観察でみえる世界を広げる

お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営しています、理学療法士の唐沢彰太です。

皆さんは、観察や分析は得意ですか?それとも苦手ですか?
HPのTOPにも書いている通り、リハビリでは観察と評価、それらの結果を統合する力はとても大切です。

皆さんの周りにも、
どうしてみただけでそんなことがわかるの?
と思う療法士の方がいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、この臨床の核である観察と分析について大枠を書いていきたいと思います。

1年目と10年目のセラピストではみえている『世界』が違う

後輩育成に力を入れてきた私ですが、10年目になった時あることに気付きました。
それは、まだ経験の浅いセラピストに、観察と分析について教えている時でした。
患者さんの動画を用いて、立位姿勢から歩行を観察していると、私から見れば一側に荷重していることは一目瞭然でしたが、その研修のセラピストには【観えていない】様子でした。

この時私は、「観察1つ取っても、一人一人みえている物が異なっているのか」と気付かされました。
みえているものの違いは、いくつかのことが影響していることが分かってきました。

  1. 今までみてきた患者さんの経験
  2. 知識(なにに興味があるのか)
  3. 介入の引き出しの数(介入出来る部分しかみえない)

の3つです。これらは療法士として働き、しっかり勉強している人であればピンと来ると思います。この3つを1つずつ見ていきます。

1,今までみてきた患者さんの経験

観察から介入までの経験を重ねていくと、いろいろな「予測」がたつようになってきます。
言い換えると、自分の中で【カテゴリー分け】されていくようなイメージです。
「左の視床出血の方でこのように動く人は、○○のことが多い」
といった感じです。
この「予測」がみる所をしぼる役割をして、より深い観察を可能にしてくれます。

同時に、観察から介入まで流れるように浮かんできます。
患者さんの個人差を加味するために、他の動作を観察したり、問診で情報量を増やしていくことで、自分の考えをより正確にしていくことも出来ます。

このように、今までの患者さんの経験を、目の前の患者さんにいかすことが臨床を豊かにしていく第1歩です。

2,知識(なにに興味があるのか)

これは誰でも経験されていると思います。
カバンが欲しいときには、電車に乗っているといろいろな人のカバンが目に入りませんか?
これは注意の特徴の1つで、自分の興味のあることに注意が引っ張られやすいのです。
例えば、運動学の勉強をしている人は、関節の動きに注意が向きますし、感覚に関する勉強をしている人は、感覚に関する質問をしたくなります。

1つ注意が必要なのは、観察は多角的な視点から行う必要があるということです。
観察はあくまで全体像を捉える手段です。
分析は、運動の側面、感覚の側面、認知の側面などいろいろな情報を元に可能性を探っていきます。

入り口は人それぞれでOKですが、最終的にはいろいろな可能性を探れる考える力が必要です。

3,介入の引き出しの数

リハビリの介入の目的はあくまで患者さんに学習してもらい、動作をより楽に行えるようにすることです。

つまり、【介入方法のわからない部分に関してはみない】傾向が強いです。

例えば、視覚障害をもつ患者さんが初めてだったり、介入方法をまだ知らない療法士では、視野に関する観察や検査はあまり行いません。
これは意図的ではなく、無意識で選択されてしまいます。
知らず知らずのうちに避けているのかもしれません。

このように、どれくらいの介入の幅を持っているかは、実は入り口である観察にも影響してきます。

これら3つが関係している観察では、一人一人みえている世界が異なっています。
このことを知ったうえで、先輩や他の療法士と観察や介入について話すことは、自分の臨床を高めることに最も有効なことは、言うまでもありません。
出来るだけ多くの、また異なる環境の人と話すことで自分の小さな悩みから大きな疑問まで、解決する方法が見つかるかもしれません。

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