国際疼痛学会は、痛みを情動体験としています。つまり、ただ痛いという【感覚】だけではなく、嫌だなという【心理面】を伴っています。痛みを持つ患者さんとのリハビリでは、身体の状態だけではなく、心理面の状態もみて介入していく必要があります。
例えば、腰部に慢性的な痛みを持っている患者さんは、リハビリにマッサージを求める人が多いです。これは、マッサージが持つ心理的な効果があるからです。よくこんな話聞きませんか?
「マッサージは気持ちいいし楽になるけど、すぐにもとに戻っちゃう」
効果が長続きしなくても、マッサージを継続的に「受けたい」人は多くいます。マッサージは、【気持ちいい】ですよね。つまり【リラクセーション効果】があるんです。
一方で、情動的な体験は、いろいろなネガティブな認知を引き起こします。
- 動きたくない
- 動いたら痛みが強くなるんじゃないか
- 痛いのは自分のせいだ
慢性的に痛みがあることで、特徴のある認知をしてしまい慢性痛を更に悪化させていく可能性があります。
これらのことから、痛みを持つ方とリハビリを進めていく時には、
- 機能的に改善を目的とするプログラム
- 心理的なサポートを目的とするプログラム
- 認知的な改変を目的とするプログラム
の少なくても3つの内容が含まれなければなりません。