さて、脳卒中の後遺症には、意図していない運動が出現してしまうものが非常に多くあります。
これは内反に限りませんが、これら意図していない運動が出現しないように動作/行為を行えるようになるためには、その現象に本人が気付けているかどうかが非常に重要になります。
そこで臨床では、患者さんに
「○○の時足が力んでしまいこうなってしまっている(内反している)ことに気付いていますか?」
と質問することがあります。この質問に対して、気付いていない場合は気付いてもらう手続きが必要なのですが、もし気付いていても注意が必要です。
例えば、リハビリの中で言われたことがある、家族がいつも注意してくるなど知識として内反していることを<知っている>ケースです。その他にも、目で見れば分かるなども知識として知っているケースと同様に注意が必要になります。
なぜでしょうか?
内反のような意図しない運動の出現が動作の中で見られている場合、その動作を行った時に出現しないような動作の獲得が必要になります。その時、自分がその動作をどうやって行っているのか?を体性感覚で知ることが重要になります。
もし、視覚で確認したり聴覚で得た知識でしか分からない場合は、常に目で確認しながら動作をしなければならないですし、誰かに指摘されなければ気付く事すら出来ません。
何より、内反が出ないように動くためには、体性感覚によって気付け、運動を自分で修正していける必要があります。
もちろん運動学習には模倣やコーチングなど、視覚や聴覚によるものもありますが、内反などの意図しない運動を改善していくためには体性感覚が重要なのです。
これらのことを考えると、介入を進めていく前に、患者さんが内反を体性感覚で感じられているかどうか、もし感じているならどんな感じがするのかを聞くことが大切です。
皆さんの患者さんは内反に気付けていますか?