自費リハビリの現在地:2023年

お読みいただいている皆さんありがとうございます。プロリハ研究サロンを運営しています、理学療法士の唐沢彰太です。(自己紹介はこちらから→唐沢彰太って誰?
2015年の1月に現在の自費リハビリを運営する会社に転職してからちょうど7年経過する今年、自費の訪問リハビリのサービス提供を開始することを決めました。この7年間で自費リハビリのマーケットは大きく変わり、今後保険でのリハビリではまかないきれない領域で役割を担うところまで拡大してきています。自費リハビリの最前線で働いてきた経験を踏まえ、自費リハビリの課題も含め書いていきます。

自費リハビリと保険でのリハビリの住み分け

脳卒中をはじめとした様々な疾患では、長期的にリハビリが必要になってきます。例えば脳卒中では、急性期・回復期と医療保険内でのリハビリを最大6ヶ月前後行い、自宅や施設へと退院した後、介護保険を使用したリハビリへと推移していきます。ここで1つ問題となるのが、リハビリの【量】です。回復期では1日120〜180分リハビリを行いますが、退院後は多くの人が週に1〜2回、20〜40分と1/10以下にリハビリの量が減ってしまいます。リハビリの内容も脳卒中に特化しているわけではなく、集団リハビリなど不十分と感じる人が多いようです。
また、脳卒中の治療が著しく進歩したことで、後遺症が軽度で済むケースが増加し、回復期に転院せずに退院することも増えてきています。この場合は、外来でリハビリを行うことが多いですが、週1回程度しかリハビリが出来ず、ここでも量が少ない問題があります。後遺症が軽度であっても、日常生活に影響を及ぼすのであれば、本人にとっては大きな問題であり、リハビリを行う必要があります。
このように、保険で行えるリハビリには【限界】があり、一部の人にとっては不足しているのが現実です。この不足している部分、特にリハビリの【量】を解決すべく自費リハビリのサービスがあります。もちろん保険を使用しないで行うため、自己負担額は多いですが、それでも高頻度で十分な量のリハビリを受けられるメリットが大きいです。介護保険でのリハビリと自費のリハビリを併用することで、量の問題は大きく改善できてきています。

自費リハビリの課題と今後

さて、そんな自費リハビリですがまだ新しい領域ということもあり、課題も多くあります。保険内のリハビリの課題とオーバーラップしている部分もありますが、2つ挙げていきたいと思います。

1、費用の問題

【リハビリは保険で行うもの】

日本はこの文化が根強くあり、自費で行うイメージが非常に薄いです。入院中に行うリハビリも、会計は入院費と一緒に支払うため『リハビリがいくらだったのか』は意識されません。PT・OT・STですら、1分いくらのサービスを提供しているのかを知っている人は、少ないのが現状です。そのため、リハビリに1万円以上支払うことに抵抗がある人が非常に多いです。PT・OT・STやケアマネージャーなどの医療従事者でも、多くの人がリハビリを自費で行うことへの抵抗感があります。

今後自費リハビリのように、リハビリをしたい人にリハビリの場と機会を届けるためには、費用の問題を解決する必要があります。
1つはこのリハビリに関するイメージを変えていく必要があります。リハビリ提供側は、

  • 自分のリハビリがいくらなのか
  • 保険ではまかなえない部分があることを理解する
  • 退院後も改善する可能性がある

これらが重要です。

2、リハビリの質の問題

通常リハビリは、医師・看護師・PT・OT・STなど多職種で連携して行うチーム医療です。他職種間で患者さんの状態や見解を共有しながら、リハビリを進めていきます。一方自費リハビリでは、医師や看護師が在中していないことが多く、PTやOTのみでリハビリを進めるのがほとんどです。そのため、担当のPTやOTが本来他職種から得る情報を収集しなければなりません。さらに、どれくらい改善するのか、改善の可能性はあるのかなど、医師の見解が必須なことがらも、PT・OTが見極める必要があります。
これらは、急性期から生活期までのリハビリに関する知識と経験、さらに自費リハビリでの経験が必須です。まだ日本ではこれらの経験があるPT・OTが圧倒的に少ないため、今後大きな課題になります。

自費リハビリは少しずつ広がり増えてきました。ただ、まだまだ問題があり、解決していく必要があります。そのためにも、多くの方に自費リハビリを行なっていただき、実際の声を聞くことが大切だと思っています。今後も全力で向き合ってまいります。

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