手のリハビリで大切な両手行為の視点

お読みいただいている皆さんありがとうございます。プロリハ研究サロンを運営しております、理学療法士の唐沢彰太です。(自己紹介はこちら→運営者紹介
日常生活では、右手と左手をせわしなく動かしています。時にはじっと手をみながら動かしたり、手元をみずに動かしたりして、行為を遂行しています。手を怪我すると、いかに自分が両手を使って生活しているのかが分かると思います。
脳卒中や手の骨折などのリハビリテーションにおいて、両手の行為の獲得は必須課題と言えます。そこで今回は、そんあ両手行為のリハビリの【手掛かり】となる空間について書いていきます。

【利き手】と【非利き手】

人には利き手と非利き手があります。皆さんご存知の通り、多くの人は右手が利き手で左手が利き手の人は多くはありません。このように、日常生活で特に使用頻度が高く、細かい作業やメインとなる作業を行う利き手と非利き手には役割が決まっています。
日常生活において、手を使う作業は以下のように分けることが出来ます。

  1. 利き手のみで行える作業:マウス操作や箸操作など
  2. 非利き手のみで行える作業:茶碗を持つ、扉をおさえるなど
  3. 両手で行った方が楽な作業:紙に文字を書く、キーボードのタイピングなど
  4. 両手じゃないと行えない作業:大きな鍋を持つなど

さらに、3と4の両手で行う行為は、左右の手の役割をわけることが出来ます。

  1. 利き手の作業を左手で助ける:文字を書くために紙をおさえる
  2. 1つの物に対して左右で同じことをする:大きな鍋を両手で持つ
  3. 1つの物に対して別々のことをする:洗濯物をたたむ
  4. 左右で別々の行為を行う:利き手で箸を持ち、非利き手で茶碗を持つ

このように、両手行為には利き手と非利き手の役割から、いくつかに分類することが出来ます。脳卒中では、麻痺側のみへの訓練から行うことが多いですが、実は両手へ介入したほうが効果が高い患者さんもいます。もし動かすことが可能なら、片手と両手どちらの方がやりやすそうかを観察して、片手のみへの訓練と両手への訓練どちらの方が良いのかを考えることも大切です。

非利き手の不使用による問題

脳卒中では、左片麻痺・右片麻痺がみられ、それぞれ異なる病態を示します。また、左片麻痺では非利き手が障害を受けることが多く、日常生活において、利き手のみで行為が【遂行できるようになってしまう】ことがあります。そうなると、日常生活で麻痺側上肢を動かす機会はどんどん減っていき、「左手が動くようになりたい!」と思っていても、なかなかうまくいきません。
このように、2次的に生じてくる麻痺側上肢の不使用を解決するためには、両手での行為の訓練がとても大切になります。日常生活において、非麻痺側でしか出来ない行為はほとんどありません。利き手で出来てしまうからです。つまり、両手行為以外で非利き手を使用する機会は0に等しく、リハビリでも麻痺側上肢のみへの介入では不十分なんです。日常生活で出来るだけ麻痺側上肢が行為に参加する機会を増やさなければ、どんどん使用しなくなっていくためです。
このように、利き手と非利き手のどちらに障害があるのかで訓練内容を考えていくことも大切です。

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