お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営しています、理学療法士の唐沢彰太です。
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臨床に必要な能力とは何なのでしょうか?
私は大きく次の4つがあると思います。
- 知識(各学問に関する基礎知識、介入に関する技術的な知識など)
- 技術(触れる、動かす、介入技術など)
- 観察力(動作観察、検査/評価など)
- 思考力(病態解釈、動作分析など)
これらすべてが臨床には必要で、それぞれ高めていくための方法は異なっています。
そうなんです、そこが厄介なんです。
この中でも、1の知識に関しては最も分かりやすく、本を読んだり講習会に参加したりとその方法も多彩で明確なため、知識が多いセラピストはたくさんいます。
特に、3と4は高めていくのが難しいですよね…。
ですが、2の技術に関しては、職場の同期や仲間と練習することで高めていくことができます。
そこで今回は、実技練習を行う上でのポイントと、健常者との実技練習の意義について書いていきたいと思います。
触れる時と動かす時のポイント
リハビリテーションにおいて、患者さんに触れることはとても重要で避けられません。
触診を始めとした接触、関節可動域を計測したりを始めとした検査や介入における他動的動作など、患者さんに触れることで得られる情報や効果は、臨床において基本になります。
ですが、この触れ方や動かし方によって、文字通り情報は変化し、検査結果に相違を及ぼしたり、介入時の効果に悪影響を及ぼしてしまうことすらあります。
このような事態を避けるために、触れる/動かすといった実技の練習は日々行うこととが理想的です。
この様な実技練習において非常に重要なポイントがあります。
- 触れると同時に触れられているということ
- ただ触れる、ただ動かすではなく感じること
- やられる側の人によって適正な速度や圧、つまり触れ方動かし方が異なる
以上の3点が重要なポイントになります。
これら3つに関して細かくみていきたいと思います。
1.触れると同時に触れられているということ
当たり前のことですが、人に触れた場合には同時に触れられている人がいます。
臨床において大切なのは、触れられた人が「どう感じたのか」です。
もし触れられた人が嫌な感じがしたら、感覚と同時に情動が生まれ、感覚自体を変化させてしまう可能性があります。
また、嫌な感じがすると人は体を固めます。
その状態で体を動かせば、セラピスト側が求めている効果が出なくなるのは当然です。
よって、実技練習では触れた人が得た情報(硬い、柔らかいなど)だけではなく、触れられた側が、「どんな感じがしたのか」「率直に嫌な感じがしないか」などをフィードバックしてあげることが大切です。
2.ただ触れる、ただ動かすだけではなく感じること
触診のように、触れる時には感じることを意識する人は多いと思います。
ですが、患者さんの体を動かしている時に感じながら動かせるセラピストはそう多くはありません。
ですが、体を動かしている時には、触診と同じくらいの情報がセラピストの手には伝わってきています。
- 関節がこの角度の時に抵抗感を感じる
- 話ながら動かすと抵抗感が強まる
- 踵を持ちながら動かすと下肢全体の重みが増す
など、様々なことが分かってきます。
このように、ただ動かすのではなく、患者さんがどんなことを感じているのかを想像しながら動かしたり、セラピストが感じる抵抗感を患者さんは感じているのかなどの疑問を持ちながら動かすことが大切です。
実技練習でも同様に、被験者が感じている感覚を想像し、動かしている時にどういうことを感じられるのかを考えながら行うと、より良い練習になります。
3.やられる側の人によって適正な速度や圧、つまり触れ方動かし方が異なる
ここが健常者の人と練習することの意義にもっとも関係しています。
疾患を持っているか持っていないかはいうまでもなく大きな違いですが、人である以上身体の大まかな構造は一緒なので、触れる動かすなどの実技練習は非常に意味があります。
このことと同じくらい大切なのは、【個人差】です。
性別や年齢、体の大きさなどは身体に大きな個人差をもたらしますが、今までの経験や志向性など認知面にも大きな個人差は存在します。
これは実技の練習をたくさんしている人は経験したことがあると思いますが、四肢の動かしやすさや重さ、触れた時の緊張感などは千差万別です。
これらのことは、どれくらいの力で持てば良いのか、圧を加えても大丈夫なのか、どれくらいの速さで動かせば良いのかなどに大きく影響します。
つまり、その人にあった力加減や速さを見つけなければならないのです。
健常者でもその練習は十分に出来て、その経験はそのまま臨床でもいきてきます。
一人一人に合ったものを見つけることを、実技練習でも意識するととても良い練習になります。
いかがでしたでしょうか?
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