理学療法士の仕事って?

お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営しています、理学療法士の唐沢彰太です。
(自己紹介はこちらから→唐沢彰太って誰?

 理学療法士(physical therapist:PT)は、その名の通り身体のセラピストでリハビリテーション(以下:リハビリ)領域における専門家として位置づけられています。
同様にリハビリ領域における専門家である、作業療法士(Occupational therapist:OT)や言語聴覚士(Speech therapist:ST)や医師・看護師・ソーシャルワーカーなどの職種とチームを組み患者さんのリハビリをサポートしていきます。

 実際どのような仕事をしているかと言いますと、病院やクリニック、施設や患者さんのご自宅で【リハビリ】をしています。
このリハビリとは何か?ですが、場所や患者さん、疾患や時期などによって異なっているのが現状です。
この自由度の高さが、PTにとっては楽しい所であり難しい所でもあります。

 今回はこの理学療法士の仕事にフォーカスして今後の可能性も含めて書いていきたいと思います!!

理学療法士は身体の専門家

 名前の通り、理学療法士は身体の専門家です。
ここで言う【身体】は、物理的な体だけではなく、その身体で動く・生活するということも含んでいて、広義で言えば【人】と捉えた方が実際の仕事内容とマッチングするかと思います。
つまり、脳やせき髄などの神経系、内臓、心理面、精神面すべてを含んだ【身体】を対象としているということになります。

 現在理学療法士は、怪我や病気によってこの【身体】に何らかの支障が生じた人と行うリハビリのチームの一員として働いています。
このチームが最も見えやすいのが、リハビリ専門病院とも呼ばれる回復期病院です。
医師、看護師、PT、OT、必要に応じてST一人一人が担当について、自宅へ帰るためにリハビリを進めていきます。

 この回復期では、PT/OT/STが脳血管疾患では各60分、整形外科疾患ではPT/OTで180分のリハビリを1日最大実施することが出来ます。
病院によって様々ですが、基本的にはPTが基本動作/歩行、OTが日常生活動作、STが言語を含む認知機能に対してアプローチしていきます。
ここで大切なのは、PTは下肢、OTは上肢という枠組みで行ってしまうとPT/OTが持つ専門性が発揮しにくいということです。

 すでに書いた通り、理学療法士は身体の、もっと言うと人の専門家です。
上肢も下肢もありません。
基本動作はすべて全身動作で、上肢にアプローチしないで基本動作を獲得することは出来ません。
動作獲得のために、動作を見て、身体に関する運動学、解剖学に加えて脳科学、神経心理学などの人を対象とする学問すべての観点からリハビリを行っていくことが大切です。
患者さんが何を思っているのか、考えているのか、脳はどう活動しているのか、身体に癖は無いか…この視点の多さもリハビリの自由度の広さなのかもしれません。

これからも理学療法士として生きていく

 理学療法士はリハビリ領域でしか働けないのでしょうか?
理学療法を行っていきたいのであれば答えはイエスです。
保険を使用して患者さんに理学療法を提供していくことしか出来ないからです。

 ですが、ここまでしつこく書いてきました通り、理学療法士は身体の専門家です。
理学療法士としての知識や経験はリハビリ以外の領域においても必要とされてきていることは身をもって実感しています。

 リハビリの実態がどうなっているのか?身体に問題を抱えている人の実際はどうなのか?さらに人を対象とする多くの領域では、理学療法士は重宝される存在です。
今後、理学療法士の可能性を広げていくためには、今まさに臨床現場で働いている方々が1歩踏み出すかどうかにかかっていると思っています。
 その為には、ビジネスや経済を中心とした様々なことを理学療法士は知らなさすぎるのかもしれません。

 未来を見据えどう行動するのか?
今まさに【個】が求められています。

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人はなぜ歩くのか?

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記念すべき50本目のブログになります!

人とサルの大きな違いの1つ【2足歩行】は、進化の過程で獲得した非常に高度な行為です。
 リハビリテーション(リハビリ)においてこの歩行の獲得は非常に重要な要素で、歩行のことを詳しく知っているかどうかはリハビリの内容に大きな影響を及ぼします。

 そこで今回は、この歩行を運動学的な視点ではなく、少し違う視点から考えてリハビリにいかせないかどうかを考えていきたいと思います。

歩くとはどういうことか

人はなぜ歩くのか?

多くの人は【移動するため】と答えるのではないでしょうか?
 歩行は移動手段の1つとして捉えられ、車や電車などの移動手段と並列であると考えられます。
リハビリにおいても、移動手段の獲得として歩行を獲得することを目的に介入され、屋内なら可能、屋外では介助者が必要など評価していきます。

 ですが、人は移動の目的以外でも歩きます。
例えば散歩です。
散歩はここからどこかへ移動するために行うわけではなく、【歩くことを目的】に河原を歩いたり、公園を歩いたりします。
この散歩の目的は移動でないとしたら一体何なのでしょうか?

4月頃のぽかぽかした陽気の中散歩する…
頭の中を整理するためにぼーっと歩く…
恋人と目的もなくただ歩く…
いろいろな場面が想像されますが、目的があったりなかったりしますね。

 歩くことは自由であると言い換えることが出来ます。
歩く速度も歩幅も自由ですし、歩き始めもいつ止まるかも自分で決めることが出来ます。
どこへ向かうかも自分で決めれますし、遠回りすることも出来ます。
この自由度は歩行にしかないのではないでしょうか?
つまり、その時の感情や意図などを全て表現できる行為、それが歩行なのではないでしょうか

 歩行には移動という側面と、自分の自由を表現できる行為としての側面両方を持っていると私は考えています。

歩けなくなることの本当のところ

この様な多面性を持つ歩行ですが、脳卒中や下肢の骨折など様々な理由で行えなくなることがあります。
もし歩けたとしても、長い距離が歩けない、疲れやすい、痛みが出る、思うように歩けないなどいろいろな原因から自由度が減ることが多々ありますね。

 歩けなくなるということは、移動が出来なくなると考えがちですが、車椅子などを使用すれば実は解決できることが多くあります。
実際、電動車いすで新幹線に乗っている方もいらっしゃいます。

 では、自分の足で歩くことの意味はどうでしょうか?
自由度が狭小化し、歩くことへの制限はその人にとって実は大きな意味を持っていると思います。
 私も学生の頃、バスケットボールをやっていてたくさんの怪我をしました。
足首の捻挫は歩行を大きく阻害し、松葉杖を使って歩けたので移動は出来たものの、移動範囲は狭まり、どこかへ行こうという気持ちすら起きてきませんでした。

 当然かと思われるかもしれませんが、リハビリではこの歩行の持つ自由についての考察が大きく欠落しているように思います。
 歩けないとつまらない。
患者さんに言われたこの言葉は、私の中で今でも強く残っています。
歩くことが楽しいなんて考えたこともありませんでした。
ですが、自分の経験を振り返ると、自由に歩けることがどんなに素晴らしいことなのか、歩けないとどんなにつまらないのかを感じていました。

 歩行を再獲得することはただ移動できるようになるわけではなく、自分の足で自由に生きていける喜びをまた感じることが出来るようになるのかもしれません。

 リハビリの持つ本当の素晴らしさは、もっともっとあるのかもしれません。

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理学療法士の私がオンラインサロンを始めてもうすぐ1年

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 理学療法士の私がいろいろな思いで始めたオンラインサロンも、9月で1年を迎えます。
 当初やりたかったことがなかなかできなかったり、反対に思いもよらずに出来たことがあったりと様々なことがあった1年でした。

 そこで今回は、この1年を振り返った感想や今後の予定していることについて書いていきたいと思います!

何も分からずに始めたオンラインサロン

 オンラインサロンという言葉が少し広がり始めていた1年前、ちょうど新型コロナの蔓延もあり、リハビリ業界でも学会やセミナーがオンラインへの意向を強いられていました。
 オンラインでの開催に対する難しさや、誰もやったことがなかったことでもあり、新型コロナが流行したばかりの頃は、学会・セミナーともに軒並み中止になっていました。
 1年間外部からの情報が遮断された時、1日1日がとても大切であるリハビリの領域にいる私はとても不安になりました。

 オフラインでのセミナーが主流であったその頃は、集まって勉強することが出来なくなるなんて想像もしていなかったのですが、実際なってみるとリハビリ業界で【継続して学んでいくために】は、オンラインを積極的に導入していく必要がありました。

 毎年のように、多くの学会やセミナーに参加していた私にとって、それらに参加することは学ぶことと同じくらい、職場以外の人たちとの交流が目的でした。
 一緒に学んできた人たちが今何をしているのか、何に興味があるの、これから何をしようとしているのか…これらの情報は自分が進んでいくためにとても大切な物でした。

 その機会が失われた時の不安な気持ちは今でも忘れませんし、まだまだ不安は残っています。
 ですが、きっと私と同じように不安になっている方がいるのではないか?
 もっといろいろな環境で学ぶ機会を求めている人がいるのではないか?
 そう思ったのがオンラインサロンを始めたきっかけでした。

 ですが、HPの作成や運営については経験もなく、何より同じ思いの人が本当にいるのかなど何も分からない中でのスタートでした。
 加えて、オンラインサロンに対する理解がまだまだ深まっていない中で始めることも不安はたくさんありました。

 理学療法士としてずっと働いてきた私にとって、マーケティングなどの知識は全くなく、1からのスタートでした。

本当にやって良かった

 実際に始めてみるとこの1年間は、驚きの連続でした。
 HPの作成はベースを知り合いの方にお願いし、その後の運用を自分で行っています。
 やはり専門的な部分に関しては自分で試行錯誤していくしかありませんが、徐々に成果が出てくると非常に楽しく出来ています。

 またサロンの運営は、まだまだ未熟なところはありますがメンバーの方の助けもあり、今では累計で40名を越える方にご参加いただいています。
 サロンメンバー以外の方以外の方とも関われる機会を増やすために、外部の方も参加できるセミナーも開始し、満足度100%を達成できました。

 まだまだ知っている人は少ないですし、オンラインサロンのメリットについても理解されていない部分も多くあると思います。
 ですが、言葉でいくら説明しても限界はありますし、一人一人の好き嫌いも当然あります。

 もし一人で悩んでいる人がいたら1度参加してみてください。
 きっと参加して良かったと思っていただけると思います。

 今後は、メンバーの方にもっと楽しく学んでいただけるように実技などの新しいコンテンツの配信を予定しております。
 またもっと多くの人に知ってもらえるように、外部の方向けのセミナーも加速していきます。
 コロナなんかに負けないように、前進していきたいと思います!!

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来る7/30に、

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今伝えたいこと

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以前恩師からこんなことを聞かれたことがあります。

「唐沢君は何のために勉強しているの?」

勉強する理由を深く考えたことなかった私は、その場で咄嗟に、

「患者さんを改善するためです」

と答えました。
皆さんは何のために勉強していますか?
そんな勉強の方向性について私の考えを書いていきたいと思います。

必要なのは知識?それとも…?

解剖学、生理学、運動学、心理学、脳科学、神経学、リハビリテーション医学、装具学…。
リハビリテーションはたくさん勉強することがあり、いろいろな知識が必要です。
なぜこんなにも多くの知識が必要なのか?
それはリハビリが【人】を対象とした業種だからです。
近年では、理学療法士・作業療法士も専門性が求められ、認定療法士の制度も活発化してきています。
これは、理学療法士の学会が分科会で開催されていることからも分かるかと思います。

またこのような専門性の流れとは別に、エビデンスの重要性が高まってきています。
論文や学会発表など学術面での活動が今までよりも評価される時代に変ってきています。

さて、このように正しい知識を得ることが非常に重要な昨今ですが、病院などで勤務するPT/OTに必要なのは知識なのでしょうか?
もちろん知識は必要ですし、多いに越したことはありません。
冒頭で書いた質問の本質かもしれませんが、私が勉強するのは患者さんの為です。
脳や神経、人体の専門家になりたいわけではありませんし、なれるとも思っていません。
なので、知識を増やすために勉強しているわけではないですし、講義を行う為に知識を増やしているわけではありません。

私がPT/OTに必要なのは、勉強の前後だと思います。
つまり…

  • どうして勉強しようと思ったのか?
  • 勉強した内容をなにに還元しているのか?

私は、リハビリに行き詰まりにっちもさっちも行かなくなった経験があります。
その状況を打開するために勉強をしました。
同時に、同じような経験をしている後輩や仲間に少しでも役立てるようにアウトプットしています。
そして当然、私の学習の中心には患者さんがいます。
このサイクルが私を少しずつ成長させてくれたと思っています。

もちろん全員が成長を求めているわけではないのかもしれないですし、他の方法で成長している人もたくさんいると思います。
ですが、やはり担当した患者さんの今後の人生を左右する自責は持つべきだと思いますし、自分が担当で良かったと心から思ってもらえることが最大の喜びだと思っています。

いろいろな経験をして、自分だけの経験を1つでも持っているのであれば、伝えていくのが先輩の役目だと思っています。

誰が言ったのではなく、何を言ったのか

あの人が言っていた
あの人が言ってたことなんて…

この考えは私にとっては全く意味を持ちません。

実際臨床の中でも、後輩と話していてたくさんの気付きをもらっていますし、いろいろな方が講師の方の勉強会に参加し、多くのことを学んで来ています。

つまり、誰が言ったかよりも、何を言ったのかを大切にすれば成長できる場は比べ物にならないくらい増えるということです。

いつでも真剣に、尊敬の意を持って臨んでいきたいですね。

 

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機能だけじゃだめだよ。だけど…

お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営している、理学療法士の唐沢彰太です。

私も理学療法士になって10年が経過しました。
10年間とにかく患者さんの改善を突き詰めて勉強し、実際の臨床で患者さんと向き合ってきました。

その中で、改善を突き詰めてきたからこそ、足りない部分に気付いてきています。
今回は、

【リハビリテーション】

について、書いていきたいと思います。
まだ経験の浅い理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の方にぜひ読んでいただいと思います!!

機能改善だけでは足りないけど…

理学療法士になって1年目からずっと思っていたことは、自分のリハビリで一人でも多くの患者さんを改善することでした。
これは今でも変わっていません。
それくらい、回復期から今の保険外リハビリまで

患者さんを良くするためには?

を考えていました。
そんな考えを持っている中、前の職場の同僚からある人ことを言われました。

【機能だけじゃだめだよ】

言われたその時は悔しいやらムカつくやら思っていましたが、その後もその言葉はずっと心の片隅に残っていました。

この言葉は考えれば考えるほど深い言葉です。
リハビリテーションは包括的アプローチであり、患者さんの機能だけではなく生活や環境など様々なことまで考える必要があります。
また精神面や心理面も介入の対象で、がつがつ改善を求めている人ばかりではないんです。

ただ、この10年間(まだ10年ですが)改善を突き詰めてきたからこそ、この機能だけじゃだめだよに対する答えが見つかりました。

それは…

改善を目指し患者さんに変化をもたらせるからこそ

【機能だけじゃだめだよ】

と言える

これです。
リハビリテーションは、時期や対象などによって目的や役割が異なっているので一概に言えないのは承知しています。
ですが、少なくても回復期に入院されることの多い、下肢の骨折や脳血管疾患の患者さんに対してリハビリを提供するセラピストは、改善を目指すことが必須だと思っています。
目の前の患者さんの痛みを改善し楽になって欲しい、歩けるようになって生活して欲しい。
この目標を達成するために、勉強し知識技術を向上していくことが務めだと思っています。

機能を変化することを突き詰めて、もっと患者さんのことを考えていくと、機能だけだと足りないことに気付きました。
これは、患者さんの声に耳を傾け、生活まで視野を広げて【実感】しました。
ここで初めて、【機能だけじゃだめ】ということに気付き、反対に【機能をつねに考えていないとだめだ】ということにも気付きました。

皆さんにとってリハビリテーションとはなんですか?
臨床で患者さんと関わるこの枠組みが、私にとってのリハビリテーションです。

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私が思考の道筋を言語化する理由~ロジカルシンキング~

お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営している、理学療法士の唐沢彰太です。

皆さんは、
「ロジカルシンキング」
って聞いたことありますか?

和訳では、「論理的思考」と言いますが、良く引き合いに出されるのは、演繹法と帰納法です。
学生の頃、哲学などの授業で聞いたことがあると思いますが、その内容まで覚えているかと言われると…。

そこで!今回は、私が臨床で実践しているロジカルシンキングについて書いていきたいと思います!

ロジックとは道筋である

ロジックと聞くとなんとなく敬遠しがちですが、簡単に言えば道筋です。
どうしてその結論に至ったのか?
その結論までの道筋を言葉で表したものがロジックです。

学生の時の症例発表や先輩との臨床に関するディスカッション、後輩に質問された時の回答など、実は様々な場面で知らず知らずのうちに活用していると思います。
具体的に言うと、観察から分析をして問題点を抽出、その問題点と動作の関係を考えて介入を決定していく。
この流れの中で、

  • どうしてそこに着目したのか?
  • どうしてそこが問題だと思ったのか?
  • 動作とその問題点がどうしてつながっていると思ったのか?
  • その介入にした理由は何か?

など、いくつかの点で言葉で説明しなければならない点が存在します。
つまり、自分の思考を時間軸に沿って説明していくことこそが、ロジカルシンキングに直結します。

なぜロジックが大切なのか?

ここまでで、ロジカルシンキングがリハビリの臨床ととても近いところにあること、ロジカルが道筋であることが少しお分かりいただけたと思います。

ではここで、
なぜロジックが大切なのか?
について触れていきたいと思います。
ここでは大きく3つについて書いていきます。

1,エビデンスベースの臨床が求められている

効果が不確かな中、職人技のように行われてきたリハビリですが、医学の領域と同様にエビデンスが求められてきています。
つまり、行っている介入が妥当かどうかですね。
この風潮の中で、「なんとなく」という雰囲気で様々な決定が行われやすい臨床は生き残れない可能性が出てきています。

どうしてそこが問題なのか?…先輩が言っていたから。
どうしてその介入をしたのか?…本に書いてあったから。

これではダメということです。自分の言葉で、そう考えた道筋を表し、それが何かしらに基づいていなければならないのです。
そのためには、臨床にロジックを持ち込んでいく必要があるということです。

2,患者さん・利用者さんへの説明と能動的なリハビリ

私が今勤務している保険外リハビリの領域では、利用者さんの今の身体状況や高次脳機能障害など、様々なことについて本人に説明していきます。
モチベーションが高く、本人が知りたがっているからというのはもちろんありますが、理由はもう1つあります。

保険外では期限がなく、本人が通い続けられれば半永久的に通うことが出来ます。
だからこそ、リハビリからの卒業について本人と丁寧に話していく必要があります。
そのためには、自分で問題と向き合い解決していく力が必要です。

この能力を獲得していくためには、自分の身体や行為を出来るだけ正確に知り、捉えられなければなりません。
このことを手助けするためにも、患者さんに出来るだけわかりやすく、私たちセラピストの考えを伝えていく能力が必要です。

そのツールとして、ロジカルシンキングが役に立ってきます。

3,他セラピストとのディスカッションツール

自分が休みの時に代わりにリハビリに入ってもらう時や、先輩への質問、後輩からの相談への回答など、セラピストへ説明する機会は多くあります。
その中で、このロジカルシンキングはとても役に立ちます。

それだけではありません。
自分の思考をまとめることは、アウトプットにもなり、自分の成長にも直結します。

臨床でロジカルシンキングを実践していくために

このように、リハビリの臨床の中でロジカルシンキングを実践していくことは、多くのメリットを生み出します。

実際どういう感じなのか?
どうやっていったら良いのか?

など素朴な疑問が出てくると思います。
私のblogを読んでいただけると、ロジカルシンキングの雰囲気がむんむん出ているので感じていただけるかと思います。

実際にみてみたい!
という方は、是非ご連絡ください。
症例発表が一番わかりやすいと思いますのでご招待いたします!!

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セラピストになった人、初めての先輩になった人へ

お読みいただいている皆さんありがとうございます。
プロリハ研究サロンを運営している理学療法士の唐沢彰太です。

新年度1本目の記事になります!
新社会人の皆さんおめでとうございます。また新しく後輩が出来た方も育成頑張ってください。

そこで今回は、私の後輩育成の心得について書いていきたいと思います。

どんな先輩がいたら嬉しいかをイメージする

私がまだ理学療法士として働き始めて間もない頃、職場にはたくさんの先輩がいました。
先輩にもいろいろな方がおり、勉強している人、教えるのが好きな人、もくもくと仕事をしている人まちまちでした。
どの先輩も当然私より経験があり、学ぶことがたくさんありました。

一方で、反面教師としてみていた先輩がいたことも事実でした。
これは私が生意気だったことももちろんありますが、仕方がないことなのかもしれないとも思います。
皆それぞれリハビリに対する思いは違いますし、得意不得意、好き嫌いがあるのも事実ですので。

そんな中で私にも後輩が出来ました。
ちょうど東日本大震災があった年だったこともあり、非常にばたついていたので鮮明に覚えています。
当然後輩育成をしていかなければならない立場になったのですが、これがまたうまくいかない。
当然のように、先輩にいろいろな方がいるように、後輩にもいろいろな人がいるからです。

そこで私は、「自分だったらどんな先輩がいたら嬉しいのか」を考えることにしました。
仕事の悩みを聞いてくれる先輩、臨床の悩みを聞いてくれる先輩、人間関係の相談にのってくれる先輩いろいろ考えました。
私にも得意不得意があるので、「臨床の相談にのる先輩」「勉強している姿を背中で見せてくれる先輩」を目指すことにしました。

私のように、日々勉強しなければ不安になるタイプの人間は必ずいて、そんな後輩にとって私の目指す先輩増はとても貴重だと思ったからです。

そこから私は、インプットを欠かさず行い、後輩が求めるアウトプットをしていくことになりました。

後輩への育成が自分にもたらす成長

はりきってインプットとアウトプットをしていた私でしたが、あることに気付きます。
それは、自分が成長させられていることでした。

本を読んだり、勉強会に参加したり様々な方法で参加していた勉強会ですが、その時私は2つのことを考えながら学んでいました。

  1. 患者さんにどういかしていこうか
  2. 後輩にどう伝えようか

どちらもアウトプットであることは言うまでもありませんが、2つとも目的が違います。
すると、インプットにも多様性が生まれてきます。
ただ覚えるだけではなく、どう伝えるか、どう臨床に取り込むかそれぞれを考えることは、知識の定着の効率が圧倒的でした。(今思えばですが)

自然と行っていたこれらのことは、私を成長させてくれました。
ただ教えてもらうだけではやはり意味がありません。
そこには、その知識を自分の物にしてどう使っていくのかがなければ、やはり成長はないなと思います。

このようにしてセラピスト人生を歩んできた私ですが、嬉しいことにいまだに慕ってくれている後輩がたくさんいます。
後輩のセラピストたちにとって、いて良かった先輩であれたなら、それほど嬉しいことはありません。

新社会人の人たちは、自分にとっていて良かった先輩と出会えることを願っています。
また、後輩が出来たセラピストの人たちは、自分をいて良かった先輩と言ってくれるように行動していってください。

もしこのことに悩んだら是非プロリハ研究サロンの戸を叩いてください。
全力でサポートします。

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運動・動作・行為を使い分ける!!

お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営しております、理学療法士の唐沢彰太です。

言葉って大事ですよね?
専門家として、言葉や用語を正しく使うことはとても大切で、多職種での連携が大切なリハビリではその面においても重要です。
その中でも、

  • 運動
  • 動作
  • 行為
の3つは、似ている言葉ですが、絶対的に中身が異なっている用語です。
これら3つを意識的に使い分けることで、頭が整理されてリハビリの臨床がスムーズになるなど非常に役立ちますのでぜひご参考ください。

3つの違いは?

まずは簡単に3つの言葉の違いに触れていきたいと思います。

1,運動

物体がある力によって動く事ですね。
人で言うと、関節を動かす事からランニングなどまで広い範囲で運動って言います。
『運動しましょう』のような使われ方ですね。
一方で、『肘を曲げる』のような【重心の移動を伴わない】動きを私は運動と定義しています。
リハビリにおいて、この運動の獲得をゴールにすることはまずありませんよね。
観察や分析をしていく過程で、どこの運動に問題があるのかを考える時に使用するイメージです。

2,動作

運動が様々な身体部位で同時的に動くことで、重心が移動することと考えています。
同時に支持基底面(身体を支持する、外部環境と接している面積)の変化も生じます。
ただ基本的には、この動作自体には目的はないことが重要です。
例えば、起き上がりは動作ですが、起き上がることが目的となることは日常生活ではありません。

3,行為

目的や意図に応じて、2つ以上の動作を組み合わせて遂行されるものです。
つまり、行為は意図や目的が先行していて、様々な機能や能力が同時的に働いています。
リハビリでは、この行為の獲得が目標となります。
「動作じゃないの?」と思われた方がもしいらっしゃれば、リハビリの時は出来るのに病棟では出来ない問題を考えてみてください。
この問題の重要な点は2つです。
 
1つは、環境が違うこと。
これはいろいろなところで言われているのでなじみ深いかと思います。
もう1つは、意図と目的が違うことです。
リハビリの時は、セラピストに指示をされて行われる動作ですが、病棟では自分の意図に基づいて行われます。
この目的と意図が異なる場合、行為そのものが異なると考えた方が無難です。
つまり、病棟での行為をいかにリハビリに持ち込み、介入出来るのかが大切になります。

どういう場面で使い分ける?

このように見ていくと、それぞれ特徴のある言葉だということがお分かりいただけると思います。
では、実際にこの3つをどう使い分けるのか?
 
結論から言いますと、分析時と介入時です。
患者さんの問題点と出来ている点を、それぞれ運動レベル、動作レベル、行為レベルでみていくことが大切です。
 
また介入時にも、今のリハビリがどのレベルで何を対象に行っているのかを、療法士は整理していくことが大切です。
介入の結果、どの様な変化が生じたのかを細かく見ていく為にも重要なことになります。
 
いかがでしょうか?
いつも何気なく使っている言葉かもしれませんが、すこし意識して使うだけで頭が整理されていくことを実感できると思います。
是非お試しください!!

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こちらもぜひご覧ください!!

基礎ってどうして大事なの?

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<基礎が大事>

って耳にしませんか?
リハビリに限らず、何においても基礎をおさえておくことは大切です。
足し算・引き算・掛け算・割り算は数学の基礎です。
これらが出来なければ、因数分解は出来ません。

また、この基礎が生活にも必要なことがとても重要です。
教科として習ったことが、生活にいかされるこの構造はリハビリにおいてもみれらます。

本記事では、基礎について書いていきたいと思います。

基礎から臨床が作られている

学生頃、とてもたくさんの科目があったと思います。
解剖学、生理学、運動学、解剖生理学、病理学、心理学、精神学、哲学、社会学…
なぜこれほど多くの教科を学ぶ必要があったのでしょうか?

1つは、人の体や疾患を理解するためです。
リハビリテーションは、人を対象とする職種です。
様々な側面から人を理解することが求められるため、このように多くの教科が必要になってしまいます。

もう1つは、患者さんを理解し、目標へ向かっていく手助けをするためです。
例えば、病気になった患者さんの気持ちに寄り添う為に心理学、行為とは何かの本質を考えるための哲学、障害をお持ちの方の社会参加の側面を理解するための社会学などなど…
これらを理解するためには、その【基礎となる学問】を学ぶ必要があります。(学生の時もこんな感じに教えてもらいたかった…)

このように、臨床を形作る基礎は、その名の通り様々な学問の基礎から成り立っています。
ただ、1つ問題があります。

臨床に必要な基礎は、自分で学んでいくしかない

先ほど述べた、学生の頃にならう基礎の学問ですが、学生では実際の臨床を知らないため、患者さんをイメージしながら学ぶことが出来ません。
ここがとてもネックになります。
実際の自分が担当している患者さんのために、学んでいくプロセスは学校では教えられないのです。

更に、臨床心理学、臨床哲学のような、臨床に直結する学問は、卒業後自分で学んでいかなければならない環境です。
しかし、【臨床】と付く学問は、臨床の中から生まれてきている学問であり、リハビリにおいてもとても大切な知識になります。
例えば、患者さんの観察や病態解釈には臨床心理学の知識は非常に有用です。

このように、学校の頃に学んだことだけでは不十分であり、自分のリハビリ特に担当している患者さんに合わせて学んでいく知識を選択し、更に本や勉強会も選択していかなければならないのです。

これを1年目からやっていくのは非常に難しく、もし周囲にそのような勉強をしている人がいなければ、自分の勉強法を見つけなければなりません。
それでは勉強していくのが嫌いになってしまいます…

悩んだ時こそ基礎!!

リハビリで良く聞く悩みが、
「この患者さんに何をしたらよいかわかならない」
つまり、改善がみられないという悩みです。
もちろん介入の手段の引き出しを多く持つことは大切です。

ですが、なぜその患者さんにその方法なのか?を理解しないまま介入するのは絶対にダメです。

何をしたら良くなるのかわからない=何が問題か分からない

この構図を理解しなければ、介入の手段にどんどん引っ張られていきます。
そうではなく、患者さんを理解するために基礎を学びなおして、問診・観察・検査・分析を丁寧に行っていくことが足りない人がほとんどです。
なので基礎が大事になります!!

ぜひ基礎から学びなおしたい人、臨床を学びなおしたい人、勉強の方法を学びたい人は是非ご参加ください!

新しい風を起こす

新しい風を起こす

お読みいただいている皆さんありがとうございます。
理学療法士の唐沢彰太です。

私は理学療法士の育成校で勉強していた時と、理学療法士になって実際に現場で働いてからとでギャップがありました。
このギャップは今でも感じていて、
「どうしてなの?」
と思うことがたくさんあります。
その中でも、最もギャップに感じた、臨床で不足している点について書いていきたいと思います。

学生の頃はあんなに念入りにやったのに…

学生の頃に行く実習。
私は、見学実習・評価実習・臨床実習と合計すると30週間近い時間の実習を経験しました。
その中で最も学んだことは、
「観察と分析、更に評価の統合と解釈」
でした。

これは、実習において「評価実習」というものがあることからも、リハビリテーションでは、
患者さんを正しく理解することが重要である
こととつながっています。
念入りな情報収集、網羅された評価・検査、多くの動作の観察と分析、これらを統合する作業…。
実習の時はレポート作成に必死で気付きませんでしたが、実際に臨床に出るとこれらが非常に重要なプロセスであることを痛感しました。

ですが、実際の臨床現場ではどうでしょうか?
初回介入の時に行う評価も念入りとはいえず、毎回の介入で十分な観察から評価までを行うことは非常に少ないのではないでしょうか?
なぜなのでしょう…?

【トップダウン】という魔法の言葉

現場では時間に追われています。
回復期では1日21単位(20分/1単位)、7人の患者さんのリハビリが義務付けられている所もあると聞きます。
実習では一人の患者さんを念入りに評価していく形になる為、環境的にも全く異なっています。
これが、1つの要因でしょうか。

また、患者さんを評価していくプロセスに、
・ボトムアップ
・トップダウン
の2つの表現が使われます。
1つ1つ丁寧に評価し、全ての問題点を洗い出してから介入を考えて行くボトムアップに対して、トップダウンでは獲得を目標とする動作を観察・分析してそれに必要な評価を行っていきます。
先述したように、時間との勝負であるリハビリの現場においては、より効率が良いトップダウンで患者さんをみていくことが多い…とよく聞きます。

このように聞くと、非常に理にかなっていて、評価を必要な分のみを行っていくことが当たり前のように感じます。
ですが、ボトムアップにしろトップダウンにしろ、患者さんの全体像や特徴を掴んでいくためには、十分な観察と評価が絶対に必要です。
このトップダウンの考え方は、まだ経験の浅い理学療法士や作業療法士が実施すると、
【大腿骨頸部骨折で人工骨頭置換術だから、股関節周りの筋力トレーニングが必要だな】
といったような、人ではなく疾患と結びつきやすいリスクがあります。

リハビリテーションの基礎である【その人らさ】が失われてしまっては本末転倒です。
疾患別に必要な評価に加えて、その人に必要な評価は何なのか?
ここを大切にしなければ、退院後大変な生活が待っていることは言うまでもありません。

新しい風を起こす

私は、この様なギャップを感じながら現場で働いてきました。
「何かが違う…」
そう感じながら臨床に入ることは非常にしんどかったです。

臨床は、患者さんを知ることから始まります。

患者さんの一挙一動を見逃さないように念入りに観察し、気付いた点を分析していく為に評価を実施する。
これを臨床の中で繰り返し患者さんを知っていきます。
実際の介入の中でも、観察は常に行い、必要であれば評価や検査を実施します。

これは、ある症例検討にて先輩セラピストが言っていた言葉が影響しています。
新人セラピストが担当していた患者さんについて発表していると、質問に窮してしまいました。
その時、その患者さんに代診(担当のセラピストが休みの時に、代わりのセラピストが介入すること)で介入した事のある先輩が質問に回答しました。
すると、この代診に入った人とは別のセラピストが
「この患者さんの担当は○○でしょ?誰よりもその患者さんのことを理解していないとリハビリは出来ない。」
と言っていました。
これは、非常に刺さりました。
その通りです。
患者さんの理解の深さに経験年数は関係ありません。
どれくらい知ろうとしたのか?が大切です。

このように、今のリハビリの現場には手技や理論などのHow toが浸透しすぎています。
もっと初心に戻り、なぜそう動くのか(Why)を突き詰めて考えていくことが必要です。
この風を起こしていきたい…
この気持ちを持って臨床に向かっています。

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