お読みいただいている皆さんありがとうございます。プロリハ研究サロンの理学療法士、唐沢彰太です。(自己紹介はこちらから→唐沢彰太って誰?運営者情報)
リハビリの臨床では、目の前の患者さんに最適の介入を見つけるために試行錯誤を繰り返していく必要があります。試行錯誤していくためには、仮説を立て、検証していかなければなりません。
そこで今回は、リハビリの臨床における試行錯誤の方法を、仮説を立てること、その仮説を検証することを中心に書いていきたいと思います。
仮説には、【疑問】と【情報】が必要
さて、臨床にはある程度流れが定まっているかと思います。例えば、
- 事前情報の収集
- 動作分析
- 問題点の抽出
- 介入
のような感じです。
学生の頃に頑張って行ったたくさんの評価や問題点の抽出を、実際の臨床の中で行うのは時間的にも難しく、絞らざるを得ないのは言うまでもありません。そうすると、1~4の流れで臨床を展開していくことが多くなってくるという事です。
ですが、この流れでは試行錯誤を十分に行うことが難しく、特に【仮説を立てる】ことを行う機会が少なくなってしまいます。
この仮説を立てるためには、以下の2つが重要です。
- 疑問
- 情報
セラピストが感じた【疑問】の原因を、様々な【情報】を元に予測する作業が仮説を立てるプロセスになります。つまり、この2つのことを臨床に丁寧に組み込んでいくことが必須で、それぞれの方法を知っておく必要があります。
ここでいう仮説は、「○○かなぁ?」という状態です。
「手の触れてる感じが分からないのは、手に注意を喚起するのがむずかしいからかなぁ」
「歩行の時に、左の危険を見落とすのは右側に注意が偏っているからかなぁ」
こんな感じで仮説を立てる作業が重要になります。
ここまでを考慮すると試行錯誤するための臨床の流れは次のようになります。
- 事前情報の収集
- 観察(動作、行為、日常生活など)
- 評価・検査
- 分析(統合と解釈)
- 介入
- 効果検証+観察
- 2へもどる
このサイクルを回していくことが試行錯誤に繋がります。
では次に、検証について書いていきます。
仮説が合っているかを検証するための介入
検証は、感じた疑問の原因を知識や知見などの情報を元に考えた仮説が正しいのかどうか、もし間違えていたなら次はどんな可能性があるのか?を考える作業です。この検証を行う為には、次の3つが必要です。
- 仮説
- 介入の方法
- 結果予測
検証を行うと、結果が出ます。例えば、先ほど書いた例の「手の知覚が難しいのは手に注意を向けられないから」という仮説に対して、注意に関する介入を行います。
すると、その介入の結果から注意が手に向けられるのかどうかがわかります。
ここで大切なのは、
- 検証のための介入の手段を知っている(手に注意が向けられるかどうかがわかる介入の方法を知っているか)
- 介入の結果がどうなれば、仮説が立証されるかが分かっている
これらにプラスして、仮説が正しかった時に本介入の方法を知っているかも臨床では重要になります。この様に、疑問を具体化して、それを確かめて患者さんの可能性をどんどん高めていくプロセスが試行錯誤です。
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