ロジカルリハビリテーション

こちらのページでは、セミナーや症例検討会などを通してどんな臨床を目指しているのかについて書いていきます。
この目指している臨床に必要な知識や技術、考えた方のが得られるようにセミナーを開催していますので興味をお持ちいただいている方はぜひご覧ください。

一人一人の患者さんに合った臨床

患者は同じ疾患、年齢、性別であっても一人一人全然違います。その為、患者さんの特徴をしっかりと捉えて、一人一人適切なリハビリテーションを行っていくことが求められます。
よって、患者の特徴とは何なのか?その特徴を捉えようとしている自分の特徴は何なのか?を【癖】として知ることで分かりやすく臨床を行っていけるようにしました。

一方で、エビデンスが重要視されている今のリハビリテーションにおいて、根拠のない介入をするのは避けたいところです。これは患者のためにも言えることです。エビデンスを意識して論文を参考にする時には、【この患者にはこの論文を参考にして良いのか?】が非常に重要です。最初に書いた通り、患者は一人一人違うので、疾患だけでは参考に出来ないことがたくさんあります。

これらを考えて、根拠のある患者さん一人一人にあった臨床が出来るように、ロジカル思考を用いた【ロジカルリハビリテーション】をプロリハ研究サロンでは目指しています。

みんなにある認知の癖

我々人は、今まで生きてきた【経験】から得た【記憶】をもとに、環境や自分、他者のことを認知していきます。

・今読んでいる文字は日本語だ
・りんごは甘くて噛むとシャリっとする
・このタオルは今まで一番ふんわりしている
・この肉は大きい

これらは全て無意識のうちに<今の感覚と今までの記憶とを比較した>結果です。
このことを認知と呼びます
認知は今まで経験したことや記憶に依存しているため一人一人異なります。例えば、「猫」という単語からイメージとして浮かぶ「猫」は黒かったり小さかったりする感じです。

またこの認知は、思考にも大きな影響を与えていきます。ネガティブ思考の人、ポジティブ思考の人がいるように、ある出来事に対する意味付けは、今までの【経験(=記憶)】によって作られていきます。

この一人一人違う認知を、私は【認知の癖】と呼んでいます。

患者の認知の癖を捉えることでしっかりと特徴を捉えることが出来て、その患者に合った臨床を行うことが出来ます。

患者の認知の癖

疾患や怪我など何かしらの問題を抱えている患者は、この認知の癖によって様々な問題が生じます。

・今まで生きてきた経験に基づく認知の癖
・脳血管疾患や慢性疼痛など、脳や身体に問題が生じたことによりみられる認知の癖

この2つの癖が、混在している状態でリハビリテーションが行われます。脳卒中後に生じる高次脳機能障害は、様々なことを認知していく過程に問題が生じている状態です。空間を正確に認知できない半側空間無視、行為に必要なことを認知出来ない失行症と言ったようにです。

ご病気やけがをした後の<今の>脳で、安全かつ効率的にまた意図した通りに行為を遂行するために、何をどう認知いく必要があるのかを考えることが、高次脳機能障害を有する患者さんの臨床では重要です。その為、観察や評価が非常に大切になります。

しかし、従来の評価や検査だけでは患者の認知を理解するには十分ではありません。新しい視点で観察し、情報を収集していく事が求められます。

ロジカルリハビリテーション

ここまで書いてきた認知の癖の捉えたり、臨床へいかしたりするためにロジカル思考を取り入れています。自分がどうしてそう思ったのか?を言語化することで誰もが納得できる思考が出来るようになります。このロジカルリハビリテーションの最大のメリットは、論文を目の前の患者に適した方法で活かせることです。
どうしてその論文なのか?が明確なので、自分の臨床が自己満になりません。自分がいまどんな臨床をしているのか見直すことも大切です。

 患者に癖があるように、セラピストにも当然癖があります。

・患者を観察した時に、着眼する点
・観察や評価から得られた情報から患者を分析していく思考
・分析内容から訓練を考えていく思考
などなど

この他にも、その人らしい臨床像というのは存在しています。
セラピストと患者について話していると、「またその話か…」と思った事ありませんか?
ですが、話している本人は気付いていません。

この癖に気付かずに臨床を行っていると、改善が難しい患者や苦手な患者が存在してしまいます。
この状態で新しい知識を入れても、癖によって自分なりの解釈になり結局いつも通りの臨床になってしまいます。

このループを脱するためには、【自分の認知の癖を知った上で知識を得ていく】事が大切です。

自分の強みは何か、いつもどのような思考をしているのかを知ることで、本当に必要な知識や新しい思考が出来るようになります。
その為には、臨床についての学びと同じ志向性を持つ仲間が必要です。私の臨床の核は、自分に適した学習です。

ぜひ一緒に自分だけの臨床を目指していきましょう!!