お読みいただいている皆さんありがとうございます。プロリハ研究サロンの唐沢彰太です。(自己紹介はこちらから→唐沢彰太って誰?)
身体の運動がポイントのリハビリテーション(以下、リハビリ)特に理学療法では、筋力が足りているかを評価し、足りていなければ筋力トレーニングを実施していきます。
ですが、筋力トレーニングって意外な落とし穴があるって知ってましたか?
そこで今回は、リハビリで筋トレを取り入れているPTやOT、また患者さんに知っておいて欲しいポイントをまとめていきます!
【ポイント】
① 筋力は3つの要素でコントロールされている
②トレーニングした筋はそのままでは動作で使えない
筋出力をコントトールする3つの方法
筋力はそもそもどうやってコントロールされているのでしょうか?
力を入れる、長く力を入れる、強く力を入れる…これらを使い分けて、適切な速さ力の強さで人は動いています。これを可能にしているのが上の図の仕組みです。言葉で説明するより図の方が分かりやすいので、それぞれ図にしたものが下の図です。
リクルートメントは、強い力を入れたり早く動くときに大切です。筋力トレーニングで、力が強くなる最初の理由は、このリクルートメントの効率が向上するためです。
シンクロナイゼーションは、持続的に力をいれる時に運動単位を協調的に働かせています。ゆっくり動くときや長く力を入れる時に大切です。
レートコーディングは、発火頻度を調整して筋出力をコントロールします。高頻度なら強く、また持続的に収縮し、低頻度なら弱く、短い収縮になります。
このように、行為の目的に応じて脳からの指令をもとに、脊髄が筋出力を調整しています。つまり、筋トレも速度や強さをまんべんなく取り入れて、プログラムを作る必要があるんですね。
運動と動作には大きな違いがある
ぜひこちらもご参考ください → 運動・動作・行為を使い分ける!
動作は複数の単関節運動が、組み合わさってできています。
立ち上がりであれば、体幹の前屈・伸展、股関節の屈曲・伸展、膝関節の伸展、足関節の背屈・底屈です。
なので、立ち上がれない人に対して、これらの運動の筋トレを実施するのですが…ここには大きな落とし穴があります。それは…
立ち上がりの時の関節運動と筋トレの時の関節運動では、筋の使われ方が違う!
もちろん使っている筋は一緒なんですが、先ほどの筋出力のコントロールのやり方や、脳の運動のやり方が違うんです。
このことを考慮すると…
【ポイント】
① 筋トレでは、筋出力の絶対量を増やすことが目的
② 動作で筋トレした筋を使えるようになるには、別のトレーニングが必要
筋トレをして、あとは患者さん任せではダメってことですね。
単純に筋力をつけたい、筋を大きくしたい人は問題ありませんが、動作を獲得するために行っているなら、他の関節との協調性や、知覚と筋出力のバランスなど、他の要素を考えたトレーニングが必要です。
プロリハ研究サロンでは、
・実際のトレーニングの方法
・筋力トレーニング以外の介入の方法
などを臨床に直結する形で学べます。
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