認知神経リハの勉強をしてから今の自分まで

お読みいただいている皆さんこんにちは!プロリハ研究サロンを運営しております、理学療法士の唐沢彰太です。

本ホームページの運営者情報でも紹介しております通り、私は実習地で出会った認知神経リハビリテーション(当時は認知運動療法)を初めに学びました。
その認知神経リハのどんなところが好きなのか?
を書いていきたいと思います!!

認知神経リハビリテーションとの出会い

先日、認知神経リハビリテーション学会長の宮本先生よりうれしいお言葉をいただき心安らいでいます。
会長からのメッセージ

私が認知神経リハビリテーションに出会ったのは4年生最後の実習先である、千葉県鴨川市の亀田メディカルセンターでした。
もちろんその頃は認知神経リハのことは1つも分からりませんでしたが、何か自分の中で感じるものがあったのだと思います。

認知神経リハ学会のHPを見てみると、<宮本省三>先生が会長をされていることを知りました。
またその時に、宮本先生がたくさんの本を書いていることも知り全て買い占めたことを今でも覚えています。
思えばその頃から自分も本を書いてみたいと考えていたのかもしれません。

宮本先生が書かれた本の中でも、今でも愛読書になっているのが、【リハビリテーションルネサンス】です。

理学療法士になってまだ1年目の自分にとっては、とにかく内容がセンセーショナルでした。
その中でも、
【歩行時の立脚期の安定性を獲得するためにどんなに側臥位(横向きで寝ている姿勢)で中殿筋をトレーニングしても、歩行中の中殿筋の働きが改善するとは限らない。歩行中の中殿筋は、歩行中にしか再現性がない。】
この内容を知った時、私は動作を改善するために筋力トレーニングで患者さんの改善を目指すことの無謀さを知りました。
もっともっと人間は奥が深いんだと。

リハビリテーションとはなにか?

認知神経リハの勉強をきっかけに、脳科学、神経心理学、哲学などいろいろな学問を勉強していくと、リハビリを行っていく為には非常に多くの事を学ばなければならないことを痛感しました。

反対に、

  • リハビリとは何なのか
  • 理学療法士とは何の専門家なのか

を考えるようにもなりました。

他のセラピストのリハビリを見て、
「なにやってるんだろう…患者さんがかわいそうだ」
と思う事もありました。(若かったです笑)
他のセラピストと比較することの無意味さも実感し、セラピストも患者さんも一人一人違う所がある事が、リハビリの利点でもあると考えられるようになりました。

認知神経リハで言われる<情報性>だと今では思います。
2人の人に同じ刺激が脳に入力されても、今までの経験や知識などが当然異なっている為、一人一人認知過程に差異があり、結果作られる情報は異なります(こちらご参照ください⇨コンセプトー何を学べる?ー)。
つまり、患者さんもセラピストも何を大切にしてリハビリをしているのかが異なっていて、比べても違う所が目について、ネガティブな思考になりやすいということです。

今考えると当然ですね。一人一人食べ物などに好き嫌いがあるくらい当然です。違って当たり前です。
医療の現場では、患者さんを属性と疾患で捉え、リハビリが提供されています。
もちろん誰がリハビリをしても質を担保することや、最も早く回復を目指すためには必要なことです。

ですが、患者さん100人中100人に当てはまるものを作るのは不可能です。
リハビリを全てロボットに置き換えることが不可能なのは、人と人の関りがなければ改善することが難しいことがあるからではないでしょうか?

自分だけの臨床を目指して

私が思うリハビリではこの点を重視しています。
認知神経リハはこの患者さんの<個別性>を大切にしたリハビリを可能にしてくれます。
それは、患者さん・セラピストの認知が中心にあるからだと思っています。
認知神経リハを勉強したことによって、私は患者さん、セラピストそれぞれに個別性があってそれを含めてリハビリだと考えられるようになりました。

そこが私の好きなところです。

これからも、患者さんの為に足を止めないように。

アイキャッチ画像の出展:http://www.riabilitazioneneurocognitiva.it/ars/portale.nsf(外部リンク)