の経験と今の身体能力や認知能力が一致しなければ、正確な認知が行われず環境に適応して行為を遂行することが難しいのが少し分かっていただけたのではないでしょうか?

 では実際に臨床ではこれらの知識をどう生かしていけば良いのでしょうか?次回をお楽しみに!!

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脳卒中がー脳の病気ーであることを忘れない

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骨折などの整形外科疾患と脳出血などの脳血管疾患の最も大きな違いはなんだと思いますか?
このように質問すれば皆さん<体の損傷か脳の損傷か>と答えるのではないでしょうか?
では、整形外科疾患の患者さんと脳血管疾患の患者さんに対するリハビリにおいて、この<体の損傷か脳の損傷か>を意識して介入しているセラピストはどれくらいいるでしょうか?

今回は、脳血管疾患が脳の疾患であることをどうリハビリにおいて考えれば良いのかを書いていきたいと思います。

脳を損傷すると何が起こるのか

脳は情報処理器官です。

その役割の多くは、身体から入力された刺激である感覚を処理することとその身体を動かすことにあります。
また、認知する、思考する、記憶する、判断する、意図するなど運動と感覚に直結する機能も持ち合わせています。
脳を損傷すると、これらすべての機能において障害を受ける可能性があり、損傷部位や程度によって症状が変化してきます。

リハビリでは、この運動や感覚に対する介入を理学療法士(PT)や作業療法士(OT)が行い、認知や記憶、思考に関しては言語聴覚士(ST)が行います。
ですが、実際の生活や行為の中では、思考しながら歩いたり、記憶するために書いたり、のどを潤すために水を飲んだりと、全てがシームレスに行われています。

つまり、PT・OT・STそれぞれがお互いに何にアプローチしているのか、またそれぞれの介入で運動・感覚と思考や認知などを関連付けることが求められます。
身体に介入していく時に、整形外科疾患とは全く異なる病態であることは間違いありませんし、介入方法が同じであるわけもありません。
それ以上に、脳を損傷するとどういうことが生じるのかを理解することが非常に重要になってきます。

身体にみられている問題の原因はどこにある?

PT・OTのリハビリでは、身体を介して患者さんに働きかけます。
整形外科疾患でも脳血管疾患でもその点は変わらず、関節を動かしたり運動をしてもらったり感覚を入力したりと方法が限られてきます。

ここで重要なのは、最初に書いた通り整形外科疾患と脳血管疾患では問題点となる障害の原因が身体と脳で全く異なっていることです。
同じ身体を介して行われる介入であっても、これらの点を考慮して介入しなければ改善が難しくなってしまいます。

整形外科疾患では、痛みの改善が主目的であり、身体から発せられる痛み信号を取り除く、もしくはその痛みを処理する脳における処理過程を改善するなどが方法として考えられます。
一方脳血管疾患においては、脳が情報処理器官であることを前提に、ただ運動してもらう動作を練習してもらうでは絶対に改善しない領域が存在します。
患者さんに何の情報を処理してもらい、どの様な行動を取ってもらうのかを基本にプログラムを考えて行く必要があるのです。

このように、リハビリは患者さんに言語的または体性感覚的な情報を処理させることが主方法となり、その方法を以下に疾患によって変化させていくのかが肝になってきます。
皆さんはどのような工夫をしていますか?
ぜひ情報交換させてください!!

感覚障害に関するセミナー行います!!

8/31に、「感覚障害」をテーマにセミナーを開催します!
主に脳卒中後の感覚障害についての内容になります。

興味がある方はぜひこちらご覧ください!
第2回オンラインセミナー「感覚障害の評価と介入」

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脳損傷と機能解離-diaschisis-

脳のネットワークと機能解離とリハビリテーションタイトル画像

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視床出血や被殻出血、中大脳動脈梗塞など脳血管疾患では損傷する部位が特定されます。
基本的には損傷した部位が担う機能が障害を受けますが、実は損傷を受けていない部位の機能も障害を受けているのをご存知ですか?

今回は脳血管疾患において重要な知見である、機能解離(機能抑制)-diaschisis-について書いていきたいと思います。

機能解離という脳の不思議

そもそも機能解離(diaschisis)とは何なのでしょうか?
これを理解していくために、脳の不思議について知っておく必要があります。

脳には機能局在が存在しています。
前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉に分けられる新皮質に加え、視床、基底核、小脳など様々な部位から脳は構成されています。
この部位別に役割があり、脳損傷ではその損傷した部位の役割が障害を受けるというのが一般的な考え方なのは最初に書いた通りです。

この部位別の役割に加え、脳には別の視点が必要です。
脳は、神経で構成されていてその状態は網目のようにネットワークを構成しています。
つまり、部位内で情報をやり取りしているのはもちろん、部位同士で情報のやり取りをしています
頭頂葉で処理された情報は前頭葉へと伝達されるといった具合です。

このようなやり取りがありとあらゆるところで行われている脳は、部位別だけで考えるのは到底不可能で、ネットワーク別に捉えていく必要も出てきます。
ネットワークとして脳を捉えていくと、機能解離は理解しやすくなっていきます。

例えば、ABCでネットワークが作られているとします。
脳出血などでAが損傷すると、Aの持つ役割はもちろん障害を受けます。
同時に、ABCのネットワークも働かなくなり、BとCも一時的に機能を停止してしまいます。
これは、Aが機能停止しているのにBとCが活動してしまうと、Aの損傷度合いが更に重症化する恐れがあるからです。
仕組み的には、脊髄ショックのようなものと考えると分かりやすいかもしれません。

この機能解離は、1914年にMonakowによって提唱され、近年ではその詳細がほぼ解明されてきています。

患者さんをみることの重要性

このように、損傷部位以外の障害が実際に生じていることを考えると、脳画像の活用方法や部位別の症状などの臨床における使い方が大きく変化してきます。
あくまで情報の1つとして使用していかなければ、患者さんの重要な点を見逃してしまう可能性があるからです。

そうなってくると、臨床の中で患者さんを観察することの重要性が非常に高くなってきます。
患者さんの振る舞いや言動、更に検査結果や評価結果などから患者さんの特徴を把握していくプロセスがリハビリでは必須です。
この時、○○損傷だから…とバイアスをかけずに、機能解離という知見をもとに損傷部位以外の障害も視野に入れて進めていくことが大切です。

小脳の損傷によって前頭葉の機能が低下することしかり、前頭葉の損傷によって頭頂葉の機能が低下することしかり様々なつながりが脳にはあります。
臨床にこのつながりを取り込んで、広い視野で介入していきたいと思います。

感覚障害に関するセミナー行います!!

まだ先ですが、8/31に、

感覚障害」をテーマにセミナーを開催します!
主に脳卒中後の感覚障害についての内容になります。

興味をお持ちの方はぜひこちらご覧ください!
第2回オンラインセミナー「感覚障害の評価と介入」

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学習と再学習からリハビリを考える

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リハビリテーションにおいて、学習はかかせません。

「○○が出来るようになる」

時には、学習が大きく関与しています。

ですが、リハビリにおける学習はそのほとんどが【再学習】によって行われます。
つまり、1度学習したことを再度学習することがほとんどです。

起き上がりや立ち上がりなどの基本動作は、脳卒中などを発症する前は無意識で行われていた動作です。
これらの動作をもう1度出来るようにするのがリハビリの目的になってきます。

この様にリハビリは再学習であることを意識して介入することは大切なのでしょうか?
今回はこの学習と再学習について書いていきます。

1度出来ていたことのメリットとデメリット

経験したことがないことが出来るようになる学習と、1度で来ていたことの再学習とでは何が違うのでしょうか?
学習にはいくつかの理論があり、学習自体の方法も様々です。
報酬を得るために、予測と結果にもとづいて洗練化していく過程をもつ学習は、今までの経験から様々な試行錯誤を行っていきます。

では再学習はどうでしょうか?
例えば立ち上がりを獲得したい時に、発症前の立ち上がりの記憶は役に立つのでしょうか?
答えはイエスです。
脳が損傷し、運動や感覚が発症前と異なっているとは言え、身体の構造などは発症前と当然変わらず、立ち上がりに必要な手順などの大切なポイントは変わりません。
つまり、発症前にどうやって立ち上がっていたのかを参考に、今の脳でどうやったら立ち上がれるのかを考えることは、再学習においてとても大切になってきます。

ですが、発症前と「同じように」立とうとすると、内反や反射などの異常な反応が出現してしまうため、今の脳で身体を認識出来ていることが重要です。

脳卒中における学習の落とし穴

先ほど書いた通り、学習にはいくつかの理論があります。
これらを参考に、リハビリを組み立てていくことは非常に重要です。
ですが、ここで1つ重要なことが見落とされてしまうことが多々あります。
それは…

【リハビリは病気を患ってしまった方を対象としていること】

 どういうことでしょうか?
つまり、学習理論がそのまま使用出来ない人が多くいるということです。

例えば、学習は今よりも効率よく出来るようになることが大切ですが、脳卒中などの疾患では効率よく出来るようになるではなく、動作をどんな方法でも出来るようになることが目的とされることがあります。

その代表例が分回し歩行です。
股関節や膝関節が上手く動かせず、歩行の時に下肢を振り出せない時に骨盤から動かすことで振り出しを行おうとします。
これは非常に効率が悪いはずですが、学習され定着していきます。

 このように、効率面ではなく動作を何とかして行うことが目的となってしまうのです。

このことに加え、脳に疾患をお持ちの方は、学習そのものが健常者とは異なる方法で行われる可能性があることを考えなければなりません。

  • この患者さんはどうやって学習していくのだろう?
  • 何が手掛かりなんだろう?

と考えて患者さんの解釈をしていくことが大切です。

 論文や知見をそのまま取り入れるだけではなく、患者さんのリハビリの参考にするという意識も大切です。

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