人には利き手と非利き手があります。皆さんご存知の通り、多くの人は右手が利き手で左手が利き手の人は多くはありません。このように、日常生活で特に使用頻度が高く、細かい作業やメインとなる作業を行う利き手と非利き手には役割が決まっています。
日常生活において、手を使う作業は以下のように分けることが出来ます。
- 利き手のみで行える作業:マウス操作や箸操作など
- 非利き手のみで行える作業:茶碗を持つ、扉をおさえるなど
- 両手で行った方が楽な作業:紙に文字を書く、キーボードのタイピングなど
- 両手じゃないと行えない作業:大きな鍋を持つなど
さらに、3と4の両手で行う行為は、左右の手の役割をわけることが出来ます。
- 利き手の作業を左手で助ける:文字を書くために紙をおさえる
- 1つの物に対して左右で同じことをする:大きな鍋を両手で持つ
- 1つの物に対して別々のことをする:洗濯物をたたむ
- 左右で別々の行為を行う:利き手で箸を持ち、非利き手で茶碗を持つ
このように、両手行為には利き手と非利き手の役割から、いくつかに分類することが出来ます。脳卒中では、麻痺側のみへの訓練から行うことが多いですが、実は両手へ介入したほうが効果が高い患者さんもいます。もし動かすことが可能なら、片手と両手どちらの方がやりやすそうかを観察して、片手のみへの訓練と両手への訓練どちらの方が良いのかを考えることも大切です。