代償運動のほんとうのところ

お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営しております、理学療法士の唐沢彰太です。

脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患のあと、【代償運動】が生じます。
脳血管疾患を患われた方のリハビリに携わる、PT/OT/STの方であれば「どうしてそんな動き方するんだろう?」と思われたことがあるのではないでしょうか?

今回は、この代償運動について書いていきたいと思います!

代償運動ってなに?

脳血管疾患後では、様々な問題が生じます。
このような問題のほとんどが代償運動に関与してくると考えています。
具体的には、

  1. 運動麻痺
  2. 感覚麻痺
  3. 高次脳機能障害

の3つです。
高次脳機能障害には、失行症や注意障害など、運動障害を引き起こす可能性がある現象が含まれています。

これらが混在し、いろいろな悪影響を及ぼすことで代償運動が引き起こされています。

代償運動って良くないの?

では、代償運動は患者さんにとっては良くないのでしょうか?
答えは【ケースバイケース】です。(ずるいですね)

脳卒中後のリハビリにおいては、動作獲得が重要な要素になります。
その中で、代償的に動作を獲得する場合も多くあり、問題は代償が出ているかではなく動作が出来ているかどうかということもあるということです。

一方で、代償動作は一種の「運動学習」と考えることもできます。
通常運動学習は、動作を【効率的】に遂行できるようになる過程です。
ですが、代償的に行われる動作は非効率的なことが多く、患者さんにとっては動作を行うことが大変です。
加えて、代償が含まれている動作を長期的に行っていると、体に負担が大きくかかってしまいます。
その結果、代償運動によって未来痛みが生じたり、関節に問題が生じたりする可能性があります。

よって、出来る限り代償動作がない状態で動作を遂行可能になることは、とても大切です。

ある患者さんのお話し

なぜ代償が生じるのか?に話を戻したいと思います。
脳神経系的に、代償が生じる原因はある程度説明出来ますが、そこはまた今度にして…
先日、ある患者さんと代償運動についてお話していたときの話です。

私:○○さんは動かしにくい時の足を前に出す時に、骨盤を引き上げていますね。
患者さん:そうなんですよね…わかってはいるんですが、腰のあたりに力を入れると【すっと】足が出るから楽なんですよね。

この話を聞いて、代償運動に対する見方が私の中で180度変わりました。
なんとか動かしていると思っていた代償運動が、本人にとっては楽に動こうとした結果であることもあることを知れたこの話は、私にとっては棚から牡丹餅でした。

セラピストが、「こうじゃないかな?」と思っていても、患者さん本人はそう思っていないかもしれません。
患者さんとのコミュニケーションは凄く大切です。

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