介入の確からしさを証明していくためにも、また臨床をいかにスムーズに展開していくためにも介入中の観察と分析は非常に重要です。つまり、訓練を行いながら患者さんを観察し、質問しながら回答を分析し、患者さんの身体の変化をモニタリングしていく必要があります。
最初は訓練を行うことに必死になってしまい難しいかもしれません。ですが、観察と分析また訓練をたくさん行って慣れていくと、自然と出来るようになっていきます。もちろん初めから自分が目指す臨床を明確にしておかないと出来るようにはならないので注意が必要です。
例えば、回復期で安定した歩行獲得と目標にリハビリをしている大腿骨頸部骨折の高齢者の方の介入を思い浮かべてください。プログラムとして筋力トレーニングが初めに浮かぶ方が多いと思います。ですが、そのプログラムは観察から分析までの情報から十分に吟味されているでしょうか?その方にとって安定した歩行の獲得に最も必要な要素は本当に筋力でしょうか?なぜその介入をしたのか?の回答が論文に書いてあったでは、主役である患者さんが抜け落ちてしまっています。なぜその論文を取り入れたのか、なぜ適切だと思ったのかをロジカルに説明出来なければ、いつまでも自信を持って介入出来ません。
私はこの目の前の患者さんだからこそのポイントに介入していかなければ、この先リハビリは衰退していくと考えています。そのため、一人一人のセラピストが一人一人の患者さんのために考えに考え抜いて介入していくことが大切で、その方法としてロジカルリハビリがあると良いなと思っています。