人はなぜ歩くのか?
多くの人は【移動するため】と答えるのではないでしょうか? 歩行は移動手段の1つとして捉えられ、車や電車などの移動手段と並列であると考えられます。リハビリにおいても、移動手段の獲得として歩行を獲得することを目的に介入され、屋内なら可能、屋外では介助者が必要など評価していきます。
ですが、人は移動の目的以外でも歩きます。例えば散歩です。散歩はここからどこかへ移動するために行うわけではなく、【歩くことを目的】に河原を歩いたり、公園を歩いたりします。この散歩の目的は移動でないとしたら一体何なのでしょうか?
- 4月頃のぽかぽかした陽気の中散歩する…
- 頭の中を整理するためにぼーっと歩く…
- 恋人と目的もなくただ歩く…
いろいろな場面が想像されますが、目的があったりなかったりしますね。
歩くことは自由であると言い換えることが出来ます。歩く速度も歩幅も自由ですし、歩き始めもいつ止まるかも自分で決めることが出来ます。どこへ向かうかも自分で決めれますし、遠回りすることも出来ます。この自由度は歩行にしかないのではないでしょうか?
つまり、その時の感情や意図などを全て表現できる行為、それが歩行なのではないでしょうか?歩行には移動という側面と、自分の自由を表現できる行為としての側面両方を持っていると私は考えています。