失行症の患者さんに悩んだら読むブログ

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お読みいただいている皆さんありがとうございます。
本サロンを運営しています、理学療法士の唐沢彰太です。
(自己紹介はこちらから→唐沢彰太って誰?

 脳卒中の後遺症を持つ患者さんのリハビリは悩むことが本当に多いです。
お読みいただいてる皆さんの中で、右半球損傷と左半球損傷とでどちらかに苦手意識をお持ちの方はいらっしゃいませんか?
 もし苦手意識がない方は非常に素晴らしいですし、お持ちの方も仕方がないことかと思います。

 今回は、左半球損傷の患者さんのリハビリが苦手な方に失行症に焦点を当てて書いていきたいと思います。

左半球損傷=言語障害の先入観をなくそう!

 右片麻痺の患者さんと言えば失語症が浮かぶのではないでしょうか?
失語症の影響でコミュニケーションがうまく取れない方のリハビリは確かに難しいです。
 このような場合は、言語聴覚士がいるのであれば積極的に連携を取っていくのはもちろん、失語症でも全失語でなければコミュニケーションを取ることは十分に可能です。
まずは、コミュニケーションを取ることが出来た経験を積み重ねていってください。

 別の視点で考えた場合では、言語障害の有無にかかわらず、動作や行為、生活を観察し分析していくプロセスは変わりません。
 失語症に気を取られすぎず、いつも通りの介入をまずはしていきます。
 その上で、言語を障害されていることによって動作にどの様な影響が出るのかも勉強していくと、さらにより良い介入が出来るようになってきます。

失行症と考えず、患者さんの特徴を捉えよう!

 失語症とは別に、右片麻痺の患者さん左片麻痺の方と比べて様々な特徴があります。
例えば、

  • 動きがぎこちない
  • 関節の動きに動きすぎ、動かなさすぎなどの違和感がある
  • 介入の効果が持続しない
  • 動作の変化がなかなか見られない
  • などなど

これらのほとんどに影響していることが多いのが、失行症です。

 動作のスムーズさ、効率性、学習など様々なことに悪影響を及ぼし、リハビリの効果を低くしてしまいます。
ですが、よくある間違いとして上にあげたような特徴が見られた時に、失行症に関する検査を行って「この人は失行症だ!」と障害名を付けることが目的となってしまうことです。

 このような手続きをすると、失行症に対するアプローチになり、

  • 失行症について詳しくないとダメ
  • 失行症に対する介入方法を知らないとダメ

となってしまいリハビリが進まなくなってしまうことが多いんです…。

 高次脳機能障害を改善する!ではなく、高次脳機能障害をお持ちの患者さんの生活を変化する!と考えるべきですし、高次脳機能障害がどう行為に影響しているのか?を考えるべきです。
 このことを考えると、失行症があるかどうかは検査するべきですが、患者さんの動きや認知面などの特徴をしっかりと捉えて、その特徴をベースに介入を考えていくことが重要です。もちろん失行症に詳しいことに越したことはありませんが、必要なことから勉強していくことも出来ます。

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脳卒中後の内反と本人の気付き

内反

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脳卒中後に見られる様々な現象の中でも、動作/行為を大きく阻害する1つが<内反>と呼ばれている現象です。
内反はもともとは、足関節を母指側から背屈方向に動かす運動のことで、脳卒中後を中心とした疾患では、この足関節の運動である内反が意図せず出現してしまいます。
内反は足底と床/地面との接地面を極端に減らし、時には足関節を捻挫してしまうこともあります。
すると、立ち上がりは非麻痺側での過努力性になり、立位ではバランスが低下します。
さらに、歩行中は常に麻痺側の足首を気にして歩かなければならなくなります。
そこで、今回はこの内反に関する内容を書いていきたいと思います!!

内反と尖足

 内反と合わせて良くみられる現象が<尖足>です。
<内反尖足>といったように言われることが多いですが、明確に言うと内反と尖足は別々の現象です。
内反は既に書いた通り背屈方向の動きですが、尖足は底屈方向の動きです。
本来反対方向の動きですが、内反尖足は底屈に回内が含まれている運動と考えた方が分かりやすいかもしれません。
つまり、小指側から底屈をする感じですね。
今回は、この尖足を伴わない内反に関して書いていきますのでご承知ください。

内反に、本人は「どうやって気付いているのか?」

さて、脳卒中の後遺症には、意図していない運動が出現してしまうものが非常に多くあります。
これは内反に限りませんが、これら意図していない運動が出現しないように動作/行為を行えるようになるためには、その現象に本人が気付けているかどうかが非常に重要になります。

そこで臨床では、患者さんに
「○○の時足が力んでしまいこうなってしまっている(内反している)ことに気付いていますか?」
と質問することがあります。
この質問に対して、気付いていない場合は気付いてもらう手続きが必要なのですが、もし気付いていても注意が必要です。

 例えば、リハビリの中で言われたことがある、家族がいつも注意してくるなど知識として内反していることを<知っている>ケースです。
 その他にも、目で見れば分かるなども知識として知っているケースと同様に注意が必要になります。

なぜでしょうか?

内反のような意図しない運動の出現が動作の中で見られている場合、その動作を行った時に出現しないような動作の獲得が必要になります。
その時、自分がその動作をどうやって行っているのか?を体性感覚で知ることが重要になります。
もし、視覚で確認したり聴覚で得た知識でしか分からない場合は、常に目で確認しながら動作をしなければならないですし、誰かに指摘されなければ気付く事すら出来ません。
何より、内反が出ないように動くためには、体性感覚によって気付け、運動を自分で修正していける必要があります。
もちろん運動学習には模倣やコーチングなど、視覚や聴覚によるものもありますが、内反などの意図しない運動を改善していくためには体性感覚が重要なのです。

 これらのことを考えると、介入を進めていく前に、患者さんが内反を体性感覚で感じられているかどうか、もし感じているならどんな感じがするのかを聞くことが大切です。
皆さんの患者さんは内反に気付けていますか?

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臨床で試行錯誤していきたい人のために

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リハビリの臨床では、目の前の患者さんに最適の介入を見つけるために試行錯誤を繰り返していく必要があります。
試行錯誤していくためには、仮説を立て、検証していかなければなりません。

そこで今回は、リハビリの臨床における試行錯誤の方法を、仮説を立てること、その仮説を検証することを中心に書いていきたいと思います。

仮説には、【疑問】と【情報】が必要

さて、臨床にはある程度流れが定まっているかと思います。
例えば、

  1. 事前情報の収集
  2. 動作分析
  3. 問題点の抽出
  4. 介入

のような感じです。

 学生の頃に頑張って行ったたくさんの評価や問題点の抽出を、実際の臨床の中で行うのは時間的にも難しく、絞らざるを得ないのは言うまでもありません。
そうすると、1~4の流れで臨床を展開していくことが多くなってくるという事です。

 ですが、この流れでは試行錯誤を十分に行うことが難しく、特に【仮説を立てる】ことを行う機会が少なくなってしまいます。 

この仮説を立てるためには、以下の2つが重要です。

  • 疑問
  • 情報

セラピストが感じた【疑問】の原因を、様々な【情報】を元に予測する作業が仮説を立てるプロセスになります。
 つまり、この2つのことを臨床に丁寧に組み込んでいくことが必須で、それぞれの方法を知っておく必要があります。
 ここでいう仮説は、「○○かなぁ?」という状態です。
「手の触れてる感じが分からないのは、手に注意を喚起するのがむずかしいからかなぁ」
「歩行の時に、左の危険を見落とすのは右側に注意が偏っているからかなぁ」
 こんな感じで仮説を立てる作業が重要になります。

 ここまでを考慮すると試行錯誤するための臨床の流れは次のようになります。

  1. 事前情報の収集
  2. 観察(動作、行為、日常生活など)
  3. 評価・検査
  4. 分析(統合と解釈)
  5. 介入
  6. 効果検証+観察
  7. 2へもどる

 このサイクルを回していくことが試行錯誤に繋がります。
では次に、検証について書いていきます。

仮説が合っているかを検証するための介入と予測

検証は、感じた疑問の原因を知識や知見などの情報を元に考えた仮説が正しいのかどうか、もし間違えていたなら次はどんな可能性があるのか?を考える作業です。
 この検証を行う為には、次の3つが必要です。

  • 仮説
  • 介入の方法
  • 結果予測

 検証を行うと、結果が出ます。
例えば、先ほど書いた例の「手の知覚が難しいのは手に注意を向けられないから」という仮説に対して、注意に関する介入を行います。
すると、その介入の結果から注意が手に向けられるのかどうかがわかります。

 ここで大切なのは、

  • 検証のための介入の手段を知っている(手に注意が向けられるかどうかがわかる介入の方法を知っているか)
  • 介入の結果がどうなれば、仮説が立証されるかが分かっている

 これらにプラスして、仮説が正しかった時に本介入の方法を知っているかも臨床では重要になります。

 この様に、疑問を具体化して、それを確かめて患者さんの可能性をどんどん高めていくプロセスが試行錯誤です。

 ぜひお試しください!

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