痛みは感覚なのか?

痛みは感覚なのか?

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皆さんはいま、どこかに痛みを【感じている】でしょうか?私はパソコンと向き合う時間が多く、肩に痛みを感じています…。

リハビリテーションの現場で働いていると、痛みを持つ多くの患者さんと出会います。骨折による痛み、姿勢不良による痛み、脳卒中後の痛み、線維筋痛症による痛み…同じ【痛み】という言葉で表していますが、実際は全く異なる性質を持っていて到底同じ言葉で表せるようなものではありません。

そこで今回は、最初に書いたように痛みは【感じるもの】として捉えられていますが、表在感覚や深部感覚など他の感覚と同じ感覚なのか?について考えていきたいと思います。

痛みと感覚の違いから考える

つま先が痛い、膝が痛い、頭が痛いなど痛みには身体部位を特定できる特徴があります。これは通常の体性感覚と同様で、手に何か触れている、肘が動いているなどがこれにあたります。このような痛みの身体部位を特定できる特徴は、痛みの<感覚的側面>と言われており、脳にある身体再現と比較されていることが分かります。

一方で、痛みには「この辺が痛い」といったような痛みの部位を点で特定できないものも存在します。その多くは慢性痛で、例えば腰痛であれば痛いのが左右どちらかわからなかったり、日によって痛いところが違ったりと感覚では説明できない側面があります。

これらのことを踏まえると、痛みには感覚的な側面を多く含むものとそうではないものがあることがわかります。では感覚的な側面を多く含むいわゆる急性痛に関しては、体性感覚などの感覚と同じと考えて良いのでしょうか?答えは半分YESで半分NOです。つまり、痛みには体性感覚にはない特別性が存在していて、それが痛みが単なる感覚ではないと言わしめている原因なのです。

それはなんなのか?答えは、【心理面】です。心理面をもう少し細かく言うと【情動】となります。痛みはもともと危険信号で、身体に危険が生じていることを脳に知らせて、それを回避・逃避するためのものです。よって、痛みには負の情動(嫌だ)が働くことがもともと動物的に備わっています。これは、脳で処理される過程でもわかり、痛み刺激は感覚を処理している頭頂葉だけではなく、情動に深く関与する島皮質へも伝達されています。もちろん体性感覚でも情動は働きますが、直接的・同時的ではなくその役割も異なっています。
最近ではよく聞くようになりましたが、痛みとは情動体験だということが、通常の感覚とは異なる点なのかもしれません。

痛みを改善していくためには

リハビリテーションで痛みのある患者さんへ介入していくためには、ここまでのことを念頭に痛みの種類や質を患者さんに聞いていくことが大切になります。原因は何なのか?どのように痛むのか?どんなことをすると痛いのか?…これらのことを問診で聞きながら、痛みへと迫っていきます。これは、痛みにはいろいろな原因があり、またいろいろな要素が関係しているからに他なりません。
さらに、痛みが情動体験であるならば、患者さんは痛みをどう体験していて、痛みのある人生をどう経験しているのかまで考えて行く必要があります。これは、脳卒中後の患者さんの感覚障害でも同様で、感じにくい身体で人生をどう経験しているのかを考えなければならないのと一緒です。

患者さんからすれば、今ある痛みや感覚障害を最も理解しようとしてくれて、自分のことを考えていてくれる存在がセラピストなのです。自分がそんな存在になれているかどうかを大切にしながら、今日も患者さんとリハビリテーションの旅に出ていきたいと思います。

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いろいろな感覚を統合すると…?

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人はいろいろな感覚を通して様々なことを知覚しています。それらの感覚にはそれぞれの役割があり、受容できる刺激も限定されています。

例えば、視覚は光を受容して環境を知覚する役割があります。また、深部感覚は伸張を受容して身体を知覚する役割があります。聴覚であれば振動を知覚して、言語や音を知覚する役割があります。
このような基本的な感覚は、脳で処理されていくと統合されて情報の信用性を増加させたり、新たな情報を作り出したりしています。

今回は、この感覚を統合する観点からリハビリにどう活かせるのかを考えて行きたいと思います。

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感覚を統合するってどういうこと?

生きていくことは常に多くの感覚の入力を受けていくことです。この多くの感覚は常に同時に入力されていて、これらの感覚を脳はフィルターをかけながら処理することで、行為を行うことが出来ています。
人は1つのことしか意識することが出来ません。(詳しくは<注意の配分性って間違えやすい…大丈夫ですか?>をご参照ください)
この【意識】はいろいろな感覚が含まれていて、多くのことを知覚することで可能になっています。
家でソファーに座ってテレビを見ているときを例に考えてみます。(図1)

テレビを見ている時はテレビが意識にのぼっています。この時、

  • テレビ画面を見ている:視覚
  • テレビの音声を聞いている:聴覚

の2つが知覚されています。つまりこの2つが知覚されることによって、<テレビを楽しむ>ことが可能になっていることになります。
また意識にのぼっていない感覚もあります。

  • ソファーに座っている:体性感覚(触圧覚、深部感覚)前庭感覚など

これらの感覚は常に入力されていますが、意識にのぼっていないため知覚することはありません。もし2時間以上座りっぱなしであれば、腰が痛くなってきて痛みを意識し始めてしまい、テレビに集中できなくなるかもしれません。

この例の中で大切な感覚の統合は視覚と聴覚を統合することによって、テレビを楽しむことにあります。音が聞こえないないテレビよりも音が聞こえた方が楽しいと思います。もし視覚と聴覚が統合できなければ、聞こえている音がテレビから聞こえていると理解できないかもしれません。

テレビを見ている時の多感覚

テレビを見ていてスマホが鳴る音が聞こえてきた時、自分のスマホが鳴ったと勘違いした事はありませんか?このスマホが鳴った時に、画面にスマホが鳴っている画面が写っているかどうかでこの錯覚が生じるかどうかが大きく影響します。つまり、視覚でテレビでスマホが鳴っていることを見て、聴覚でスマホが鳴っていることを聞くことでこれらが統合され【テレビでスマホが鳴っている】と認知することが出来ているのです。

このように、単感覚ではわかりにくいことが2つ以上の感覚を知覚し統合することで分かりやすくなることが非常にたくさんあります。このことをリハビリに活かしていくにはどうすれば良いのでしょうか?

感覚を手掛かりと考えてみる

人指し指でテーブルの手触りを確かめてみてください。この時、自分で人指し指を動かして手触りを確かめたと思いますが、指先の触覚だけではなく指が動くことで生じる運動覚も知覚しています。実際に行っていただくと分かりますが、紙の手触りを確かめる時に指を動かすのか、紙を動かすのかで手触りが変わると思います。圧の変化もありますが、運動覚による触覚の変化が生じています。
言い方を変えると、運動覚によって手触りがよりわかりやすくなっていると言えます。実際、自分で指を動かして紙の手触りを確かめた方がより分かりやすくなったのではないでしょうか?このことから、感覚は知覚することの手掛かりになると考えることが出来ます。

臨床において、感覚がわかりにくいと訴える患者さんに対して、1つの感覚を対象として介入していませんか?触れている感じがわからない患者さんに、触覚のみを感覚刺激をして知覚してもらおうとするよりも、運動覚を同時に入力した方が触覚の役割である、物の材質の知覚が出来ることを数えきれないくらい経験してきました。

感覚の評価はまず単感覚から始めていき、2種類の刺激を知覚した時の能力を評価して短角の時と差がないかどうかを見ていくと、患者さんの本当の知覚に関する能力が見えてくるかも知れません。

ぜひご参考ください!!!

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患者さんの可能性を探す旅

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 リハビリテーションは、患者さんの可能性を最大限に発揮できるように、医師や看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がチームとなって、患者さんに寄り添うことが大切です。
これら多職種の中でも、実際に介入して患者さんを良い方向へと導いていくPT・OT・STは特に可能性を見つけていく能力が求められます。

 この可能性を探るためには、問題点を見つけていく作業だけでは不十分なんです。
そこで今回は、皆さんと一緒に患者さんの可能性を探す旅にでたいと思います。

患者さんの特徴を整理する

 リハビリテーションの臨床は、患者さんの問題点を改善していくことと思われがちです。
痛みがあれば痛みを取る、動かしにくい関節があれば動かしやすくする、感じにくい部分があれば感じやすくする…。
この問題点を改善していく思考のみでリハビリを行うと、この問題点が改善しなければ患者さんの可能性は途絶えてしまう危険性をはらんでいます。

 ですが、実際介入していく中で、患者さんが動作を獲得していくためには、動作を阻害している要素を見つけ、変化させていくことは大切です。
一方で、その動作を獲得していくのは患者さんであり、要素を変化させていくのも患者さんであることを忘れてはいけません。
このことを忘れてしまうと。筋緊張を整える、関節を整えるなどと言った、セラピストが患者さんを変化させてる錯覚に陥ります。
筋緊張が整った、関節が整った…その身体を動かすのは患者さんです。
その身体を患者さんがどう動かせば動作がより楽に、スムーズになるのかは患者さん自身が学習しなければならないんです。

 その為には、患者さんの問題点のみではなく、ポジティブなところを見つけ、学習を促していかなければなりません。
そうなんです…

リハビリは患者さんが主役であり主体であるため、変化するのも患者さんが主体で学習していかなければならない。

 そのためにも、患者さんの問題点だけではなく、ポジティブ面を探し、患者さんの特徴として整理していくことが大切です。

1つの能力には想像以上の要素が関わっている

 何かを感じる感覚、身体を動かす運動など人には様々な能力があります。
この感じる、動かすといった能力には、想像以上の要素が関わっているのは皆さんご存知の通りかと思います。
この多くの要素が関わっていることが、感じにくい中にも千差万別の感じ方があるように病態を複雑にしているのです。

 反対に、感じ【にくい】ということは【何かを】感じていることになります。
この何かを感じているの何かを理解することは、患者さんのポジティブ面を理解することに繋がり、可能性を見つけられる点になります。

 言い換えると、感覚という能力の中に生き残っている要素が存在していて、その要素を使って学習を促していけないか?ということです。
これが患者さんの可能性を探す作業であり、セラピストの最も大切な能力の1つになります。

 皆さんは患者さんの可能性を探すたびに出ていますか?

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感覚の基本中の基本とちょっと豆知識

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 感覚は人が人らしく振る舞う為には、必須な能力です。
運動がどの動物よりも高度であるように見えるのは、道具を使用することが出来る手、2足歩行を可能にしている下肢、そしてそれらの行為を縁の下から支えている体幹の機能が重要なことは言うまでもありません。

 ですが、それらの手・下肢・体幹の高度な行為を遂行する為には、感覚も同様に高度な処理を行えなければなりません。
加えて、感覚は言語との関係が非常に密接で、知覚したものを言語化することで様々なことを認知しています。
そこで今回は、そんな感覚の基本中の基本の部分を簡単に書いた後、感覚がいかに高度なのかの豆知識を書いていきたいと思います。

受容器から知覚まで

 感覚は、体全体のあちらこちらにある様々な種類の刺激に特化した受容器に対し刺激が加わった瞬間から始まります。(知覚は刺激を受容する前の予測から始まります)

  • 視覚:光
  • 聴覚:空気振動
  • 表在感覚:接触、圧、振動、伸張など
  • 深部感覚:筋の伸張

このような具合です。
 さらに、これらの刺激は受容器より後で電気信号に切り替えられ、神経線維を通り脳へ伝達されます。
この脳でも感覚毎に処理される場所が異なっていますね。

  • 視覚:後頭葉
  • 聴覚:側頭葉
  • 表在感覚:頭頂葉
  • 深部感覚:頭頂葉、小脳

これらの脳に刺激が到達するまでに、脳で処理できる状態まで感覚は加工され、脳で処理されていく過程で知覚できるようになります。

 つまり、「目に光が入った!」という状態から、「今何か見ている!」そして、「今見ているのは○○だ!」と脳での処理によって知覚が進んでいきます。
もちろん実際は猛スピードで処理されていて、意識することは出来ませんがイメージするとこんな感じになります。

 感覚の種類によって、どの段階で知覚できるのか(感覚を意識出来るのか)、知覚するためには何が必要なのかなどのプロセスは異なっています。
その為、いわゆる感覚障害における原因は、感覚の種類によっても分けて考えなければなりません。
単純に「感覚麻痺だから」と片付けずに、「どうして感じないんだろう?」を突き詰める姿勢が必要です。

 通常感覚麻痺は、

  • 受容器の損傷
  • 受容器から脳へ伝達する際の障害(神経損傷、シナプスの障害など)
  • 感覚を処理する領域の脳損傷

の3つを指します。
これら以外の原因による感じにくさは、知覚障害と呼ぶことが妥当です。
人の身体の専門家である以上、正確に言葉は使いたいですね。

感覚を知覚し、物事を認知する

 さて、ここまで感覚の基本中の基本を本当に簡単に書いてきましたが、この感覚を非常に高次だと考えている理由を豆知識としてここから書いていきます。

まず【感覚は何のためにあるのか?】から考えていきます。

 感覚の大きな役割は2つあります。

  1. 環境を認知するため
  2. 自分を認知するため

 これら2つは、【地球という環境で生きていくために、行為を遂行する】目的で行われると考えることが出来ます。
つまり、環境と自分を捉え、行為を遂行していくためには感覚は必須であり、最も重要な能力であると言えます。

 スムーズかつ安全に歩くためには、材質や傾斜などの地面の状態を視覚や足底感覚、足関節の深部感覚などから把握し、動いている自分の身体をリアルタイムに知覚した結果から姿勢に昇華しなければなりません。
 このように、感覚は時間的にも空間的にも同時的に発生していて、これらを感覚毎に処理して時に統合し、新しいものを作り出していく必要があります。

個人的には、動く事よりも感じることの方が人間らしさを作り出す要素としては貢献度が高いと思っています。
 その理由はここまで書いてきたような、感覚の役割はもちろん、もう1つ認知という側面からも感覚の重要性が高いことが分かるからです。

知覚と認知と記憶

 感覚は脳に蓄積していきます。
一方運動は、知覚がなければ蓄積することが出来ません。
なぜか?
感覚が無ければ自分が動いたのかどうかすら分からないからです。

記憶によって蓄積された知覚は、いつでも再生できイメージすることが出来ます。
その記憶には運動が含まれており、運動イメージとして再生することも出来ます。

すでに書いた通り、感覚の役割は環境や自分を認知することであり、この認知には記憶が重要になってきます。
今までで見たことがあるのか、感じたことがあるのか、使ったことがあるのか…この記憶に基づいて<今>を知覚することが出来ています。

如何でしょうか?
いかに知覚が大切なのか、また高次なのかが少しでも伝わって頂ければ幸いです。
この知覚が障害されるということはどういうことなのか?
このことをセミナーで話していきたいと思います!

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運動と感覚を分けるのはもうおしまい

運動と感覚を分けて考えるのはもうおしまい

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 リハビリでは一般的に、運動と感覚をそれぞれ分けて評価をして介入していきます。
ですが、人が行為を行う上で運動と感覚はそれぞれ密接な関係にあり、お互いに影響を及ぼし合っています。
その証拠に、運動器官である筋は同時に非常に重要な感覚器官であり、その感覚器官である筋紡錘は正確に感覚を受容するために運動を用いています。(α-γ連環)

 そこで今回は、感覚のおさらいと感覚障害について書いていきたいと思います!

感覚が脱失していたらスムーズに動けますか?

私が学生の頃に行わせていもらった臨床実習で、視床出血の患者さんのリハビリを見学していた時の話です。
その患者さんは、非常にぎこちなく動いていて、歩行においては平行棒を両手でしっかりとつかんで目で足元を確認しながら行っていました。

 その時の私は、「何の疾患なんだろう…?」と疑問に思っていましたが、担当の理学療法士の方が、

「感覚だけに障害があると運動に問題はでないと思う?」

と質問してきました。

つまり、運動麻痺がなく感覚麻痺だけがある場合、その人の行為はどうなるのか?という質問だったのですが、私は普通には動けないだろうなと思う程度でした。
実際見学していた患者さんは、脳画像からも評価からも運動障害はなかったのですが、感覚障害によって行為を思い通りに行うことは出来ていませんでした。
このことがきっかけで、私は運動と感覚の深い関係性について考えるようになりました。

人は動物である以上動きますし、環境に適応する必要がある以上知覚します。
この2つは必然なので、人の身体を対象としているリハビリでは外すことが出来ません。
またそれ以上に、人は知覚するために動き、動くために知覚しています。
つまり、運動するためには知覚できなければならず、行為において知覚は非常に重要な役割を持っています。

評価をしていく時に、要素ごとに評価してその結果を統合し問題点を抽出していく作業は非常に一般的ですが、私はこの方法をとっていません。
この方法をとってしまうと運動と感覚の関係性が見えにくく、実際の患者さんの像と少しずつずれて行ってしまうからです。

 ではどうすれば良いのか?
それは、運動と感覚を同じカテゴリーに入れられるような分析の方法を行えばよいのです。

行為をベースに考えて行く

私は、臨床の目的は運動を改善することでも、感覚を改善することでもないと思っています。
関節が曲がるようになっても、その関節の角度を行為で発揮できなければ意味がないように、動くようになってもまた感じるようになってもその人の生活が良い方向に変化しなければ意味がないからです。
つまり、リハビリの臨床においてよく見て、よく考えなければいけないのはあくまで行為であり動作でなければなりません。

 更に、臨床における介入では、患者さんの得意な部分を使えるような方法で展開されていくことが大切です。
例えば、歩行の時に立脚期が安定していない時、筋力トレーニングをするだけではなく、立脚時の足底の圧感覚を使用した介入も引き出しとして持っておく必要があるということです。

 なぜか?
1つは、運動と感覚が関係しあっていて、立脚期の問題が運動だけではない可能性があるからです。
もう1つは、行為の特性を考えていくと、歩行における立脚期では身体を支えている側の足底に荷重され、体幹の立ち直り反応が出現するなどの特異的な関連がみられます。
この時に、股関節周囲には確かに筋収縮がみられるのですが、これは立脚期の時だけに見られる収縮で、他の姿勢や運動ではこの収縮を再現することは出来ません。

 つまり、歩行という行為において、様々な知覚、反応が生じた中で筋が収縮しているのです。

 この事を考えると、運動という側面のみから介入していくのでは不十分で、感覚/知覚を交え姿勢や反応を考慮した介入が必要になってくることが分かります。
そのために、行為をベースに考えいかにその行為の特性を介入に持ち込めるのか?が勝負になってきます。
このことを前提に、観察から評価、分析までを行っていくためには、運動、感覚というコンポーネントではなく、歩行の時の立脚期に必要な能力と、能力同士の関連性を考える必要が出てきます。
 もうすぐリハビリが日本に入ってきて100年…そろそろ運動と感覚を分けて考えるのをおしまいにしませんか?

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触覚ってどこまで評価すれば良いの?

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脳血管疾患だけではなく、骨折などによっても問題が生じる触覚ですが、その評価方法は意外と多く「これ!」というものが見つかりにくいんです。

そこで今回は、触覚の行為の中での役割ひょうかをを考えて、触覚で「ここだけはおさえたい」評価を整理していきたいと思います!!

触覚って何に使われるの?

触覚と言えばまず思い浮かぶのが、【手触り】ではないでしょうか?
<さらさら><つるつる><ぶつぶつ>
など、触れている物の手触りを教えてくれる感覚が触覚です。

実は行為において、もっと大切なことを教えてくれる感覚が2つあります。

  1. 摩擦

この2つです。

そもそも触覚は行為の中でどう使われているのでしょうか?
例えば、コップを持つ時の1連の流れを書いてみます。

  1. コップを見る:コップの位置を把握し、コップの硬さや重さを予測して握る力をプログラムする。
  2. コップに手を伸ばす
  3. 予測したプログラムを元に握る
  4. 触覚の情報から予測通りの硬さ、手触りなのかを答え合わせをする

触覚の重要な役割は4の答え合わせにあります。
つまり、予想通りの【コップ】なのか?ということです。
実際、触れてからコップの手触りなどを知ろうとしても遅いんですね。
いつも使っているコップをいつも通り持とうとしたら、洗剤が残っていてぬるぬるしたらびっくりしますよね?
これは、予測した触覚と実際に触れたときの感覚が違ったからです。

このような使われ方をしている触覚の中でも、先ほど挙げた圧と摩擦は特に大切です。
手の触覚では、握る力をコントロールするために圧と摩擦が必要です。
足底では、荷重していく時にバランスを取るために圧と摩擦が必要です。

では、触覚はどう評価していけば良いのかを書いていきたいと思います。

触覚(摩擦/圧)の評価の方法

では早速触覚の評価方法を考えて行きます。

以前書いた運動覚の評価(運動覚ってどうやって評価するの?)のように、項目を書いていきたいと思います。
また、これらは手指/手掌/足底など部位別に行っていきますが、目標としている動作/行為に紐づいて部位を決定していくことをお勧めします。

触覚の評価を進めていく時に、重要な点は【自分の体に注意するのか、触れている物に注意するのか】です。
これは、それぞれ必要な能力が異なり、感覚に差が出る可能性が高いためです。
ですので、それぞれ分けて整理していきます。

<自分の体に注意する>

  • 触れているのがわかるか
  • 触れている場所
  • 触れられている強さの違い

<触れている物に注意する>

  • 触れている物の硬さ
  • 物の触感/肌ざわり
  • 物のどこに触れているか

以上にあげた項目を網羅すれば、触覚の状態を把握することが出来るはずです。

これら2つの注意を使い分け、行為の中でどう使われているかを観察/分析していく作業が必要です。

もし細かいやり方や意味を知りたい人はぜひサロンにご入会下さい!!
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