リハビリの「当たり前」は本当に当たり前なの?

皆さんこんにちは!理学療法士の唐沢彰太です。

私が学生の頃から感じていたのですが、リハビリの臨床の中には「当たり前」なことがたくさんあります。

この当たり前は、それが【正しいのかどうか】、また【なぜそうなるのか】の疑問を挟む余地がないほどに、当たり前化しています。

例えば、脳出血や脳梗塞を発症すると、高頻度で【内反】という現象が麻痺している側の足首に生じます。
これは、理学療法士や作業療法士などのリハビリに携わるセラピストであれば、何の疑問もないのではないでしょうか?

では、ここであえて疑問を挙げてみます。

  1. なぜ足首なのか
  2. なぜ尖足(足首が下がってしまう現象)と同時に起こる人とそうでない人がいるのか
  3. なぜ内反が生じる人と生じない人がいるのか
  4. そもそもなぜ内反は生じるのか

言われてみれば…と思う人や、そんなの…と答えられる人もいると思います。
ですが、私は今までこれらの疑問に正確に応えられた人に、片手で数えられるくらいしか出会ったことがありません。
つまり、それくらい

脳血管疾患⇒内反

の構造が当たり前すぎて、そこに「なぜ」が入りこむ余地が本当にないのです。さらに厄介なことに、原因が書いてある本が本当に少ない…これは高次脳機能障害での訓練の方法が書いていないのと同様です。

内反に限らずですが、原因が正確にわかっていないのに、正しい訓練やリハビリが提供できるのでしょうか?
ここの原因を追究していく為の臨床思考がセラピストには求められています。