介入中に患者さんが何を考えているのか?想像したことはありますか?
触れている感じが分からない…動いている感じがわからない…動かし方がわからない…患者さんはリハビリをしながらいろいろなことを考えています。
私たちセラピストは、患者さんの感覚-知覚を通して接しています。今患者さんが何をどう知覚しているのか?を考えることは、患者さんの脳を想像することと非常に近しいプロセスになっていきます。
例えば、麻痺側の肘関節をセラピストが他動的に屈曲伸展しながら「動いているのはわかりますか?」と聞いたとします。この時セラピストは、患者さんの前頭葉と頭頂葉を中心に働かせていることになります。
患者さんは動いている【だろう】肘関節に注意を向け、感覚を処理する頭頂葉からくる情報を前頭葉で待つことになります。
この時、患者さんには、
- 肘に注意を向けるべきなのか
- 肘が動くことで生じる感覚に注意を向けるべきなのか
- 肘を動かすことで移動する手に注意を向けるべきなのか
の選択肢が生じることがわかります。このどれに注意を向けたのかを患者さんに聞くことで患者さんの注意の癖を掴むことが出来ます。
このように、自分が今脳のどこに働きかけているのかを念頭に置いて、患者さんに質問をしながら、また振舞いを良く観察していくことが脳血管疾患の患者さんや慢性疼痛の患者さんとのリハビリでは特に大切です。
科学が発展する中、リハビリテーションには今以上に情報があふれかえっていきます。
それらの情報をいかに自分の臨床にいかしていけるのかが、今後のセラピスト人生を大きく変えるかもしれません。
自分の臨床にどういう情報がいかされているのかが、自分だけの臨床の基盤になっていきます。
あなたに合った情報はなんですか?