皆さんは、【エビデンス】という言葉を聞いたことがあると思います。人を対象とするリハビリでは、特に根拠が重要で「なんとなく」リハビリをすることは絶対にダメです。
そこで、論文などの知見を参考に介入するのですが、「どうしてその知見をこの患者さんのリハビリに使用したのか?」をしっかり考えなければなりません。例えば同じ疾患だから、同じ症状だからなどの理由があると思います。
ですが、それはあくまで【参考】です。
つまり、目の前の患者さんにその知見を使用するかどうかはセラピストが患者さんと一緒に決定します。セラピストは患者さんの病態を出来るだけ正確に、かつ論理的に把握しなければなりません。
そのために、評価や検査を行います。患者さんの能力を正確に把握するためですね。それらの結果をまとめ上げるのが分析で、その結果が【仮説】になります。
患者さんは
- なぜ出来ないのか?
- なぜやりにくいのか?
- それは改善の可能性があるのか?
- するとしたらどうすれば改善するのか?
これらがリハビリの臨床での仮説になります。
あくまで仮説です。いろいろなバイアスがかかっていますし、正しいかどうかはわかりません。ですが、可能な限り正しい仮説を立てられるよう、セラピストは【考える力】を付けなければなりません。いくら論文を読んで、たくさん知識を持っていても、この【考える力】がなければ仮説は妄想になってしまいます。