触覚ってどこまで評価すれば良いの?

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本サロンを運営しています、理学療法士の唐沢彰太です(自己紹介はこちらから→唐沢彰太って誰?です。

脳血管疾患だけではなく、骨折などによっても問題が生じる触覚ですが、その評価方法は意外と多く「これ!」というものが見つかりにくいんです。

そこで今回は、触覚の行為の中での役割ひょうかをを考えて、触覚で「ここだけはおさえたい」評価を整理していきたいと思います!!

触覚って何に使われるの?

触覚と言えばまず思い浮かぶのが、【手触り】ではないでしょうか?
<さらさら><つるつる><ぶつぶつ>
など、触れている物の手触りを教えてくれる感覚が触覚です。

実は行為において、もっと大切なことを教えてくれる感覚が2つあります。

  1. 摩擦

この2つです。

そもそも触覚は行為の中でどう使われているのでしょうか?
例えば、コップを持つ時の1連の流れを書いてみます。

  1. コップを見る:コップの位置を把握し、コップの硬さや重さを予測して握る力をプログラムする。
  2. コップに手を伸ばす
  3. 予測したプログラムを元に握る
  4. 触覚の情報から予測通りの硬さ、手触りなのかを答え合わせをする

触覚の重要な役割は4の答え合わせにあります。
つまり、予想通りの【コップ】なのか?ということです。
実際、触れてからコップの手触りなどを知ろうとしても遅いんですね。
いつも使っているコップをいつも通り持とうとしたら、洗剤が残っていてぬるぬるしたらびっくりしますよね?
これは、予測した触覚と実際に触れたときの感覚が違ったからです。

このような使われ方をしている触覚の中でも、先ほど挙げた圧と摩擦は特に大切です。
手の触覚では、握る力をコントロールするために圧と摩擦が必要です。
足底では、荷重していく時にバランスを取るために圧と摩擦が必要です。

では、触覚はどう評価していけば良いのかを書いていきたいと思います。

触覚(摩擦/圧)の評価の方法

では早速触覚の評価方法を考えて行きます。

以前書いた運動覚の評価(運動覚ってどうやって評価するの?)のように、項目を書いていきたいと思います。
また、これらは手指/手掌/足底など部位別に行っていきますが、目標としている動作/行為に紐づいて部位を決定していくことをお勧めします。

触覚の評価を進めていく時に、重要な点は【自分の体に注意するのか、触れている物に注意するのか】です。
これは、それぞれ必要な能力が異なり、感覚に差が出る可能性が高いためです。
ですので、それぞれ分けて整理していきます。

<自分の体に注意する>

  • 触れているのがわかるか
  • 触れている場所
  • 触れられている強さの違い

<触れている物に注意する>

  • 触れている物の硬さ
  • 物の触感/肌ざわり
  • 物のどこに触れているか

以上にあげた項目を網羅すれば、触覚の状態を把握することが出来るはずです。

これら2つの注意を使い分け、行為の中でどう使われているかを観察/分析していく作業が必要です。

もし細かいやり方や意味を知りたい人はぜひサロンにご入会下さい!!
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運動覚ってどうやって評価するの?

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私が学生だった頃から、評価項目の中に当たり前のように入っていた【深部感覚検査】ですが、その本当の目的と結果の活用方法については教えてもらえませんでした。

深部感覚には、

  • 運動覚
  • 位置覚

の2つがあり、特に運動覚は非常に重要な検査結果で、多くの情報を得られる検査です。

そこで今回は、深部感覚のうち特に得られる情報量が多い【運動覚】について整理していきたいと思います!

運動覚検査の方法

さて、運動覚の検査ですが私が学生の時に習った方法は、上下肢の母指を動かして行う方法です。

  1. 動いたと思ったら教えてください
  2. 動いた方向を教えてください

の2つを聞いていく形でした。

ここで私が疑問に思ったのは、「どうして母指なんだろう…?」です。
実際に理学療法士になって働いていくと、母指だけでは足りないと思うことは多くあり、方法を工夫していく必要を感じていました。

このような過程を経て、今私が行っている運動覚の検査を示していきます。

  1. 動いているのがわかるか
  2. どの関節が動いているのか
  3. どの方向に動いているのか
  4. どれくらい動いたのか
  5. どれくらいの速度で動いたのか

これら5つの質問をベースに評価を行っていきます。
1~5に関しては、難易度が異なっていますが、1が分からないのに5はわかる場合もあります。

運動覚には、注意や身体表象、イメージなど様々な高次脳機能が関与しています。その為、運動覚の検査と言っても、運動覚に関わる何を評価しているのかを意識して行う必要があります。

2のどの関節なのかを問う評価では、空間処理を求めているし、5の速度を問う評価では筋緊張が影響してきます。
運動覚は、非常に高度な処理が行われている感覚なんです。

では、運動覚がどうして不思議な感覚なのかについて書いていきたいと思います。

運動覚は視覚イメージに集約される?

突然ですが、目を閉じた状態で、左手で右手を持って肘を曲げてみてください。
この時、「肘が曲がったり伸びたりしてる!!」と感じた人はいますでしょうか?
もしいたとしたら、その方は人間の体について勉強している人だと思います。
つまり、理学療法士や作業療法士、整体師などの方々になります。

なぜか…?
関節の運動の理解は、持っている知識が大きく手助けしています。
先ほどの肘の運動は、感覚的には手が顔に近付いたり遠ざかったりしている感じではないでしょうか?

また人によっては、リアルタイムにイメージできる方もいると思います。

そうなんです。
運動覚は、
肘が動いているリアルな感覚
ではなく、
肘が動いた結果身体の位置関係がどう変化したかを教えてくれる感覚
と言い換えることが出来ます。

これは、肘を曲げるという意図を持った状態で【自分で曲げる】時は、「肘を曲げるんだ!」という意識がある為肘が動いているというリアルな感覚になります。
一方で、他動的に動かされる時には、「肘を曲げるんだ!」という意識がない中で運動覚が生じるため、手が自分の顔に近付いてくる(位置が変化する)というものになります。
加えると、視覚的なイメージ、つまり動いているのを見ているかのような映像が目を閉じていても浮かんでくるという特徴も持っています。

そうなると、運動覚の検査をすでに書いたような5つの項目を中心に行ったうえで、

  1. 言語で動いている関節を説明できるのか
  2. 肘が曲がると手が近付くという関係性が理解できるのか
  3. 移動している身体部位(肘を曲げる時は手部)、動いている関節それぞれに注意が向くのか
  4. これらが視覚的にイメージ出来るのか

などなどこれらを意識して評価を進めていく必要があります。

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