半側空間無視(USN)のリハビリに必須のポイント

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本サロンを運営しています、理学療法士の唐沢彰太です(自己紹介はこちらから→唐沢彰太って誰?

半側空間無視と空間認知はとても密接な関係ですが、稀に空間認知のみが残ってしまう患者さんがいます。これはどうしてなのか?半側空間無視と空間認知の関係からお教えします!

USNは空間が認知できないことが原因

半側空間無視(unilateral spatial neglect:以下USN)の定義

「大脳半球病巣と反対側の刺激に対して,発見して報告したり,反応したり,その方向を向いたりすることが障害される病態である(Heilman ら 1993)

 USNの多くは右半球損傷によって生じるため、反対の左側からの刺激を無視してしまうことになります。本や文献によく書かれているのは、

  • 左側からの呼びかけに反応しない
  • 食事の時にトレイの左側の食べ物を見落とす

などの現象です。USNと言えば、視覚性の無視を指すことが多く、先述したような左側を見落とす症状が取り上げられることが多くいです。
 一方で、定義の中で無視する対象は【刺激】とされており、表在感覚や深部感覚などの体性感覚的な刺激も無視の対象となります。つまり、麻痺側の身体に対する刺激を【無視してしまう】状態もUSNに含まれることになります。
 よって、臨床では『感覚麻痺』や『身体失認』などと見分けにくく、評価や検査を行って判別していく必要があります。

 また半側空間無視は、先ほど書いた通り【視覚性】の無視を指しことが多く、左が見れるようになれば改善したと思われてしまいます。ですが、回復期で改善した【ように見えた】としても、実は代償的に左が向けるようになっただけで、注意できる【幅】は変わっていない患者さんが、生活期ではみられています。
 これは、半側空間無視は刺激を受容できる空間が狭まる【空間認知の障害】であることが大きく影響しています。空間認知に障害がある状態で生活をすれば、体性感覚認知を始めとした様々な認知に影響が出てしまいます。

どれくらい空間が認知できるかを評価する

 では、半側空間無視の病態を理解していくためには、どういうことを考えながら評価をしていけば良いのでしょうか?ここで大切なのは、USNが様々な空間を認知することの障害であるということです。その空間が、視覚空間なのか、体性感覚空間なのかによって評価内容が変わります。

このUSNの評価を行う時に間違えないようにしなければいけないのが、次の4つです。

  • 【視覚性USN】と【半盲】
  • 【体性感覚性USN】と【身体失認】
  • 【体性感覚性USN】と【感覚麻痺】
  • 【USN】と【消去現象】

 体性感覚の空間認知に関しては記事(→左片麻痺の体幹の崩れの原因リハビリの方法)も参考にして頂きたいですが、右半球損傷では空間に注意を向ける能力に問題が生じるます。そのため、注意が向けられないことが影響する症状同士を間違えやすく、注意が必要です。
 また、リハビリの目的はUSNがあるということを確定することではなく、高次脳機能障害が行為にどの様な影響を及ぼし、ADLを阻害しているのかを考え、介入していくことにあります。この正確性をあげていくために、評価があるということを忘れてはいけません。
 そのためには次の3つを考えていくことが大切です。

  1. 患者さんが麻痺側の刺激を認知できないのはどうしてなのか?

  2. その事によって空間認知がどう障害されているのか?

  3. その結果、どの行為や動作にどう影響を及ぼしているのか?

プロリハ研究サロンでは、
・実際にどうやって評価していくのか?
・その評価結果をどうやって介入にいかしていくのか?
臨床に直結する形でお教えしています。

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