リハビリテーションの臨床は、患者さんの問題点を改善していくことと思われがちです。痛みがあれば痛みを取る、動かしにくい関節があれば動かしやすくする、感じにくい部分があれば感じやすくする…。この問題点を改善していく思考のみでリハビリを行うと、この問題点が改善しなければ患者さんの可能性は途絶えてしまう危険性をはらんでいます。
ですが、実際介入していく中で、患者さんが動作を獲得していくためには、動作を阻害している要素を見つけ、変化させていくことは大切です。一方で、その動作を獲得していくのは患者さんであり、要素を変化させていくのも患者さんであることを忘れてはいけません。このことを忘れてしまうと。筋緊張を整える、関節を整えるなどと言った、セラピストが患者さんを変化させてる錯覚に陥ります。筋緊張が整った、関節が整った…その身体を動かすのは患者さんです。
その身体を患者さんがどう動かせば動作がより楽に、スムーズになるのかは患者さん自身が学習しなければならないんです。
その為には、患者さんの問題点のみではなく、ポジティブなところを見つけ、学習を促していかなければなりません。そうなんです…リハビリは患者さんが主役であり主体であるため、変化するのも患者さんが主体で学習していかなければならない。そのためにも、患者さんの問題点だけではなく、ポジティブ面を探し、患者さんの特徴として整理していくことが大切です。