無意識で行っていた行為を再獲得するためのポイント

無意識で行っていた行為を再獲得するためのポイント

お読みいただいている皆さんありがとうございます。
プロリハ研究サロンを運営しています、理学療法士の唐沢彰太です。
(自己紹介はこちらから→唐沢彰太って誰?

リハビリテーションは、全人間的復権を目指し病前行っていた行為を再獲得することが目的の根幹にあります。基本動作(寝返り、起き上がり、立ち上がり)、歩行、階段昇降、上肢行為など様々な行為が対象となり患者さんのニーズや文脈によって決定されます。
 そのような臨床の中で大切なのは、セラピストが「もともと無意識で行っていた行為を再獲得するためにはどうすれ良いのか?」を知っていることです。皆さん今日の朝どうやって起き上がったのか覚えていますか?もし脳卒中になったらその起き上がり方思い出せますか?今回はこの点について書いていきます。

意識していた行為が自動化していく

 無意識に行える行為で最も有名なのは歩行です。歩いている時にはCPG(central pattern generator)と呼ばれるリズム生成器のシステムが働き無意識で下肢が交互に振り出されます。ですが、脳卒中や下肢骨折などにより歩行が思うように行えなくなると、前頭葉が本来よりも大きく活動することが分かっています。つまり足をどう出そうか、どう支えようか、どうバランスを取ろうかと考えるためです。
 ここで1つ大切なのは、この前頭葉が過活動している歩行を繰り返していれば自動化するのか?ということです。学習によって本来の歩行のときと同じ脳活動に戻るのか?ですね。答えは戻る人と戻らない人がいるです(ちょっとずるい答えですが…)。ここの違いには高次脳機能障害と歩行能力が大きく関わっています。転倒リスクが高い人や失行症などは歩行の自動化を阻害します。その場合ただ歩く練習を繰り返すだけではいつまでたっても歩行中に前頭葉が過活動し、実用的な歩行の獲得が難しいということになります。

 ではどうすれば良いのか?通常行為は無意識で行われますが、獲得していく時には身体や環境に注意を向け情報収集し学習していく必要があります。立ち上がる時の両下肢の位置、体幹の前傾など立ち上がりに必要なコンポーネントを文脈に沿って学習していくことで立ち上がりが獲得できるイメージです。ですが立ち上がりの最中に「両下肢の位置…」「体幹をこれくらい傾けて…」と考えてしまうと、自動化が遅くなってしまう可能性があります。もちろん動作練習は動作を習熟させていくためには必要です。ですが、繰り返す=改善ではないことは知っておく必要があります。

無意識の行為は意識出来ることが大切

 歩行中に皮質が全く働いていないかというとそうではなく、しっかりと前頭葉は働いています。前述したような「足をどう振り出そう…」という思考ではなく、いつでも歩行をコントロールできるようにモニタリングしていると考えられています。例えば横から突然人が出てきて止まる、方向を転換する、ちょっとした段差を越える、少しスピードを速くするなどリズムが変わる瞬間には前頭葉が重要です。
 よって無意識で行っている行為でも、人は必要に応じて意識することが出来ます。ここが大事なんです。自分が意識したい所に注意を向け適切な情報を得ることができる。だからこそ行為が自動化しているんです。

 本記事の冒頭で書いたように、今日の起き上がりの仕方は思い出せませんが明日起きたときに意識すればどう起き上がっているのか分かると思います。これは適切に注意を向けられ意識できて記憶できるからです。つまり起き上がりが学習されているからなんです。自動化された行為はいつでもマニュアルに切り替えられます。この両側性が行為には必要です。しかし道具を使用する行為は道具がなければマニュアルに切り替えられない行為も存在します。箸の持ち方などが典型例です。このような行為には接触情報がとても大切です。よって介入でも接触を取り入れた介入が大切になります。

 いかがでしたでしょうか?無意識で行っていた行為を再獲得し自動化するにはいろいろな工夫が必要です。反復に加えて注意を向けるところや意識することなどを考えて介入を組み立てていくと患者さんの学習を促していきやすいと思います。

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予後の説明ってとても大切

予後の説明ってとっても大切

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プロリハ研究サロンを運営しています、理学療法士の唐沢彰太です。
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私は以前回復期の病院に勤務していました。その頃に感じたことなのですが、大腿骨頸部骨折の手術を行った病院によって全く予後が異なっていました。痛みの残り方が全く違ったんです。

そこで今回は、そんな経験から予後に関する説明の大切さについて書いていきたいと思います。

自分のこれからに対する不安

骨折と言えど、大腿骨を骨折したことに対する不安は非常に大きいことが予想されます。今までに経験した事の無い痛み、感覚、長引く痛みは、いつ良くなるのか?自分はいつ歩けるようになるのか…患者さんの未来に対する見通しは決して明るいものではありません。

 回復期に転院されてくる患者さんは、そんな状況で転院してきます。私が関わらせいただいた患者さんは、どの病院から転院してきたのかによって痛みの改善速度が全く違いました。もちろん医療技術の違いは少なからずあったのかもしれませんが、患者さんの話を聞いているとあることに気付きました。

 痛みの改善が早い患者さんは、急性期で予後に関する説明を丁寧に受けていました。いつ頃痛みが良くなり、歩けるようになるかどうかまで…このことが痛みの改善とどうつながっているのか私は興味がありました。ある勉強会で聴いた話ですが、手術前に予後の説明をしていた患者さんとしていない患者さんで予後が違った知見があるとのことでした。これは私の感覚を裏付けてくれた知見でした。

 その文献では、患者の予後に対する不安が説明によって軽減することが関係していたと結論付けていました。…なるほど…予後の見通しがあるのとないのとでは、実際の予後に影響を及ぼすということです。それくらい骨折をした患者さんにとって予後は大きな不安であり、知りたいことだと知りました。

リハビリにおける予後の大切さ

 ですが、予後は原則医師が説明することで、リハビリにおいてもリハ医と密に話し合った結果患者さんに伝えられるべきです。これは医療がチームである限り絶対に無視してはいけません。

 では理学療法士や作業療法士は、実際の介入の中で患者さんと予後について話すべきではないのでしょうか?答えはNOです。どこまで良くなるのか?に関する予後は話さない方がベターだとは思いますが、何が出来るようになるか?はリハビリによって大きく変化するためPTやOTはしっかりとコミュニケーションで話すべきだと思います。リハビリに対する患者さんのモチベーションにも影響するため、セラピストは予後予測に関してしっかりと勉強する必要があります。

 ここで注意しなければならないのは、2つ。1つは本当にその改善可能性があるか、もう1つは自分にその臨床力があるかです。医学的に改善出来ないとされていることを出来ると伝えるのは絶対にNGですし、もしその可能性があっても自分にその臨床力がなければNGです。2つ目のNGを可能にするためにも勉強し、臨床力を向上していかなければなりませんし、症例検討によってその知見を増やしていくことが義務だと思います。

 担当の患者さん、歩けるようになりますか?

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「触れること」と「触れられること」

触れることと触れられること

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リハビリテーション(以下:リハビリ)では、患者さんに触れることで様々な介入を可能にしています。同時に、患者さんは触れられることで様々なことを考えたり知ったりしていきます。この触れると触れられるは同時に行われていることもあり、理学療法士や作業療法士などのセラピストは触れることに注意を向け、患者さん側の触れられていることに注意する機会は少なくなっています。

そこで今回は、この「触れる」と「触れられる」から接触することの基礎と意識について書いていきたいと思います。

接触は外界との接点

手で頭をなでる。裸足で砂浜を歩く。芝生で寝る。

このような状況は、手のひらと頭が触れる、足の裏が砂に触れる、背中が芝生に触れるといったように身体のある部位が何かに触れていることを表しています。この接触は情動と結びつきやすく、愛犬の頭をなでる、あつあつの砂浜を歩く、雨でぬれた芝生で寝る、というように少し具体的にすることで情動が働きやすくなったのではないでしょうか。

この接触は、外界との接点であり「どんな感じがするのか」「それは好きか嫌いか」が必ずセットで生じてきます。つまり、触れることで対象を知ることができて、自分にとってどうなのかを考える材料になっています。

一方で、触れたことがあるものと初めて触れるものでは触れ方が異なると思います。初めて触れるものは、触れる時間や触れる場所の面積を出来るだけ短く・小さくして、「もし危険な物だったらどうしよう」「嫌いな感じだったらいやだな」などネガティブな情動が働きやすい状況です。触れたことがあるということは、対象を「知っている」ことと同じで、触れた時の感じや気持ちが予測がつくため初めて触れるものとは明らかに異なった触れ方になります。

このことから、触れる時には対象を触れた時の感じや気持ちが「予想付くかどうか」がとても大切です。加えて、触れる前から触れ方も決まっていなければなりません。この触れ方には、どれくらい触れるか、物のどこに触れるか、自分の体のどこが触れるかなどが含まれています。よって、行為を遂行することで接触が生まれる時には、動く前からその接触を「知っている」状態で始まることで様々なことがスムーズになっていきます。

触れられることの意識

私が今働いている生活期の利用者は、多くのリハビリテーションを受けてきていていろいろなセラピストに触れられてきています。そうすると、利用者さんは今触れているセラピストは動かし方や触れ方が上手いか下手かが分かるようになってしまいます。同時に、何指が圧が強いのかなどまで情報が細分化出来ています。

 触れられるという経験は、非常に多くの情報をその人にもたらしていることの代表例です。これは、リハビリテーションの介入そのものが患者さんや利用者さんにいろいろな経験をもたらしていることも表しているではないでしょうか。このことを考えると、セラピストは触れることでいろいろなことを知っていくのと同時に、今触れられていることで患者さんにどういう意識経験をもたらしているのかを考慮しなければなりません。

この触れらてる時の意識を上手くコントロールして介入にいかすことができます。触れられた時、もしくは動かされた時には必ず感覚が生じます。また触れられた感覚と動かされた感覚は同時に入力されて、どちらを意識するのかは人によって異なります。その意識をセラピストが意識して欲しいところにすることで、介入の効果が向上します。例えば手部の接触が分かりにくく、手がどこにあるのか分からない人に接触の介入をしていく時には「手の触れる感じ」ではなく「手がどこにあるのか」を意識させていきます。この時、肩や肘がどれくらい動いたのか、角度なのかに意識を向けることで手の位置がわかることがあるため、手に意識を向けるのではなく関節に意識を向けるような声掛けをします。すると、手の位置がわからないことで触れている感じが分からなかった患者さんは、接触感が得られるようになることが多々あるんです。

 この様に、触れられていることと動かされていることのなにに意識するのかは、介入において非常に重要な要素になります。ぜひ試してみてください!

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コミュニケーション大切にしていますか?(リハビリ)

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コミュニケーションは、

  • 聴く:理解する
  • 話す:伝える

の2つを基本にしています。ただ、表情や態度、身振り手振りなど視覚から得られる情報もたくさんあるのが特徴です。

リハビリテーションにおいてこのコミュニケーションは非常に重要で、お互いの信頼関係がなければ成り立たない職種でもあります。
そこで今回は、リハビリテーションにおけるコミュニケーションを<聴く>と<話す>の双方から書いていきたいと思います。

  • 話すのが苦手だなぁ…
  • 相手の意図を組むのがなぜかできない…

など悩まれている方ぜひご覧ください。

聴く

コミュニケーションにおいて、相手の話を聴くことは基本中の基本です。【聞く】ではなく【聴く】ですね。注意深く相手の話を聞いて相手を理解しようと努めている姿勢が現れています。
聴く方法でよく耳にするのが【傾聴】です。しっかりと相手の話を聞いている姿勢を見せ、相手に本質を話してもらう方法です。適度な相槌や質問をすることで、相手が気持ちよく話が出来ることがメリットです。
この傾聴では、相手が話をしたいという文脈が前提にあります。つまり心理的に「誰かに聞いて欲しい」欲求があるということになります。話したい!聞いて欲しい!と心理的に思っている人の話を傾聴すると、信頼関係はしっかりと築けますよね。

ではリハビリの臨床では【聴く】とはなんでしょうか?
結論から言いますと、

<ラポールの形成と改善への手掛かりを得る>

目的で行います。
ラポール形成はそのままで、人間関係としての信頼関係を築いていく手続きとなります。ただここで注意が必要なのは、理学療法士や作業療法士などの専門職では2つの信頼関係があるということです。
1つは、「良い人」「優しい人」など人としての信頼関係です。
もう1つは、「優秀」「私の悩みを解決してくれる」などの専門家としての信頼関係です。
リハビリにおいては、この2つの信頼関係を築くことで、ラポールを形成していく必要があります。その為に、患者さん・利用者さんの話を聴く必要が出てきます。

 人としての信頼関係は職場の人や友人など様々な場面において必要で、話しを聞かない人はなかなか気難しい人に見えてしまいます。相手が話を聞いて欲しいだけなのか、アドバイスが欲しいのかなどどのような意図で話しているのかを理解した上で聴いていってください。

 一方で専門家としての信頼関係は、患者さんの悩みをしっかりと聞き、アドバイスや介入で解決していく一連のプロセスが大切です。例えば、痛みに関するお話をしていただいた場合、なぜ痛いのか?どうすれば良くなるのか?を相手が理解できるような言葉を使用して説明していきます。専門家に悩みを話しているということは、何かしらのアドバイスやもっと言うと解決を求めていることを念頭に置いて聴くことが大切です。

 信頼関係ともう1つの改善の手掛かりを得るですが、患者さんの話している内容から患者さんの<癖>を掴む手続きになります。
運動器疾患の患者さんであれば、

  • 痛みに関する話ばかりしていないか
  • 痛くない時の話はないか
  • ネガティブな発言が多くないか

などを話の中から把握していきます。

脳血管疾患の患者さんであれば、

  • 麻痺側のことをどう捉えているか
  • 今後についてポジティブな話はあるか
  • 動作のやりにくさの原因などどう考えているか

などになります。
このように患者さんの話から<癖>を把握していくためには、聴き手側の質問の内容が非常に重要です。何を知りたいからこの質問をするのか?これが自分の中で明確でなければ、相手がこちら側の質問の意図を理解できません。つまりコミュニケーションになりません。質問については次の【話す】の中で話していきます。

話す

話す時に大切なのは、

<相手の求めている内容を簡潔に伝える>

ことです。話が長いのは相手の脳に負担をかけるだけなので、あまり良いことはありません。リハビリの臨床で話題にあがるのは、専門用語を使用するのかどうかです。もちろんケースバイケースですが、私は専門用語を出来るだけ使用するようにしています。これは私が病院ではなく、保険外のリハビリにいるからかもしれませんが、患者さんや利用者さんは自分の状態を知りたがっている人が多いからです。同時に、それは改善するのか、どこまで良くなるのかは全員知りたがっています。

これらの希望にこたえるために、専門用語をあえて使用することで、今の自分の状態を正確に把握できることが多いです。もちろん、その専門用語を簡潔に説明出来なければなりません。ですが、これが自分の状態を間違えて把握してしまっている人がいます。最も多いのが<運動麻痺><感覚麻痺>という言葉です。患者さんを評価してセラピストが把握できるのは、<麻痺>ではなく<障害>です。動かしにくい、感じにくいという状況から<麻痺>という言葉を安易に使用してしまうのは非常に危険です。麻痺と障害では、介入の方向性も予後も全く異なるからです。

このように、専門家として<話していく>時には使用する言葉を吟味しながら、相手が理解しやすいように簡潔にすることが大切です。

 

いかがでしたでしょうか?これでもごく一部ですが、臨床にはコミュニケーション、しかもリハビリの専門家としてのコミュニケーションスキルが実はあるんですね。ぜひご活用ください。もしもっと知りたい!という方はお気軽にサロンにご入会ください!!

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予後予測について再考してみよう

予後予測を再考してみようタイトル

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担当の患者さんはどこまで改善するんだろう?

リハビリテーションにおいて患者さんの改善可能性を考えて行くことは必須で、患者さんの今後の人生を大きく左右することです。
そこで今回は予後予測を行っていく上でのポイントと注意点を捉えつつ、再考していきたいと思います。

機能的な予後と能力的な予後

予後予測をしていく上で最初に行うことは、医師の見解を聴取することです。疾患上どれくらいの重症度なのか、医学的にはどれくらいの期間をかけてどれくらいの改善が見込めるのかなど、医師の見解を聞くようにしましょう。その上で、リハビリテーションを行うことで何を目標にすべきかを考えて行きます。

このように、予後には機能的な予後能力的な予後がある事が分かります。同じ疾患・部位・程度でも個人因子や環境因子によって能力的な予後が大きく変わります。
例えば、同じ視床出血で重症度もほとんど同じでも、年齢や利き手、もともとのADLの状況などによって予後が大きく変化します。
 これらのことを考えると、<この部位の障害ならば麻痺はこれくらい改善する>といった機能的予後と、<この疾患・部位・程度でこの年齢・家族構成ならばADLはこれくらい獲得できる>といった能力的な予後が存在することが分かります。もちろん能力的予後は機能的予後に依存(影響を受ける)しますが、必ずしも機能が悪いから能力がわるいわけではないので、それぞれの予後を考えて行くことが大切です。

特に、患者さんと退院後や半年後のリハビリの目標を一緒に考えていく上で、<手が動くようになりたい>といった機能的目標だけをたてていくのではなく、<生活の中、余暇の中で運転が出来るようになりたい>といった何かの能力を獲得していくための目標を考えていく上でも大切になります。もちろん、手が動くようになったら何がしたいのか?を考えて行くことも大切ですが、この順番だと手が動くようにならないとリハビリの効果を実感できない負のループにはまりやすいです。そうなってしまうと、リハビリへのモチベーションが下がり、リハビリの効果も半減してしまうので注意が必要です。

よって、機能的な予後と能力的な予後は、患者さんの目標に応じて予測していき改善可能性の範囲の中で進めていくことが大切です。

エビデンスに基づいた予後予測

とは言っても、全く根拠がないまま<ここまで良くなります!>というのは無責任すぎますよね。十分な根拠を持って患者さんの予後を予測していくことが大切です。

一方で、予後というのは<予測>と言っているように、あくまで仮説ベースであることを忘れてはいけません。目の前の患者さんは世界で一人であり、そのたった一人の患者さんが初めて遭遇している状況であるため、1年後どうなっているのか?を予測することは厳密に言えば不可能です。特に、個人差の大きい脳の疾患においては顕著で、個人因子が非常に大きな影響を及ぼしてしまうため、予後を予測することは至難の業になってきます。

では、予後予測をしていく上で参考にするものとはなんなのでしょうか?いくつか挙げて行きたいと思います。

  1. 医師の見解
    冒頭にも書いた通り、医学的見地から予後を予測した際の意見です。非常に参考になります。
  2. 論文などのデータ
    多くの患者さんから得られたデータを参考にします。疾患や程度、障害の状態など様々なデータから患者さんの予後をある程度予測することが出来ます。
  3. 自分の今までの患者さんのデータ
    経験年数が増えてくると担当した患者さんのデータが蓄積してきます。この場合のデータとは単なる経験ではなく、しっかりと記録したものを指します。

このように、いくつか参考になるものはあり説得力もあるものもあります。ですがあくまで参考レベル(医師の見解はニュアンスが少し異なります)であることを忘れてはいけません。データには患者さんの個人因子が入っておらず、特に能力的予後に関してはデータを活用していく時には注意が必要です。

 十分な評価・検査の結果から、経過を追い、様々な障害同士の影響の程度を理解した上で、患者さんと十分に話して目標を立てていくことをお勧めします。

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あなたの歴史を意識した臨床と勉強のポイント(リハビリテーション)

あなたの歴史を意識した臨床と勉強のポイント(リハビリテーション)

お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営しています、理学療法士の唐沢彰太です。
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リハビリテーション(以下リハビリ)の臨床では、患者さんとのコミュニケーションがとても大切です。人と人が接する臨床の中で信頼関係を築くためにはもちろん必要ですが、患者さんの改善可能性を探していくためにも、コミュニケーションは非常に大切です。

また、臨床で悩んだ時に相談した先輩からのアドバイスやセミナーで習った内容にも歴史があります。そこで今回は、歴史にフォーカスしていろいろと書いていきたいと思います。

患者さんには歴史がある

リハビリにおいて、特に回復期に携わっている理学療法士や作業療法士、言語聴覚士(以下PT/OT/ST)は、年上の患者さんを担当することが圧倒的に多いと思います。
その為コミュニケーションでは、言葉遣いが非常に重要で敬語を正しく使用することが大切です。言葉遣いだけではなく、質問内容や使用する言葉も人によって変えていくことが望ましいです。

これはなぜかと言いますと、人には一人一人の歴史があり、生きてきた中で経験した来たことが異なっているためです。
リハビリでは今どうなのか?またこの先どんな生活をするのか?に着目しがちですが、患者さんの今までの歴史を考慮した臨床は思わぬ手掛かりを与えてくれたりします。

この代表例が利き手です。利き手は脳のラテラリティ(側在性)との関連があることが分かっていて、右利きの人の9割以上が脳の左半球に言語野があります。脳卒中においては、この利き手は重要な情報ですが、私が生まれる少し前では左利きを右利きに矯正されていたため今右利きでも実は子供の頃は左利きだった患者さんを多く経験してきました。その方の高次脳機能障害は、単純なラテラリティでは説明できない様々な現象が混在していて、【今】だけを見るリスクを改めて認識しました。

このように、臨床では幅広く能力を見ることが大切ですが、時間軸でも幅広く患者さんを知っていくことが大切です。その為には、PT/OT/STが患者さんに良い意味で興味を持ち、<患者さんの情報を教えて欲しい!>という姿勢で会話をしていくことが必要です。患者さん一言一言を聞き洩らさずに、よく聞くことが大切ですね。

セラピストにも歴史がある

私が1年目の時に、5年目の先輩の臨床を見学させてもらった後のフィードバックでのことです。先輩の着目点は私のものとは全く違く、考えたことも無いようなことばかりでした。その着目点を得たいと思った私は、「何から勉強したら良いですか?」と質問しました。

この風景は、どの職場でもある光景ではないでしょうか?私も良く聞かれますが、実はこの質問非常に難問なんです。なぜかと言いますと、5年目の先輩はそれまで勉強してきたことや担当した患者さんなどいろいろな物を経験した歴史に基づいて今の着眼点を持っています。その着眼点に行きつくまでに5年かかったということです。その為、今の着眼点の理由を説明しても、土台となるものが後輩とは全く違うため本質を理解することは到底不可能だと思っています。

つまり、何から勉強したら良いか?の質問に対して答えがないんです…全く同じ勉強をして全く同じ患者さんを経験した歴史を持っていても、同じ着眼点になるには限りません。よって、話しを聞いている側は先輩からのアドバイスもセミナーでの内容も、その人の歴史に基づいて話しているということ念頭に置く必要があります。

私は常に自分にしか出来ない臨床を表現することを目標にしています。その為には、一人一人に歴史があることにリスペクトすることが大切だと思います。

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学習と再学習からリハビリを考える

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リハビリテーションにおいて、学習はかかせません。

「○○が出来るようになる」

時には、学習が大きく関与しています。

ですが、リハビリにおける学習はそのほとんどが【再学習】によって行われます。
つまり、1度学習したことを再度学習することがほとんどです。

起き上がりや立ち上がりなどの基本動作は、脳卒中などを発症する前は無意識で行われていた動作です。
これらの動作をもう1度出来るようにするのがリハビリの目的になってきます。

この様にリハビリは再学習であることを意識して介入することは大切なのでしょうか?
今回はこの学習と再学習について書いていきます。

1度出来ていたことのメリットとデメリット

経験したことがないことが出来るようになる学習と、1度で来ていたことの再学習とでは何が違うのでしょうか?
学習にはいくつかの理論があり、学習自体の方法も様々です。
報酬を得るために、予測と結果にもとづいて洗練化していく過程をもつ学習は、今までの経験から様々な試行錯誤を行っていきます。

では再学習はどうでしょうか?
例えば立ち上がりを獲得したい時に、発症前の立ち上がりの記憶は役に立つのでしょうか?
答えはイエスです。
脳が損傷し、運動や感覚が発症前と異なっているとは言え、身体の構造などは発症前と当然変わらず、立ち上がりに必要な手順などの大切なポイントは変わりません。
つまり、発症前にどうやって立ち上がっていたのかを参考に、今の脳でどうやったら立ち上がれるのかを考えることは、再学習においてとても大切になってきます。

ですが、発症前と「同じように」立とうとすると、内反や反射などの異常な反応が出現してしまうため、今の脳で身体を認識出来ていることが重要です。

脳卒中における学習の落とし穴

先ほど書いた通り、学習にはいくつかの理論があります。
これらを参考に、リハビリを組み立てていくことは非常に重要です。
ですが、ここで1つ重要なことが見落とされてしまうことが多々あります。
それは…

【リハビリは病気を患ってしまった方を対象としていること】

 どういうことでしょうか?
つまり、学習理論がそのまま使用出来ない人が多くいるということです。

例えば、学習は今よりも効率よく出来るようになることが大切ですが、脳卒中などの疾患では効率よく出来るようになるではなく、動作をどんな方法でも出来るようになることが目的とされることがあります。

その代表例が分回し歩行です。
股関節や膝関節が上手く動かせず、歩行の時に下肢を振り出せない時に骨盤から動かすことで振り出しを行おうとします。
これは非常に効率が悪いはずですが、学習され定着していきます。

 このように、効率面ではなく動作を何とかして行うことが目的となってしまうのです。

このことに加え、脳に疾患をお持ちの方は、学習そのものが健常者とは異なる方法で行われる可能性があることを考えなければなりません。

  • この患者さんはどうやって学習していくのだろう?
  • 何が手掛かりなんだろう?

と考えて患者さんの解釈をしていくことが大切です。

 論文や知見をそのまま取り入れるだけではなく、患者さんのリハビリの参考にするという意識も大切です。

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臨床で試行錯誤していきたい人のために

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リハビリの臨床では、目の前の患者さんに最適の介入を見つけるために試行錯誤を繰り返していく必要があります。
試行錯誤していくためには、仮説を立て、検証していかなければなりません。

そこで今回は、リハビリの臨床における試行錯誤の方法を、仮説を立てること、その仮説を検証することを中心に書いていきたいと思います。

仮説には、【疑問】と【情報】が必要

さて、臨床にはある程度流れが定まっているかと思います。
例えば、

  1. 事前情報の収集
  2. 動作分析
  3. 問題点の抽出
  4. 介入

のような感じです。

 学生の頃に頑張って行ったたくさんの評価や問題点の抽出を、実際の臨床の中で行うのは時間的にも難しく、絞らざるを得ないのは言うまでもありません。
そうすると、1~4の流れで臨床を展開していくことが多くなってくるという事です。

 ですが、この流れでは試行錯誤を十分に行うことが難しく、特に【仮説を立てる】ことを行う機会が少なくなってしまいます。 

この仮説を立てるためには、以下の2つが重要です。

  • 疑問
  • 情報

セラピストが感じた【疑問】の原因を、様々な【情報】を元に予測する作業が仮説を立てるプロセスになります。
 つまり、この2つのことを臨床に丁寧に組み込んでいくことが必須で、それぞれの方法を知っておく必要があります。
 ここでいう仮説は、「○○かなぁ?」という状態です。
「手の触れてる感じが分からないのは、手に注意を喚起するのがむずかしいからかなぁ」
「歩行の時に、左の危険を見落とすのは右側に注意が偏っているからかなぁ」
 こんな感じで仮説を立てる作業が重要になります。

 ここまでを考慮すると試行錯誤するための臨床の流れは次のようになります。

  1. 事前情報の収集
  2. 観察(動作、行為、日常生活など)
  3. 評価・検査
  4. 分析(統合と解釈)
  5. 介入
  6. 効果検証+観察
  7. 2へもどる

 このサイクルを回していくことが試行錯誤に繋がります。
では次に、検証について書いていきます。

仮説が合っているかを検証するための介入と予測

検証は、感じた疑問の原因を知識や知見などの情報を元に考えた仮説が正しいのかどうか、もし間違えていたなら次はどんな可能性があるのか?を考える作業です。
 この検証を行う為には、次の3つが必要です。

  • 仮説
  • 介入の方法
  • 結果予測

 検証を行うと、結果が出ます。
例えば、先ほど書いた例の「手の知覚が難しいのは手に注意を向けられないから」という仮説に対して、注意に関する介入を行います。
すると、その介入の結果から注意が手に向けられるのかどうかがわかります。

 ここで大切なのは、

  • 検証のための介入の手段を知っている(手に注意が向けられるかどうかがわかる介入の方法を知っているか)
  • 介入の結果がどうなれば、仮説が立証されるかが分かっている

 これらにプラスして、仮説が正しかった時に本介入の方法を知っているかも臨床では重要になります。

 この様に、疑問を具体化して、それを確かめて患者さんの可能性をどんどん高めていくプロセスが試行錯誤です。

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動作分析が苦手なのは○○が原因?

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本サロンを運営しています、理学療法士の唐沢彰太です(自己紹介はこちらから→唐沢彰太って誰?です。

患者さんの動作を改善することを目標とするリハビリテーションでは、患者さんが今どう動いているのか?を分析することはとても大切です。
ですが、私が今まで出会った理学療法士や作業療法士(PT/OT)の方々には、この動作を分析することが苦手な人が多かったんです。

その人たちの話を聞いていく中で、いくつか共通点があったことに気付きました。
今回は、その共通点と解決策を書いていきたいと思います!!

動作分析ってなにすれば良いの?

私が学生だった頃、臨床実習で担当させていただいた症例の方の基本動作(寝返り、起き上がり、立ち上がり)と歩行の分析をレポートに書いている時でした。

「動作観察と動作分析があって、動作分析では何を書いたら良いんだろう…」

そうなんです。
結局何を書いたら良いのか分からないんです。
観察との違いも微妙ですし、評価結果をどう分析にいかしたらよいのかもわからない。
しかも、実際に臨床現場に出ると、学生の頃すべてを網羅するように行っていた評価も「トップダウン」という名目で行わなくなってますますわからない…。
こういった経緯があって、動作分析が苦手になっていく人がたくさんいます。
仕方がないことなんですね。

では、動作分析は何をすれば良いのか?
それは…

【仮説を立てる!!】

これに尽きます。
リハビリの臨床現場では、まず動作観察と動作分析から行われます。
(観察と分析の違いはサロン内で話しているので興味のある方は是非1度入会してみてください!)
これら観察と分析から得られた情報を元に、評価と介入プログラムを考えて行く流れになります。

つまり、動作観察と分析で【何をみるのか】、さらに【何を考えるのか】によって評価と介入が左右されてくるということです。
具体的にどんな仮説を立てていくのか考えて行きます。

仮説を立てて検証し【知恵】にしていく

動作観察と動作分析それぞれどんなことをみて考えて行けば良いのか?

  1. 動作観察
    【どんな特徴のあるうごきなのか?】
  2. 動作分析
    【どうしてこんな特徴の動き方なのか?】

となります。
まず観察で全体像をつかみ、分析でその原因を考えて行く流れです。

ですが、ここで気を付けなければならないのは、

<動作分析で考えた原因はまだ仮説でしかない>

ということです。
例えば、大腿骨頸部骨折の患者さんが骨折側に荷重しないように立ち上がっている時、<痛みが原因>だと考えたとします。
ですが、これはまだ確証はなく仮説でしかありません。
この動作分析から考えた仮説を元に、評価を実施していく形になります。
例えば、痛みの検査、立位での骨折側への荷重のやり方の分析と痛みの度合いなどをみていきます。
これらの結果から、分析で立てた仮説の<痛みが原因>が確からしいかどうかを更に考え、プログラムを考えます。

このように、分析で考えた原因は仮説なんだ!ということを念頭に置いて評価を進めていくことが大切です。

まとめます。
動作分析では、答えを出す必要はありません。
自分なりの考え=仮説を持って評価・仮説に進んでいくプロセスの1つが動作分析です。

この仮説→検証を繰り返していくことで、経験を積み重ねて<知恵>として貯めていくことが大切です。

動作分析が苦手なあなた。
答えを出そうとしていませんか?
焦らず丁寧に組み立てていくことを大切にしてみてください。

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筋力ってリハビリではどうすれば良いの?

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人が動くためには、関節が動かなければなりません。
その関節が動くためには、筋肉が収縮する必要があります。
筋収縮のパワーを筋力といいますが、筋力を決定する要素には様々なものがあります。

今回は、その筋力がどのように決定され、どう向上していけば良いのかを臨床にそくした形で書いていきたいと思います!

筋力を決める要素

~ミクロからマクロまで~

筋は、神経によって活動します。
この神経は大きく分けて2つあります。

  1. 脳から脊髄についている運動神経
  2. 脊髄から筋についている神経

です。
これらが正確に働くことで、目的に合った運動を行うことが出来ます。

これらの筋収縮に関わる神経ですが、発火様式(神経の活動方法)によって筋出力を決定しています。

詳細は専門書(生理学)を参考にして頂きたいですが、この発火様式は3つあり、

  1. リクルートメント
  2. シンクロナイゼーション
  3. レートコーディング

になります。
発火させる運動単位をコントロールしたり、発火の頻度をコントロールしたりと、様々な方法になっています。

またこれらとは別に、筋出力は目的に応じてコントロールされています。
例えば、食パンを持つときの力とフランスパンを持つときの力では、食パンの方が優しく繊細にもつことが求められます。
つまり、視覚によってこれから何に働きかけるのかを認識することで、力をある程度決定していることになります。

このように、今から行う動作/行為に必要な力は、脳と脊髄のコンビネーションによって決定づけられています。

リハビリでの筋力の考え方

ここまで書いてきた通り、筋力はいろいろな要素で決定されています。
では、リハビリではどのように介入していけば良いのでしょうか?

リハビリにおいては、まず【何のために筋力を向上する必要があるのか】を明確にする必要があります。
「○○骨折だから中殿筋を鍛える」
「立ち上がれるようになるために膝伸筋群を鍛える」
これでは、単純な筋力トレーニングになってしまいます。

  • 筋出力なのか
  • 筋持久力なのか

また、

  • どの動作の時の筋出力なのか
  • どの感覚とセットで訓練しなければならないのか

これらは最低でも明確にし、患者さんと共有しておく必要があります。
この辺の詳細はこちらをご参考ください→脳は体をどう動かしてる?

筋力を鍛えるトレーニングには、正しい動きを学習する目的も含まれます。
ぜひ試してみてください

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