お読みいただいている皆さんありがとうございます。
プロリハ研究サロンの理学療法士、唐沢彰太です(自己紹介はこちらもご覧ください→唐沢彰太って誰?)です。
入院患者さんでも外来患者さんでも、必ず行うのが【初回評価】です。環境によって、初回評価に割ける時間は変わってきますが、多くて1時間、短いと10分程度だと思います。
今年理学療法士・作業療法士として働き始めた方も多い、回復期での初回評価について、整形外科疾患と脳血管疾患に分けて、ポイントを整理しました。ぜひご覧ください。
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整形外科疾患の初回評価
まずは【整形外科疾患】患者さんの初回評価です。その前に、疾患に関係なく行うべき内容を一覧で挙げていきます。
【情報収集】
- 疾患名、障害名
- 患者さん情報(年齢、性別)
- 急性期からの経過
- 退院後の行き先(分かれば)
- 病前の生活
- 画像(レントゲン、CT、MRIなど)
- 検査結果(CRPなどわかれば)
情報収集は大きく3つの目的があります。
- リスク管理のため
- 介入のため
- 退院後の生活を見据えるため
3はチームで考えていくことですが、リハビリの方針に大きく関わるので早めに把握するようにしましょう。
1のリスク管理は、医師の判断も重要なので出来れば初回介入の前に、話す機会を作ると良いです。
【整形外科疾患の初回評価】
- 患部の状態の視診・触診(OPE後であれば術創部も)
- 痛みの評価(いつ、どこが、どんな風に、どれくらい痛むのか)
- 関節可動域測定(基本患側を測定し、制限がある関節運動では健側も測定する)
- 筋力(筋出力、痛みがある動作は必ず痛み出現の旨を記録し、無理に行わない)
- 感覚検査(痛みとは別に、表在・深部ともにスクリーニング検査を実施)
- 姿勢観察(姿勢保持に伴う痛みがあるかどうかも問診する)
- 動作観察(動作時痛があるかどうかも問診する)
- 日常生活動作(FIM)
情報収集で得た情報と、初回評価結果から【長期目標(退院時の目標)】と【短期目標(長期目標を見据えて)】を立案します。
脳血管疾患の初回評価
- 運動障害の検査(SIASなど)
- 感覚障害の検査(最低限表在感覚と深部感覚を分ける)
- 筋緊張検査(基本は痙性の状態の評価。MASなど)
- 姿勢観察(姿勢保持に伴う痛みがあるかどうかも問診する)
- 動作観察(動作時痛があるかどうかも問診する)
- 日常生活動作(FIM)
少ないように見えますが、運動障害と感覚障害の検査を工夫すると、非常に多くの情報を得ることが出来ます。初回評価の結果をもとに、2回目からのリハビリでは、介入しながら評価を行っていく技術が必要になります。そのためにも、評価や検査結果、また情報収集で得た情報をまとめて、患者さんの全体像を作り上げる考え方が大切です。
また、初回評価では無理に分析を行わず、あくまで情報を集めることに専念することをお勧めします。多くの経験を積まないと、初回から効果的な介入を行うのは難しいからです。焦らず適切な介入を目指してみてください。
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