骨折後のリハビリへの違和感

お読みいただいている皆さんありがとうございます。プロリハ研究サロンの理学療法士、唐沢彰太です。(詳しくはこちらから→唐沢彰太って誰?
この挨拶恒例になっておりますが、何かキャッチフレーズを作りたい今日この頃です。

さて、今回は骨折後のリハビリについての「違和感」についてです。
この違和感は、遡ること12年。実習先でもらったアドバイスから始まりました。皆さんは感じたことありませんか?

骨折したら杖が必須?

ある急性期で実習をしていた私は、大腿骨頸部骨折OPE後の患者さんをバイザーの方とみさせていただきました。
その患者さんにおいて、リハビリの目標を立てていく時のことです。
私は、その患者さんは骨折前はすたすたと歩かれていたため、リハビリも病前と同様の歩行を目指すための目標を設定しました。
ですが、症例検討会の時にある理学療法士の方より、

「頸部骨折の方の歩行の目標は、受傷前より1段階下の歩行様態を目標にリハビリを行う

とアドバイスをもらいました。
つまり、簡単に言いますと、大腿骨頸部骨折(太ももの太い骨の最も細く折れやすい部分の骨折)の前は独歩だった人は杖が必要になるということです。

実際、論文にもこのような内容が書かれているものもあり、学生だった私は違和感がありながらもその目標に設定し、プログラムを立てていきました。

前に書いた通りその方は、骨折前は杖などを使用せず、歩行は自立されており、私としては再度補助具なしでの歩行獲得を目指すものだと考えていました。
ですが、アドバイス頂いた内容は一段階下げた目標でした。

もちろん、再転倒のリスクを出来るだけ下げることは大切であり、杖などの補助具を使用することも理解できます。
ですが…。
この違和感は、実際に現場に出てからもなかなか消えませんでした。

リハビリの目標はその人の目標!

正直今でもこの疑問は解決できていません。
エビデンスと固有性の間でさまよっている感覚です。

医療にはエビデンス(根拠)が求められる昨今、リハビリも例外ではありません。
その中で、様々な物事を一般化していく事は非常に重要なのだと思います。

ですが、他のブログや記事でも書いている通り、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は、疾患に対してリハビリを行っているわけではなく、その人自身とリハビリを行っています。
この様な中で、一般化し精度を上げ、質を上げていける分野とどうしても患者さん個人を抜いて考えていくことが出来ない分野があると思っています。

その代表が目標ではないでしょうか。

患者さんをしっかりと評価して、機能や能力レベルを正しく把握した上で、論文などの知見を取り入れていく。
今回の患者さんで言えば、なぜ杖が必要になるのかを論文などの視点と、その患者さんの視点双方から説明していかなければなりません。
論文に書いてあるから…その知見に目の前の患者さんはいません。

エビデンスベースの考え方は絶対に必要です。
ですが、知見や情報は使い方が非常に大切です。

患者さんの可能性を最大限引き出していくためにはどうすれば良いのか?
その答えは、患者さんとリハビリをしている療法士が導き出さなければなりません。
骨折する前より能力が上がる患者さんを私はたくさん見てきました。
どうすればそうなれるのか?
ここを話し合うことが必要です。
未来を見据えた話し合いを。

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