脳の右半球と左半球は結局どう違うの?

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本サロンを運営しています、理学療法士の唐沢彰太です(自己紹介はこちらから→唐沢彰太って誰?

脳の大脳皮質は左右で分かれており、機能が異なっている…。
左半球が言語で右半球は空間。

ここまではご存知の方は多いと思いますが、結局どう違うの?具体的には?と悩まれている方も多いと思います。
そこで今回は、本を読んでも分かりにくい部分を、私が経験した1000人弱の右半球損傷と左半球損傷の患者さんを中心に書いていきたいと思います!

右半球損傷と左半球損傷は全く別の病気

脳の右半球と左半球の違いを知る時に、最も役立つのは脳血管損傷です。
つまり、右半球損傷と左半球損傷のそれぞれの患者さんの特徴を捉えて、比較することでたくさんのことが見えてきます。

こういう時の比較は、違いが見えてくるのと同時に、共通点も見えてきます。
例えば、皮質脊髄路の損傷で運動麻痺が生じることなどが共通点です。
この共通している病態や特徴は、左右の脳で大きな機能の差がないことを教えてくれます。

一方で、比較することで見えてくる違いは非常に多く、同じ脳卒中でも左と右どちらの半球を損傷したのかによって全く異なる疾患になっていきます。
ここで重要なのは、血管が詰まる、血管が破れるなどは共通しているけど、後遺症が異なっているという点です。
「左右どちらの脳の」
「どの領域を」
「どれくらいの範囲」
障害されたのかによって、見られる症状が決まってきます。

例えば、頭頂葉を損傷すると次のような症状が見られます。(図1)

図1 頭頂葉損傷による高次脳機能障害の一例

これらを見ると、左半球は言語で、右半球は空間なことが分かります。

では、高次脳機能障害以外で左半球と右半球の違いは生じるのでしょうか?
私の経験が中心にはなりますが、皆さんの臨床と照らし合わせながら読んでみて下さい。

体幹はどこよりも高次脳機能をあらわす

左半球損傷と右半球損傷で、私が最も違いを感じるうちの1つが「体幹」です。
全ての行為の軸となる体幹ですが、その機能の中心は「正中性」です。
つまり、左右対称に保持することが出来る機能です。
安定して楽に座る/立つためには必須の能力です。

この体幹の機能は、左右の半球どちらの損傷をしたのかで大きな違いを見せます。

  • 左半球損傷:硬く回旋がしにくい
  • 右半球損傷;左右どちらか一側がつぶれ非対称

半球間の機能は、それまでの経験や個人差が多いため全員ではありませんが、患者さんの多くがこの傾向がみられています。
理由は定かではありませんが、実際にこのような傾向はあり、空間性の欠如の問題、下行性線維の左右差の問題などいくつかありますが、まだ仮説の段階です。

このように、高次脳機能障害のような特徴的なものから、身体的または感覚的な機能まで、左右半球で違いがみられています。

ぜひ、リハビリを行っていく上での新しい視点としてご活用ください。

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PT/OT/STが3年目までにやっておきたいこと

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さて、今年度も早いものでもう5月になりました。
4月からPTやOT、STになり働き始めた方も、仕事に少しずつ慣れてきたころではないでしょうか?

また、初めて後輩が出来た方も、新人の方の性格や特徴が見えてきたころではないかと思います。

そこで今回は、セラピスト3年目までにやっておきたいことを書いていきたいと思います。
あくまで、【理想は】なので、3年目以降の方もぜひ参考にしてください!

仕事に慣れる1年目

大学生や専門学生から新社会人として入職した方は特に、まずは仕事に慣れることが最優先ですよね。
1日の流れ、1週間の流れ、1か月の流れ…この時期ではこれらを経験出来ていると思います。

加えて、社会人としての振る舞いも学んでいく必要があります。
いわゆる【ビジネスマナー】ですが、私を含めて多くの医療職現場では教わる機会の少ない部分だと思います。
例えば、電話対応やメール対応です。
医療職において、患者さんのご家族や他の職種の方への電話はかかせません。
そんな中で、どんな切り出し方、言葉遣い、会話内容が適切なのかはとても大切だと思いませんか?

またメール対応は、上司へのメールの文面が基本的ですが、現在私が勤務している職場の後輩が、正しくメールを扱える状態で入職する割合は1割未満です。
つまり、非常識なメールを無意識でしてしまっているとても怖い状況ですね…。

職場で教えてくれる方はぜひしっかりと学んでおくことをお勧めします。
もしカリキュラムになければ、自分で本を読んだりセミナーに参加したりと早めに身に付けておくと、今後とても役に立つと思います。
今のご時世、Face to Faceではなくオンラインでのやり取りが中心になってきています。
つまり第1印象はオンラインでつく時代です
電話やメールでのやり取りで良い印象が付くのであれば、絶対に身に付けておくべきスキルです。

外に出始める2・3年目

職場の雰囲気や仕事に慣れてきたら、セラピストとしての勉強を本格的に開始していきましょう。
1年目から開始できれば良いですが、やっぱり仕事に慣れるのが思っている以上に大変かと思います。
ですので、決して2年目からでも遅くないのでゆっくり始めて見てください。

ここで疑問になるのが、   
「何から始めたら良いの?」
ですね。ここでは3つあげていきます。

  1. 職場の勉強会に参加する
  2. 自分の担当患者さんに関する勉強をしてみる
  3. 興味のある分野の外部勉強会に参加してみる

1、職場の勉強会に参加する

入職した職場で勉強会が開催されているのなら、まずはどんなテーマでも参加してみましょう。
まずは勉強会の雰囲気慣れが必要です。また先輩の意外な一面を知れるかもしれないので積極的に参加してみてください。
また、自分が知りたいテーマについて先輩にリクエストしてみるのも良いと思います。

2,自分の担当患者さんに関する内容

今後、継続的に勉強していくためにはこの方法は遅かれ早かれ身に付けておく必要があります。

なぜか…?

臨床現場にいるセラピストは、患者さんを改善に導いていくために勉強するからです。
大腿骨頸部骨折の方を担当しているのなら、痛みにについて。
脳血管疾患の方を担当しているのなら、脳科学や神経系について。
また、臨床そのものについてなら臨床心理学など。

このように、臨床は多くの学問から形作られています。
今患者さんは何に悩んでるのか?ここをベースに勉強を進めていきます。

3,自分の興味のある分野の外部の勉強会に参加してみる

もうすでに学びたいことが決まっている人は、どんどん外部の勉強会に参加していくことをお勧めします。
外部のセラピストと話したり、スペシャリストの話を聞くことは財産になりますからね。

また、学ぶことがやっぱりわからない、職場以外でも学ぶ場が欲しいなど悩まれている人は、ぜひプロリハ研究サロンへご参加ください!
2年目の人から10年を超える経験年数の方がいる本サロンでは、多くのスペシャリストの話が聞けます。

5年後10年後を見据えて、今行動していきましょう!!

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慢性痛のABC

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本サロンを運営しております、理学療法士の唐沢彰太です。
日本において、痛みは社会問題で二人に一人が何らかの痛みを抱えているとされています。
リハビリテーションにおいても、痛みを持つ患者さんには高頻度で出会い、痛みに適切に対応出来ることが非常に重要です。

そこで今回は、慢性痛に関する簡単な説明と、介入の進め方について書いていきたいと思います。
(本内容は、サロンで行っているセミナーの内容を要約したものです!)

痛みは情動的体験

国際疼痛学会によれば、痛みは情動体験とされています。
つまり、ただ痛いという感覚ではなく、同時に情動的体験を伴っていて、心理的な側面も考えて行く必要があります。

例えば、慢性痛を持っている人がマッサージを求める理由がこの心理的な側面にあたります。

「マッサージの後は楽になるけどすぐに戻る」

これは、実際に慢性痛の方がマッサージを受けた後に良く言われる言葉ですが、それでもマッサージを継続的に「受けたい」人は多くいます。
マッサージは、気持ちい良いという心理的な要素を多く含んでいます。
つまり、【リラクセーション効果】になると思いますが、慢性痛をお持ちの方は心理的なストレスを常に抱えているため、このリラックスを求めてマッサージを受けることが考えられます。

一方で、情動的体験であることは、様々な認知を引き起こします。
動きたくない、動いたら痛みが強くなるんじゃないか、痛いのは自分のせいだ…など、特有の認知によって慢性痛を更に悪化させていく可能性があります。

よって、痛みを持つ方とリハビリを進めていく時には、

  • 機能的に改善を目的とするプログラム
  • 心理的なサポートを目的とするプログラム
  • 認知的な改変を目的とするプログラム

の少なくても3つの内容が含まれなければなりません。

トータルアプローチとしてのリハビリテーション

ここまで書いてきた通り、慢性痛は患者さんにいろいろな影響を及ぼし、反対に心理的な問題や認知的な問題は慢性痛を引き起こす可能性が考えられます。

実際に痛みが生じているのは身体で、身体に問題があると考えるのは普通だと思います。
そこに、【あなたは身体ではなく、心理面に問題があります】と言われても、なかなか受け入れられる事ではないですよね。

よって、痛みの中でも特に慢性痛を持つ方とリハビリを行っていく時には、

  1. あなたの痛みと一緒に向き合いますという姿勢を必ず持つ
  2. 身体的な問題は、2次的なものを含めて必ずある為、評価を実施する
  3. 心理的・認知的な問題に対する評価を実施して、【身体の問題と心理的/認知的な問題もあるかもしれない】という可能性を示す

これらすべてを網羅していくのが理想です。
ただ、患者さんによってどの問題が最も痛みと関連しているのかが異なるため、実際は優先順位を決めて行っていくことになります。

痛みは個人的な経験です。
まずは、患者さんの痛みを理解して、心理的な背景などを少しずつ共感していくことが大切です。

また、投薬などの治療と併せてリハビリを行っていく事も大切であるため、医師と連携して進めていくことも重要です。

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代償運動のほんとうのところ

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脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患のあと、【代償運動】が生じます。
脳血管疾患を患われた方のリハビリに携わる、PT/OT/STの方であれば「どうしてそんな動き方するんだろう?」と思われたことがあるのではないでしょうか?

今回は、この代償運動について書いていきたいと思います!

代償運動ってなに?

脳血管疾患後では、様々な問題が生じます。
このような問題のほとんどが代償運動に関与してくると考えています。
具体的には、

  1. 運動麻痺
  2. 感覚麻痺
  3. 高次脳機能障害

の3つです。
高次脳機能障害には、失行症や注意障害など、運動障害を引き起こす可能性がある現象が含まれています。

これらが混在し、いろいろな悪影響を及ぼすことで代償運動が引き起こされています。

代償運動って良くないの?

では、代償運動は患者さんにとっては良くないのでしょうか?
答えは【ケースバイケース】です。(ずるいですね)

脳卒中後のリハビリにおいては、動作獲得が重要な要素になります。
その中で、代償的に動作を獲得する場合も多くあり、問題は代償が出ているかではなく動作が出来ているかどうかということもあるということです。

一方で、代償動作は一種の「運動学習」と考えることもできます。
通常運動学習は、動作を【効率的】に遂行できるようになる過程です。
ですが、代償的に行われる動作は非効率的なことが多く、患者さんにとっては動作を行うことが大変です。
加えて、代償が含まれている動作を長期的に行っていると、体に負担が大きくかかってしまいます。
その結果、代償運動によって未来痛みが生じたり、関節に問題が生じたりする可能性があります。

よって、出来る限り代償動作がない状態で動作を遂行可能になることは、とても大切です。

ある患者さんのお話し

なぜ代償が生じるのか?に話を戻したいと思います。

脳神経系的に、代償が生じる原因はある程度説明出来ますが、そこはまた今度にして…

先日、ある患者さんと代償運動についてお話していたときの話です。

私:○○さんは動かしにくい時の足を前に出す時に、骨盤を引き上げていますね。
患者さん:そうなんですよね…わかってはいるんですが、腰のあたりに力を入れると【すっと】足が出るから楽なんですよね。

この話を聞いて、代償運動に対する見方が私の中で180度変わりました。
なんとか動かしていると思っていた代償運動が、本人にとっては楽に動こうとした結果であることもあることを知れたこの話は、私にとっては棚から牡丹餅でした。

セラピストが、「こうじゃないかな?」と思っていても、患者さん本人はそう思っていないかもしれません。
患者さんとのコミュニケーションは凄く大切です。

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関節を動かす時の触れ方と動かし方

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病院や施設などの現場で働かれている皆さんは、関節可動域訓練(Range of motion exercise:以下ROMex)を行われていると思います。
このROMexですが、実はものすごく技術が必要なこと知っていますか?
自分が計測した角度より、先輩が行った角度の方が10度も大きかったなどの経験はありますでしょうか。

今回は、そんなROMexについて書いていきたいと思います。

その触れ方・動かし方で大丈夫??

人の体に200以上ある関節は、1つ1つ形や大きさが異なっています。
それは体重を支える、細かな作業を行うなど目的が異なっていることが大きく影響しています。
また、関節をまたいでいる筋も関節の動きに大きな影響を与えています。
例えば、肩関節と股関節はどちらも球関節で、多軸に動ける特徴を持っていますが、股関節は荷重の役割を持っており、肩関節は股関節よりも不安定ですが大きな可動域を持っています。

これらを考えると、同じ関節の構造(球関節、蝶番関節、らせん関節など)をしていても、関節構成要素(腱板など)によって全く異なる関節であり、加えて筋によってさらに複雑な構造を持っていることが分かります。

これらすべてを頭に入れて患者さんの体に触れて、動かさなければ関節を痛めたり、緊張が入ってしまったりとネガティブなことが起こりえます。

学生の頃、骨標本を見ながら学生同士で関節を動かした記憶があるのではないでしょうか。
もっとも基本的なところは、動いている時の骨同士の位置関係です。

滑りと転がりです。

どっちの骨が固定されて、どっちの骨が動いているのか?
その動きの中で、滑りと転がりは適切か?
これらを動かしながら考えなければいけません。

これらに加えて、筋の伸張性によって関節の軸がズレていないか?
抵抗を感じないか?
も考えなければなりません。

そうなんです。
患者さんの体を「動かす」時には、同時に「感じる」必要があるのです。

動かすための触れ方と動かし方。
感じるための触れ方と動かし方。

これら2つは文字にすると似ていますが、実際にやられてみるとやられている側の感じ方が全く違います。

皆さんは、何のために触れて動かしていますか?

1cm違うだけでこんなに変わる

関節の中でも、肩関節と股関節については動かし方が本当に難しいです。
肩関節は肩甲骨、股関節は骨盤が関与しており、肩関節に至っては関与する関節が5つ以上あります。

こんな難しい関節ですが、少しポイントをおさえるとものすごく動かし方が上手くなります。
股関節では、背臥位で股関節を屈曲する時に、動き始めに骨盤が後傾し始める方がほとんどです。
ですが、股関節の内外転、内外旋の角度をミリ単位で変化させて屈曲すると骨盤が後傾しないポジションがあります。
ここのポジションから股関節を屈曲すると、たった1回の屈曲で股関節が見違えます。
(文字にすると難しいですね(笑))

股関節にポイントがあるように、全関節にポイントが存在します。
これらを知っていると、関節可動域訓練が楽しくてしようがないプログラムになります。

もちろんこの後学習を考慮した介入は必須ですが、まずは患者さんの心をつかむテクニックとして覚えてみてはいかがでしょうか?

プロリハ研究サロンでは、このような技術もお教えしています!!

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機能だけじゃだめだよ。だけど…

お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営している、理学療法士の唐沢彰太です。

私も理学療法士になって10年が経過しました。
10年間とにかく患者さんの改善を突き詰めて勉強し、実際の臨床で患者さんと向き合ってきました。

その中で、改善を突き詰めてきたからこそ、足りない部分に気付いてきています。
今回は、

【リハビリテーション】

について、書いていきたいと思います。
まだ経験の浅い理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の方にぜひ読んでいただいと思います!!

機能改善だけでは足りないけど…

理学療法士になって1年目からずっと思っていたことは、自分のリハビリで一人でも多くの患者さんを改善することでした。
これは今でも変わっていません。
それくらい、回復期から今の保険外リハビリまで

患者さんを良くするためには?

を考えていました。
そんな考えを持っている中、前の職場の同僚からある人ことを言われました。

【機能だけじゃだめだよ】

言われたその時は悔しいやらムカつくやら思っていましたが、その後もその言葉はずっと心の片隅に残っていました。

この言葉は考えれば考えるほど深い言葉です。
リハビリテーションは包括的アプローチであり、患者さんの機能だけではなく生活や環境など様々なことまで考える必要があります。
また精神面や心理面も介入の対象で、がつがつ改善を求めている人ばかりではないんです。

ただ、この10年間(まだ10年ですが)改善を突き詰めてきたからこそ、この機能だけじゃだめだよに対する答えが見つかりました。

それは…

改善を目指し患者さんに変化をもたらせるからこそ

【機能だけじゃだめだよ】

と言える

これです。
リハビリテーションは、時期や対象などによって目的や役割が異なっているので一概に言えないのは承知しています。
ですが、少なくても回復期に入院されることの多い、下肢の骨折や脳血管疾患の患者さんに対してリハビリを提供するセラピストは、改善を目指すことが必須だと思っています。
目の前の患者さんの痛みを改善し楽になって欲しい、歩けるようになって生活して欲しい。
この目標を達成するために、勉強し知識技術を向上していくことが務めだと思っています。

機能を変化することを突き詰めて、もっと患者さんのことを考えていくと、機能だけだと足りないことに気付きました。
これは、患者さんの声に耳を傾け、生活まで視野を広げて【実感】しました。
ここで初めて、【機能だけじゃだめ】ということに気付き、反対に【機能をつねに考えていないとだめだ】ということにも気付きました。

皆さんにとってリハビリテーションとはなんですか?
臨床で患者さんと関わるこの枠組みが、私にとってのリハビリテーションです。

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私が思考の道筋を言語化する理由~ロジカルシンキング~

お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営している、理学療法士の唐沢彰太です。

皆さんは、
「ロジカルシンキング」
って聞いたことありますか?

和訳では、「論理的思考」と言いますが、良く引き合いに出されるのは、演繹法と帰納法です。
学生の頃、哲学などの授業で聞いたことがあると思いますが、その内容まで覚えているかと言われると…。

そこで!今回は、私が臨床で実践しているロジカルシンキングについて書いていきたいと思います!

ロジックとは道筋である

ロジックと聞くとなんとなく敬遠しがちですが、簡単に言えば道筋です。
どうしてその結論に至ったのか?
その結論までの道筋を言葉で表したものがロジックです。

学生の時の症例発表や先輩との臨床に関するディスカッション、後輩に質問された時の回答など、実は様々な場面で知らず知らずのうちに活用していると思います。
具体的に言うと、観察から分析をして問題点を抽出、その問題点と動作の関係を考えて介入を決定していく。
この流れの中で、

  • どうしてそこに着目したのか?
  • どうしてそこが問題だと思ったのか?
  • 動作とその問題点がどうしてつながっていると思ったのか?
  • その介入にした理由は何か?

など、いくつかの点で言葉で説明しなければならない点が存在します。
つまり、自分の思考を時間軸に沿って説明していくことこそが、ロジカルシンキングに直結します。

なぜロジックが大切なのか?

ここまでで、ロジカルシンキングがリハビリの臨床ととても近いところにあること、ロジカルが道筋であることが少しお分かりいただけたと思います。

ではここで、
なぜロジックが大切なのか?
について触れていきたいと思います。
ここでは大きく3つについて書いていきます。

1,エビデンスベースの臨床が求められている

効果が不確かな中、職人技のように行われてきたリハビリですが、医学の領域と同様にエビデンスが求められてきています。
つまり、行っている介入が妥当かどうかですね。
この風潮の中で、「なんとなく」という雰囲気で様々な決定が行われやすい臨床は生き残れない可能性が出てきています。

どうしてそこが問題なのか?…先輩が言っていたから。
どうしてその介入をしたのか?…本に書いてあったから。

これではダメということです。自分の言葉で、そう考えた道筋を表し、それが何かしらに基づいていなければならないのです。
そのためには、臨床にロジックを持ち込んでいく必要があるということです。

2,患者さん・利用者さんへの説明と能動的なリハビリ

私が今勤務している保険外リハビリの領域では、利用者さんの今の身体状況や高次脳機能障害など、様々なことについて本人に説明していきます。
モチベーションが高く、本人が知りたがっているからというのはもちろんありますが、理由はもう1つあります。

保険外では期限がなく、本人が通い続けられれば半永久的に通うことが出来ます。
だからこそ、リハビリからの卒業について本人と丁寧に話していく必要があります。
そのためには、自分で問題と向き合い解決していく力が必要です。

この能力を獲得していくためには、自分の身体や行為を出来るだけ正確に知り、捉えられなければなりません。
このことを手助けするためにも、患者さんに出来るだけわかりやすく、私たちセラピストの考えを伝えていく能力が必要です。

そのツールとして、ロジカルシンキングが役に立ってきます。

3,他セラピストとのディスカッションツール

自分が休みの時に代わりにリハビリに入ってもらう時や、先輩への質問、後輩からの相談への回答など、セラピストへ説明する機会は多くあります。
その中で、このロジカルシンキングはとても役に立ちます。

それだけではありません。
自分の思考をまとめることは、アウトプットにもなり、自分の成長にも直結します。

臨床でロジカルシンキングを実践していくために

このように、リハビリの臨床の中でロジカルシンキングを実践していくことは、多くのメリットを生み出します。

実際どういう感じなのか?
どうやっていったら良いのか?

など素朴な疑問が出てくると思います。
私のblogを読んでいただけると、ロジカルシンキングの雰囲気がむんむん出ているので感じていただけるかと思います。

実際にみてみたい!
という方は、是非ご連絡ください。
症例発表が一番わかりやすいと思いますのでご招待いたします!!

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筋緊張を整理しよう!

お読みいただいている皆さんありがとうございます。
寒暖差が激しく疲労が抜けない理学療法士の唐沢彰太です。

理学療法士・作業療法士(セラピスト)の方と話していると、結構頻繁に【筋緊張】という言葉をよく聞きます。

皆さんもよく聞いたり、言ったりしていませんか?

そこで今回は、そんなよく使うけどあまりよく分からない筋緊張について、骨折後と脳卒中後で具体例を挙げながら、整理していきたいと思います。

 

筋緊張ってそういうものなの?

例えば、私が以前いた回復期での臨床では、最初の20分~30分でリラクゼーションという名のマッサージやストレッチをほとんどのセラピストが行っていました。

入職して間もない私は当然疑問に思ったので聞いてみたところ…
「緊張が高くなっているから、正常化してから介入したほうが良い」
と説明されました。

「でも、臥位でリラックスしても起きたら戻らない…?」
と思ったのを今でも覚えています。

実際皆さんも経験したことがあると思いますが、筋緊張というものは姿勢によって大きく変化します。

安静時筋緊張、動作時筋緊張という言葉があるように、動いていない時と動いた時の筋緊張はことなるんですよね。
もし動いている時に筋緊張が亢進するのであれば、筋緊張が亢進しない動き方を学習してもらう必要があります。

ところで、こんな筋緊張ですが次の現象と混乱しやすいです。

  • 筋の柔軟性の低下(立位で前屈した時のハムストリングスや大腿二頭筋などのツッパリ感)
  • 硬結(血流が悪くなったことによる現象)
  • 持続的収縮による筋の膨隆
私は専門家ではないのであまり詳細は書けませんが、臨床上これらと筋緊張は混乱しやすいです。
そこで、整形外科疾患で生じやすい現象と脳血管疾患で生じやすい現象に分けて書いていきたいと思います。

骨折後の「硬さ」は筋緊張?

骨折の中でも、介入の頻度が高い疾患のうちの1つが大腿骨頸部骨折です。
頚部骨折後は、動作時痛が強く股関節を動かしたくない状態になります。
すると、足を閉じた状態で寝ていたり起きたりするため、股関節内転筋群に持続的な収縮による【硬さ】が生じます。
この硬さがなかなか改善しないんです。
セラピストが股関節を外転しようとすると、内転筋が伸張され痛みも生じる人もいる。

そこで大事なのがこれが筋緊張の亢進なのかどうか?です。
ストレッチやマッサージで【ほぐす】手法が効果的かどうかも含めてですね。

結論から言うと、このケースでは筋緊張よりも防御性収縮と捉えた方が介入がスムーズになると思います。
股関節の動作時痛に対する無意識的な収縮です。
このケースで言えば、足を開いたりするといたいから、閉じた状態でキープしたい!だから常に力んでいる状態です。

そうなると当然血流も悪くなりますし、筋の伸張性も低下(伸びにくい)してしまいます。
この状態でストレッチは激痛ですし、マッサージも一時的に血流の改善はしますがまた戻ってしまうことが多いです。

つまり、筋緊張の亢進ではなく痛みの予測に伴う無意識的な収縮が原因と考えた方が分かりやすいですね。

脳卒中後の関節の硬さは筋緊張?

脳出血・脳梗塞を発症すると、関節を他動的に動かした時に抵抗感を感じる現象が頻発します。
別名ジャックナイフ現象と呼ばれるものですね。

これは伸張反射の異常亢進によるものと考えられていて、筋が急激に伸張された時に生じる伸張反射が敏感になっている状態です。
伸張反射は速度依存的で、早く動かせば動かすほど抵抗感が強くなったり抵抗を感じるタイミングが早くなったりします。

神経系の異常であるため、筋緊張異常の一種として考えることも出来ますが、マッサージでは改善が難しく、効果が出ない場合がほとんどです。
また発症初期では、ストレッチによって伸張反射の亢進を助長する可能性もあって、慎重に行う必要があります。

 

神経系の問題による一次性の問題なのか、その状態が継続したことによる生理学的な二次性の問題なのかを整理して、的確な介入をしたいところです。

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セラピストになった人、初めての先輩になった人へ

お読みいただいている皆さんありがとうございます。
プロリハ研究サロンを運営している理学療法士の唐沢彰太です。

新年度1本目の記事になります!
新社会人の皆さんおめでとうございます。また新しく後輩が出来た方も育成頑張ってください。

そこで今回は、私の後輩育成の心得について書いていきたいと思います。

どんな先輩がいたら嬉しいかをイメージする

私がまだ理学療法士として働き始めて間もない頃、職場にはたくさんの先輩がいました。
先輩にもいろいろな方がおり、勉強している人、教えるのが好きな人、もくもくと仕事をしている人まちまちでした。
どの先輩も当然私より経験があり、学ぶことがたくさんありました。

一方で、反面教師としてみていた先輩がいたことも事実でした。
これは私が生意気だったことももちろんありますが、仕方がないことなのかもしれないとも思います。
皆それぞれリハビリに対する思いは違いますし、得意不得意、好き嫌いがあるのも事実ですので。

そんな中で私にも後輩が出来ました。
ちょうど東日本大震災があった年だったこともあり、非常にばたついていたので鮮明に覚えています。
当然後輩育成をしていかなければならない立場になったのですが、これがまたうまくいかない。
当然のように、先輩にいろいろな方がいるように、後輩にもいろいろな人がいるからです。

そこで私は、「自分だったらどんな先輩がいたら嬉しいのか」を考えることにしました。
仕事の悩みを聞いてくれる先輩、臨床の悩みを聞いてくれる先輩、人間関係の相談にのってくれる先輩いろいろ考えました。
私にも得意不得意があるので、「臨床の相談にのる先輩」「勉強している姿を背中で見せてくれる先輩」を目指すことにしました。

私のように、日々勉強しなければ不安になるタイプの人間は必ずいて、そんな後輩にとって私の目指す先輩増はとても貴重だと思ったからです。

そこから私は、インプットを欠かさず行い、後輩が求めるアウトプットをしていくことになりました。

後輩への育成が自分にもたらす成長

はりきってインプットとアウトプットをしていた私でしたが、あることに気付きます。
それは、自分が成長させられていることでした。

本を読んだり、勉強会に参加したり様々な方法で参加していた勉強会ですが、その時私は2つのことを考えながら学んでいました。

  1. 患者さんにどういかしていこうか
  2. 後輩にどう伝えようか

どちらもアウトプットであることは言うまでもありませんが、2つとも目的が違います。
すると、インプットにも多様性が生まれてきます。
ただ覚えるだけではなく、どう伝えるか、どう臨床に取り込むかそれぞれを考えることは、知識の定着の効率が圧倒的でした。(今思えばですが)

自然と行っていたこれらのことは、私を成長させてくれました。
ただ教えてもらうだけではやはり意味がありません。
そこには、その知識を自分の物にしてどう使っていくのかがなければ、やはり成長はないなと思います。

このようにしてセラピスト人生を歩んできた私ですが、嬉しいことにいまだに慕ってくれている後輩がたくさんいます。
後輩のセラピストたちにとって、いて良かった先輩であれたなら、それほど嬉しいことはありません。

新社会人の人たちは、自分にとっていて良かった先輩と出会えることを願っています。
また、後輩が出来たセラピストの人たちは、自分をいて良かった先輩と言ってくれるように行動していってください。

もしこのことに悩んだら是非プロリハ研究サロンの戸を叩いてください。
全力でサポートします。

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錐体路と皮質脊髄路を整理しよう

お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営している、理学療法士の唐沢彰太です。

脳や神経の勉強をしていると、錐体路と皮質脊髄路は必ずと言って良いほど耳にする名前です。
ですが、この2つって何が違うの?と疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、この錐体路と皮質脊髄路それぞれを簡単に説明し、整理していきたいと思います。

錐体路って…?

まず、錐体路から書いていきたいと思います。
錐体路という言葉は、現在あるような神経に関する知見がまだ少なかった頃からありました。
そのため、いろいろな意味や定義が存在してしまっている特徴があります。

その中でも、

  • 延髄錐体を通る神経束
  • 皮質の錐体細胞を起始として脊髄に投射する神経束の総称

が良く聞く内容かと思います。
つまり錐体路には、いろいろな所から起始している神経の総称になります。

これは、錐体路に含まれている神経の起始部を見ていくと更にいろいろと分かってきます。

錐体路には、

  • 運動前野
  • 補足運動野
  • 帯状皮質運動野
  • 1次感覚野

などが起始となっていることが分かっています。
つまり、運動神経という表現ではなく、運動を遂行することに関与している神経の束であると理解したほうが分かりやすいかと思います。

じゃあ皮質脊髄路って…?

では皮質脊髄路とはなんなのでしょうか?

皮質脊髄路は、「大脳皮質から始まるニューロンが頭蓋外に出るまで、どこにもニューロンを乗り換えないで直接脊髄に向かう線維束の総称」です。
つまり、皮質と脊髄を結んでいる神経です。

この皮質脊髄路は、

  1. 途中で介在ニューロンとシナプスを持つタイプ
  2. 直接脊髄の運動ニューロンに投射しているタイプ

とあります。
これは、脳の指令が

  1. 途中で調整される情報
  2. ダイレクトに伝わる情報

の2種類があるということになります。

これは脳卒中の回復過程に大きく影響しています。
このことを知っていると予後予測を自信を持ってできるんです。(詳細はサロンで…)

結局錐体路と皮質脊髄路って…?

ここまで書いてきてもふわっとしていますね。

結論です。
錐体路は「どこを通っている神経束なのか」
皮質脊髄路は「どことどこを繋いでいる神経なのか」
と、分類のカテゴリーが実は異なっています。

錐体路の多くが皮質脊髄路であるため、

錐体路=皮質脊髄路

と表現されることもしばしばですが、細かくいうと上に書いた通り違いますよね。

目の前の患者さんの状態を、医学的に説明する能力はセラピストには大切です。
そのためには、このような何気ない疑問をとことんつき詰めて考えて行くプロセスが大切です。

一味違うリハビリを。

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